ヴォルフ

ヴォルフ



概要


ドイツのクラウス・マッファイ社製第3世代AS(ちなみにドイツでASは『マシーネン・イエーガー(機械化猟兵)』と呼ばれることがある)
名前はドイツ語で「狼」を意味する。
装甲重視の設計ながらうまく総合的な性能のバランスを調整しており、機動性も第3世代型ASの標準以上の性能を持つ。
開発時の仮想的であるロシア製Zy-99シャドウをはじめ、様々なASに対して大きなアドバンテージを保持している第3世代型の中でも特に評価の高い機体のひとつ。

カタログスペックではM9A1がやや上回る性能だが、開発初期から防御力重視の設計だったため、総合的な性能バランスでむしろM9A1を上回ると評されている。
防御力重視の思想は前世代のドラッヒェシリーズから受け継がれたものでドイツの伝統的な陸戦兵器の特徴を色濃く反映している。


機体構造


よく前世代機のドラッヒェと機体のシルエットを比較される。
ヴォルフは完全電気駆動の実現、装甲素材とレイアウトの徹底的な見直しにより、そのシルエットは比較的スマートにまとまっている。
下半身の独特な関節構造は走行機動中であっても機体を安定させ、きわめて評価の高い火器管制システムと相まって走行間射撃の安定性は第3世代ASの中でも随一となっている。
高い強度の装甲だけではなく、高剛性なフレーム構造と強靭かつ高出力の関節駆動部と、厚い皮に太い骨の設計である。


ヴェトロクニス


センサーやECSの性能は第3世代型ASの標準的な性能をキープしている。
しかし、応答性の高いインターフェースに、豊富な格闘モーションデータ(一説にはMt-2000/TYPE-4 タイフーンだけでなくMt-94/TYPE-6 不知火Mt-00/TYPE-8 武御雷のデータも流用していると言われている)から高い近接格闘戦能力を持ち、主な演習相手である連邦軍の兵士はこの機体に「剣士(ソードマン)」というニックネームを付けるほど。


武装



短所


高くまとまった性能を持つヴォルフだが、十分な調達量がえられていない。
高性能な反面価格が高く、Zy-99M シャドウの約4倍の機体単価は予算に大きな負担となる。
クラウス・マッファイ社はヴォルフを積極的に輸出しようとするも上手くいかない理由のひとつがそれである。
加え、そのハイエンドな高性能から輸出対象国の審査基準を厳しくせざるおえない。

しかし、輸出の推進がうまくいかないのはそれらの理由だけではない。
装甲と機動性を高いバランスでまとめている結果、駆動系やリアクターには負担がかかってしまい整備性も悪い。
性能を最大限に発揮するには入念なバックアップがかかせない。
そのためのコストも決して、購入側にとっては軽視できない。

最大稼働時間の短さも欠点としてあげられる。
重い機体に高出力のリアクターと駆動系を纏め上げたうえに機体自体をスマートにまとめてしまっている分、燃費が悪いうえに整備性においてデリケートな部分がこの部分に出てしまっている。










機体諸元


[製造]
クラウス・マッファイ

[全高]
8.6m

[重量]
10.8t

[動力源]
パラジウムリアクター
シーメンス SPR-200 [2500kw]

最大作戦行動時間]
150時間

[最高自走速度]
180km/h

[最大跳躍高]
30m

[固定武装]
ジェネラル・エレクトリック GAU-19/S 12.7mmガトリングガン

[基本携行火器]
エリコン GEF-B 40mmライフル
マウザー MGK-35 35mmライフル
ラインメタル GIK-76 76mm滑腔砲
ジオトロン GRAW-6 単分子カッター
など

[センサーシステム]
アクティヴ・フェーズド・レーダー
赤外線監視装置
ペリスコープ
ECCS

[ヴェトロニクス(電子機器)]
機体制御用A
ECS
N/CMD-5 チャフフレアディスペンサ
N/LINK-6 アドヴァンス・クロノデータリンク


機体バリエーション


ヴォルフ(第666夜間戦術教導中隊仕様機)


森近重工の技術提供をうけて特殊部隊用に改良したタイプ。
第666夜間戦術教導中隊ドラクリオットには予備機も含めて13機納入されている。
ハイエンドなその性能から原型よりも更に経済的・政治的にも購入できる国や部隊は限らる。
第666夜間戦術教導中隊ドラクリオットの他にはASEドイツ陸軍の特殊部隊にしか採用例がない。

ヴェトロニクスに改修を加えて今までの優秀な基本性能に隠密性を追加した。
ECSに不可視モードを実装した他、センサの性能も強化。
アクティヴ・フェーズド・レーダーを統合型多機能RFシステムに、赤外線監視装置を光学監視追尾装置にそれぞれ換装している。

有事には暗い色を多用した夜間・森林・都市迷彩に身を包んでいる。
だが、教導任務では識別を容易にするために迷彩の一部を明るい色に塗り直して視認性を高めている。

ドラクリオット中隊がパルチザン部隊に合流した後も重要な主力機として位置づけられている。
しかし、整備性の悪さから完全に性能を引き出した状態での運用は難しい。
操縦者の技量とパラメータの書き換えによって性能を制限することで機体の消耗を抑え、なんとか運用している状態である。


最終更新:2013年04月19日 00:15