GNX-141V ケルベリオン Cerbelion
機体概要
火星連合イルスギ重工が開発する新型量産機GNX-130 レリオンとのフォースミックスを期待されて設計された試作機GNX-Y140 ガレリオン。
ガレリオンを元にUPW軍主力機選定の仕様にあわせて改良したのがケルベリオンである。
宇宙・大気圏内での飛行を重視したシンプルかつ洗練された量産性の高い構造をもつGNX-130 レリオンと比べて兵器搭載量や全領域性能、生存性に優れる。
UPW軍に導入され、各種試験にまわされる予定だったEMD機が暗黒星団帝国に鹵獲されたうえ解析・量産されている。
機体開発コンセプト
GNX-803T ジンクスIVと同様に大型の機体ではあるものの、機動性が良好だったジンクスⅣを上回る高い機動性を持つ。
ただし、パラジウムリアクターが1基、GNドライヴを2基必要な分、コストは高くなると思われる。
そのぶん、戦闘任務と対艦対地対要塞攻撃任務を同時にこなすことも、ジンクスⅣと比べて容易となる。
第二世界大戦の区分で例えるなら、一撃離脱戦法を得意とするやや大型の戦闘攻撃機に近い。
運用思想
もともと、UPW軍ではジンクスⅣとケルベリオンをうまく同時使用する使用を考えられていた。
例えば、空母艦載機で守られた空母群に対しての航空攻撃はジンクスⅣが格闘戦装備で対艦攻撃機の護衛をおこない、ケルベリオンが大出力のGNビームライフルにて対艦攻撃や敵直衛機に対する後方からの支援射撃を行う。
鹵獲された暗黒星団帝国では同じく鹵獲されたレリオンとの連携を想定している。
パイロットの練成が間に合わないところもあり、無人での運用もされている。
機体構造
関節部を含めた、内部フレームはVPS装甲素材とGNカーボンをくみあわせた複合素材を採用。
通電なしでも1G環境下では十分戦闘が可能なほど頑強であり、高G環境下や着地時などの高い負荷がかかったときのみ、通電する。
動力炉にはGNドライヴ[T]以外に、パラジウム・リアクターが装備されている。
パラジウム・リアクターは日立製作所の火星マリネリス工場で作成されたPRH-281 [3400kw]を採用。
これはアヴィオニクスや追加武装・GNドライヴ[T]などで電力消費が厖大なものとなるための対策である。
機体中央胸部にパラジウム・リアクター、肩部にそれぞれGNドライヴ[T]を装備する。
オルトロス・ユニット
両肩から背中にかけてのユニットはまるで双胴の戦闘機のようであり、本機の機動力を大きな割合で担っている。
まるで戦闘機を肩の上に背負い、機体本体はそれにぶら下がって機動するような恰好になる。
ユニットの中枢は2基の疑似太陽炉であり、オルトロスの名前のとおり二つの首の先端にある。
そして、疑似太陽炉のノズルが二つの胴体を構成しており、これが肩の上に乗っかる格好となる。
肩から外に大気圏内や微小天体の制御・排熱のために使用される翼が広がっている。
翼の先端にはGN粒子の噴出口があり、エルロンのような挙動を発生させることで、ピッチ方向とロール方向の制御を行う。
そして、背中には上下二つのテイルブームがピッチ方向のモーメントと強化する役割を持ち、ヨー方向の制御を司る。
翼の上下にはハードポイントがあり、そこに戦闘機のようにミサイルなどを「吊るす」ことができる。
機体本体から取り外すことはできるが、あくまで整備性向上のためのユニット構造であるためだ。
取り外した状態での戦闘はまったく想定されておらず、一応短距離を航行・飛行できなくはない程度である。
パラジウムリアクター自体は機体本体にあるため、飛行や跳躍はともかく歩行には支障はない。
疑似太陽炉
両肩には再回収・再加速・圧縮機能を備えた三菱日立パワーシステムズ E110R 疑似太陽炉を備える。
疑似太陽炉に太いノズルを取り付けたような形状で、外見の大雑把な印象としてはラムジェットブースターを備えたターボジェットエンジンに似ている。
つまり、圧縮機にあたるところが疑似太陽炉、ラムジェットブースターが恒星間ラムジェット、アフターバーナー区画が再加速・圧縮区画のように見える。
疑似太陽炉統合制御システムによって大きく振る舞いを変え、戦闘時に使われるモードはふたつにわけられる。
高機動優先モードではGN粒子を再加速・圧縮区画において再度加速させてやることで疑似太陽炉単体で使うより大きな加速がえられる。
高機動優先モードで一定以上の速度がえられるなど条件を満たすと恒星間ラムジェット(ラムジェットブースターモード)が作動する。
恒星間ラムジェットとは宇宙空間に存在する微小な天体を磁場の罠で捕まえたうえで加速させることで推進力を得る。
作動にはその微小天体が存在していることが条件であり決して万能な推進方法ではない。
しかし、疑似太陽炉による加速に多少上乗せする程度であれば十分に可能である。
再加速区画にはっている磁場を恒星間ラムジェットのエアインテイクから外にはりだし、微小天体を捕まえてエアインテイクから吸い込み、再加速区画で自身の疑似太陽炉からのGN粒子とあわせて再加速させる。
微小天体や戦闘宙域に残留した粒子などがほとんどない状態だと原理上効力を発揮することはできず、その判断も制御システムによって自動でされる。
ちなみに恒星間ラムジェットのエアインテイクは意図的に逆流されることでスラストリバーサーとして作動する。
そのため、ラムジェットブースターモードからスラストリバーサーを作動させる場合には多少のリアクションタイムを要求するため、一撃離脱戦法などの高加速をえてラムジェットブースターモードから急速反転する際にはスラストリバーサーを使わず方向転換・180度反転をしてから全力噴射することが推奨される。
あくまでスラストリバーサーを使うのは格闘戦などの低中加速時の迅速な後退が必要な時に限られる。
火器優先モードでは長いノズルをGNコンデンサのように使用する。
ノズルをほぼ閉じてしまい、ノズルとして使っていた区画をGNコンデンサとして使用する。
高性能な再加速・圧縮機能を使ってGNコンデンサを高い圧縮率で比較的大きな容積に圧縮することで、火器優先モードでのGN粒子の貯蔵量はジンクスⅣを圧倒する。
再加速・圧縮機能は多用途に使われているが、再加速ノズルとして使うにしろ、GNコンデンサとして使われるにしろ、電力を消費する。
パラジウムリアクターで賄うことは可能であり、もちろんそのように設計されている。
しかし、電力消費が多大な不可視型ECSやレーダー・電子戦システムと併用したうえで、非常に高い圧縮率や再加速率を強要してやれば、割と簡単にコンデンサの電力を使い果たしてしまう。
そのような操作は中央制御AIにて制限されるが、パイロットの操作で解除可能である。
補助推進システム
両脚部には疑似太陽炉単体に準ずるほどの出力を持つ三菱日立パワーシステムズ C2010 GNスラスタを装備する。
GNコンデンサと一体化したGNスラスターはごく短い時間ながら機体本体からの粒子供給を受けず駆動できる。
恒星間ラムジェットブースターとしての機能をあわせてもち、インテイクから吸いこんだ微小天体や粒子、星間物質などと一緒にGN粒子を推進剤として加速させ放出する。
機体制御AIシステム
高速処理を可能とする中央制御ユニットに、強力な機体制御AIを導入している。
GNX-Y903V ブレイヴから機体制御AIシステム LEIFを流用して、開発された。
パイロットの意識や操作、仕草までをよく観察して判断を下すAIシステムであり、複雑な要素を同時進行で制御しなければならないこの機体に適している。
自衛や僚機防護用の強力な電子戦プログラムをすでに導入しているが、さらに一歩進めた攻撃的かつ先進的な電子戦のアップデートを予定しているため、そのための余地を残している。
索敵・探査システム
N/JSRS-20(γ)1 統合型多機能RFセンサシステム、N/OST-3 光学監視追尾装置、QWS-2 超光速航行探知システムなどほぼGNX-Y903V ブレイヴと同等のものを使用する。
ただし、RFセンサシステムのコンフォーマルアンテナは増設されており、制御するための改修がほどこされている。
フライトコントロール
機体制御プログラムのなかに暗黒ガス帯などの微小天体や星間物質が存在する宙域を想定したものが新しく含まれている。
恒星間ラムジェット(ラムジェットブースターモード)の制御や機体表面の抵抗を巧みに制御することで全領域性能を向上させている。
固定武装
肩部の疑似太陽炉に近付けする形でHMPキャノンを2基装備する。
HMPキャノンはGN粒子のビームを多数放つ拡散ビーム砲とGNフィールドジェネレーターを兼ねる構造となっている。
その設計のせいでGNビーム砲としては理想的な構造とはいえず、粒子の消費量は多い反面収束率が甘く、距離を離れると威力が減衰してしまい反動も大きい。
ただし、収束率が甘いこともあり、ごく近距離では高い威力と命中率を併せ持つ。
射撃武器としては使いにくいものの、格闘戦の間合いでの攻撃には有効である。
反動が大きいことを利用し、スラストリバーサーと併用することで回避しにくい攻撃をおこないながら距離をとる、積極的な自衛手段として使用可能。
武装各種
標準装備として手持ちの射撃武装には
GNX-Y903VS ブレイヴ一般用試験機のドレイクハイリングをもとにした
ジオトロン・エレクトロニクス GNメガランチャーを装備。
ドレイクハウリングと同様に肩部のHMPキャノンと連動させてから、トライパニッシャーを放つことが可能。
トライパニッシャー以外の射撃モードでは一時的にGN粒子の供給が機体本体から絶たれても、メガランチャー内蔵のGNコンデンサからの粒子供給でビームを発射しつづけられる。
メガランチャー本体にはピカニティレールがついており、追加の外付けGNコンデンサやグレネードランチャー、追加の射撃管制センサなどオプションを装備することができる。
標準装備に近接格闘兵装がないため、標準装備から選択される。
膝の部分にはウエポンハードポイントがあり、そこにブロック化されたナイフシースと格納される兵装をまとめて設置することができる。
ちなみに近接格闘兵装のかわりに対戦車ダガーやハンドグレネードを装備することも可能。
近接格闘兵装としてよく装備されるものとして東芝 14式GN単分子カッターがある。
ナイフというより、短刀のようなもので同社製のAS用単分子カッターをそのまま短くしたような形状である。
刀身にはGNフィールドをまとい、微細なGN粒子のビームサーベルの羽がチェーンソーのように回転して敵フィールドを削るとるようにして突破する。
敵機や敵フィールドの切断時にはGN粒子の消費はやや重いものの、それ以外では重量や容量も比較的小さくまとまる。
オプション兵装
背部には戦術機と同じダウンワーク方式の兵装担架を備え、共通する火器を装備可能。
ただし、オルトロスユニットと干渉するために跳ね上げ式の長刀用の兵装担架は装備できない。
現時点では実体の長刀は装備できず、改良が検討されている。
背部とオルトロスユニットには姿勢制御用テールユニットがあるが、そのテールユニットを取り替えて武装コンテナを内蔵する大型のテールユニットに変えることもできる。
その武装コンテナには今のところマイクロミサイルランチャーをおさめることができ、今後も対応装備を増やしていく予定である。
機体諸元
[全長]
22.5m (ケルベリオン・パッセ)
24.5m (ケルベリオン・プレザン)
21.9m (ケルベリオン・アヴニール)
[乗員]
パイロット 1名
[固定武装]
イスルギ重工 GNG4 HMPキャノン×2
Mk-3 THEL-CIWS セル・シウス×2(一部タイプではオミット)
XM18 ワイヤーガン×2
[携行武装]
ジオトロン・エレクトロニクス GNメガランチャー
東芝 14式GN単分子カッター
GNビームサーベル
他
[動力炉]
疑似太陽炉 三菱日立パワーシステムズ E110R×2
パラジウムリアクター 日立製作所 PRH-281 [3400kw]
[センサーシステム]
N/JSRS-20(γ)1 統合型多機能RFシステム
N/OST-3 光学監視追尾装置
QWS-2 超光速航行探知システム
[アヴィオニクス(電子機器)]
機体制御用AI
ECS(一部タイプでは不可視モード付ECS)
N/CMD-5 チャフフレアディスペンサ
N/LINK-6 アドヴァンス・クロノデータリンク
4重マッスル・バイ・ライト
[その他装備]
GNカーボン/VPS装甲素材複合材料フレーム
対レーザー蒸散塗膜
三菱日立パワーシステムズ C2010 GNスラスタ
トランザムシステム
機体バリエーション
GNX-Y140 ガレリオン
試作機段階のガレリオン。
実機はUPW中央宇宙防衛軍に保管されており、グラール太陽系にはない。
GNX-141V ケルベリオン・パッセ Cerbelion F1
対機動兵器戦闘能力を獲得したもっとも初期・標準仕様のケルベリオン。
F1仕様とも言われる。
近接格闘戦での被弾を考慮して、後期仕様と比べて正面装甲が重視されている。
後期仕様と違って対地対艦対要塞兵装の運用能力をもたないものの、後期仕様のソフトウェアを流用すればそれだけで運用できる。
ケルベリオン・パッセのパッセとは、フランス語で「過去」を意味する。
GNX-141V ケルベリオン・パッセ暗黒星団帝国仕様 Cerbelion F1
F1仕様機を暗黒星団帝国が鹵獲、生産したタイプ。
従来型の暗黒星団帝国製の機動兵器から転換すべく、量産を開始している。
燃料の確保の観点から、ジェネレーターを暗黒星団帝国の戦闘機から転用してパラジウムリアクターと置き換えている。
また、コクピットもパイロットと機動兵器とを電気的に接続するタイプのインターフェースに変更。
GNX-141VC ケルベリオン・プレザン Cerbelion F2
指揮官仕様のケルベリオンで、もともとガレリオンが指揮官機として設計されたことを考えると一番「らしい」タイプなのかもしれない。
中遠遠距離での高機動射撃戦闘を想定し、近接格闘戦での被弾を想定したパッセから装甲を少し削っている。
ケルベリオンのなかでも乾燥重量が一番軽量であり、兵器搭載量ももっとも多く、また兵器搭載量を削った場合には他の仕様と比べて機動性も高い。
もっとも、指揮官機として出撃する場合には対機動兵器を想定した装備でも、追加電子戦ポッド(電子戦ポッドには電子妨害以外にも通信出力を高める機能がある)などを装備する場合も多い。
その場合にはほぼ重量的は変わらなくなってしまう。
ケルベリオン・プレザンのプレザンとはフランス語で「現在」を意味する
GNX-141VC ケルベリオン・プレザン暗黒星団仕様機 Cerbelion F2
F2仕様機を暗黒星団帝国が鹵獲、生産したタイプ。
パラジウムリアクターやコクピットの変更はF1仕様機と同じ。
GNX-141VC ケルベリオン・プレザン暗黒星団仕様機ダインスレイヴ発射専用機 Cerbelion F2
暗黒星団帝国のF2仕様機をダインスレイヴ運用専用に改修したもの。
元々、通信やセンサーの出力が高く、パラジウムリアクターやそれに代わる高出力ジェネレータを装備した機体は電力供給能力も高く、遠距離射撃を行う高出力レールガン運用機として適していた。
もともと、レーダーの能力は高かったために、増設されたセンサーはオルトロスユニットの翼に吊るされた光学センサのみ。
それ以外の余剰のペイロードはすべてダインスレイヴやセンサーに電力を供給するキャパシタに割いている。
急造の設計であり、後述の電子戦機仕様を参考にして機体内部の一部のGNコンデンサまでも電力供給用キャパシタに置き換えてはいるが、それでも余剰のGNコンデンサを抱えている。
時間をかければ、それらもキャパシタに置き換える設計にすることも可能であった。
ただし、GNコンデンサをインテグラルタンクのようにしている箇所の設計変更にかかる時間を考慮し、その箇所はそのままにされた。
固定武装はそのままだが、それ以外の武装はダインスレイヴのみとされる予定だった。
ただ、ごく少ない余剰のペイロードは残っており、そこに実弾のハンドガンを搭載しており固定武装をのぞけば唯一の自衛武装である。
GNX-141VC ケルベリオン・プレザン暗黒星団仕様機ダインスレイヴ装填専用機 Cerbelion F2
暗黒星団帝国のF2仕様機をダインスレイヴの次弾装填専用に改修したもの。
次段装填自体はケルベリオンでなくても可能であったが、装填を行う機体が護衛を担当する必要性があり、ケルベリオンはその護衛機として性能十分であり、ダインスレイヴ隊の使用機材をまとめて統一できる点を考慮された。
通常のF2仕様機とはほとんど機体のハードウェアはかわりなく、翼に同様の光学センサをつるしたうえで、背中のハードポイントにダインスレイヴの弾頭コンテナを固定しているだけである。
光学センサを装備しているのは離れた場所にいる射手と装填手のそれぞれの光学センサを統合して処理することで光学による索敵をより精度高く、立体的に行う。
護衛機として武装はGNブラスターをそのまま所持しており、ダインスレイヴにつぐ射程の武器を持つことで、GN粒子の高出力のビームという二の矢を放つことが可能。
戦国時代の合戦時に鉄砲隊のクールタイム時に、防ぎ矢をするのに発想としては似ている。
万が一、懐に潜り込まれた場合には次弾装填を諦めてハードポイントからダインスレイヴの弾頭をコンテナごと切り離して応戦する。
GNX-141VEW ケルベリオン・アヴニール Cerbelion F3
電子戦仕様のケルベリオン。
元々、標準仕様でも半世代前の電子戦機に勝る能力を持っていたが、その特性を伸ばし専用設計された電子戦機にも相当する能力を獲得した。
F2仕様と比べて胴体や頭部を中心にコンフォーマルアンテナが増設され、特に頭部はレーザーCIWSが撤去されたこともあり、大きく形がかわっている。
あわせて、GNコンデンサの一部を撤去して、電子機器などへの電力供給用スーパーキャパシタがかわりに増設されている。
それでも、電力供給に若干の不安が残るために、疑似太陽炉後方のノズルの再加速装置の能力を落とすかわりにノズルの中のGN粒子の流れを利用した補助発電装置で補う。
ECSも電子戦機を特殊作戦や偵察に使われることを考慮し、不可視モードが追加されたECSを装備する。
専用の電子戦オペレータもいれて2名で運用されることも検討されたが、結句1名での運用となっている。
パイロットは電子戦を熟知したオペレータとしての資格が必須である。
しかし、その分パイロットとしての技量が低くて作戦がこなせるよう、機体制御AIに自動操縦支援システムが対応している。
パイロットは電子戦のみに専念し、航法から自衛戦闘まで自動でこなすことすら可能である。
データリンクか、音声による入力による大まかな指示を認識することで、柔軟な戦闘行動を行う。
詳しくは別項に譲るが、ケルベリオンを無人機として運用する際にはこの操縦支援システムが流用されている。
逆にオートで電子戦を行うこともできるが、専用の電子戦オペレータが行うよりも柔軟性の点で劣る。
GN粒子をまき散らすことによって、GNステルスフィールドを展開させて敵の通信やセンサー能力を減衰させたうえに、本機の電子妨害によって更にその能力を削ぎ落すことができる。
その反面、前述するGNコンデンサの削減もあり、推進とGNステルスフィールドの展開や維持にGN粒子を食われて、もともとGN粒子の貯蔵量に余裕をもった設計のケルベリオンをもってしても運用が難しい面もある。
そのため、携行武装はGN粒子を消費せず、電子戦装備に必要な電力も食わない実体弾が好まれる傾向がある。
一例として、GN粒子を使う携行武器のかわりに装備されることがあるセワード・アーセナル 305mm多目的破砕・榴弾砲があげられる
AS用のデモリッションガン(大口径榴弾砲)を設計しているセワード・アーセナル社が開発したもので、コンセプトもデモリッションガンに似る。
様々な砲弾を装填できるよう設計されたもので、多目的榴弾や徹甲弾、三重HEAT弾を初めとしてパッシブレーダー誘導砲弾やミリメートル波アクティブレーダー誘導砲弾など多種にわたる。
誘導砲弾はロケットアシスト機能のついた射程延長砲弾でもあり、受信専用のデータリンク端末を内蔵する。
砲自体は軽量化に気をはらった作りで、砲身も折り畳み機能と非使用時には小さく纏まりハードポイントに固定される。
機体の射撃管制システムにより単一目標にほぼ同時に弾着するようロケットアシスト砲弾の軌道や弾速を管理するRSI(Multiple Rounds Simultaneous Impact:多数砲弾同時着弾)砲撃が可能。
反動吸収機能もあるものの、それでも反動は凄まじいものになるために機体制御で相殺することは欠かせない。
対レーダー・通信装置用の巡航ミサイルとしてマーシャル・ヒューズ社製のAGM-18 スマート・クラッカー多弾頭巡航ミサイルがある。
ケルベリオン・アヴニール専用というわけではないが、高いESM能力を持つ機体でなければ能力を発揮しきれず、実質電子戦機用のミサイルといえる。
多弾頭の巡航ミサイルで親弾頭に子弾頭を複数積み込むタイプであり、子弾頭を放出した際あとにも親弾頭単体でも敵へ誘導される。
なお親弾頭には高度な制御装置が内蔵されているため、命中せずとも必ず自爆する。
要塞や艦艇、早期警戒機のアクティブセンサーや通信装置をピンポイントに破壊できる能力を持つ。
親弾頭の誘導部には電波赤外線に対応するECS装置、赤外線光学カメラと大型のRFアンテナがあり、パッシブ・アクティブ両方のレーダーアンテナ、電波によるデータリンク通信・ジャミング装置を兼ねる。
制御部分には先進的なAIがあり、子弾頭を誘導管制したり同時発射された同型のミサイルと連携をとることができる。
推進部分にはGNコンデンサがあり、GN粒子を推進に利用しトランザム機能も持つ。
親弾頭の起爆も推進部分が爆発することによってされる。
ペイロード部分には多数の子弾頭を内蔵、5つの電磁加速レールの砲門から加速・放出される。
親弾頭が目標に突入する際にはGNフィールドをはって空間装甲となり、後部の推進部分を守る。
ただし、そのGNフィールドで推進部が破壊されなかったとしても誘導部分は破壊されてしまうため、その時点で直進しかできない砲弾と化してしまう。
敵目標の迎撃が近距離だった場合にはその場合でも命中が期待できるが、遠距離で迎撃されてしまった場合には外れてしまう可能性が大きくなる。
子弾頭は8基×5砲門の巡航ミサイル1基につき、40基の子弾頭を内蔵する。
専用の子弾頭としてAGM-19 多目的パッシブホーミング機動爆弾が開発されている。
電磁加速レールで射出される子弾頭も、GN粒子を使用したマイクロミサイルに近く、推進部と弾頭部を兼ねるGNコンデンサとブースターを一体化させている。
子弾頭1基の威力はそれほど威力が高くないもの、通信機器に被弾すれば十分破壊できる。
子弾頭は光学赤外線カメラによる光学赤外線画像誘導とESMアンテナを持ち、敵艦のレーダー通信システムを識別できる目を使う。
それらのセンサーとあわせてデータリンク端末を内蔵し、親弾頭や発射母機などと情報交換をおこなう。
なお、アップデートにて新型の子弾頭も混合させて装備できる余地を残す。
ケルベリオン・アヴニールのアヴニールとはフランス語で「未来」を意味する。
GNX-141VEW ケルベリオン・アヴニール アンナ機 Cerbelion F3
鹵獲された、暗黒星団帝国製ではないオリジナルの機体を暗黒星団帝国の第二特務艦隊試験航空ユニット ガリアンデーズ指揮官アンナ少佐の専用機として運用している。
コクピットを電気的にパイロットと接続する改修を行っているほかはオリジナルの機体とまったく変わらない。
最終更新:2017年11月13日 20:02