2巻9号
発行日
1972年7月25日
ページ数
18
概要
1. クラブ連絡
この号から2巻に突入。2巻になっても号は通し番号で行く。
2巻のゴールは
- 妥当な規模の独自設計電子音楽モジュラーシステムを紹介すること
- メジャーな電子音楽プロセスを統一された方法で記述すること
2. メンバーからのニュース
メンバーに送ったアンケートが戻ってきた。
- 平均年齢26才、中央値20才、上下差56才
- 平均3.1年の経験。中央地は1.5
- 興味ある順に、キーボードシンセ、ディジタルシンセ(筆者註:多分シーケンサーのこと)、音響合成
- 興味のないものは、ライブパフォーマンス、コンピュータ音楽、プロセス、Electronic Musicology (筆者註:てなんて訳せばいいんだ?)
- そのほかには、多チャンネルデバイス、ギター関係、電子オルガン、音声 preprogramming (筆者註:これもなんだかわからなかった)、エフェクター、リズム楽器、エステ(筆者註:て何?)、基礎音楽理論
- 製作記事とアイデア集の好みは、ややアイデア集より。
...と集計結果が続いてゆく
3. 特集「エンベロープシェイパー」
オリジナルエンベロープジェネレータ + VCA。
EN#5 で出てきた鍵盤を使うことが前提で、CV とゲートを発生させるためのコンパレータと S/H も含んでいる。S/H はリードリレー利用。エンベロープジェネレータは AR 型。VCA は FET を電圧制御抵抗に使ったもの。
パネルデザイン、結線のヒント、調整方法、使用例。
改良のアイデア:
- S/H のスイッチに MOS-FET を使う。
- 鍵盤からの入力にバッファをかませてポルタメントを防ぐ。
- エンベロープジェネレータを ADSR 型にする。
4a. 読者オリジナル回路
アンチログ回路 by Deane Gardner
ファンクションジェネレータ (UJT) by Dennis Campbell
MFC6040利用の VCA。MFC6040 はオーディオ用アッテネータ IC。
5. 音楽制作
テープ技法二つ。コーラスとディレイ。
6a. 文献レビュー
6b. 演奏レビュー
レビュワー求む。
7a. 製品レビュー
- Buchla から新製品。4音ポリ。安くはない。
- Exar Integrated System から XR-215 VCO チップ。TTL とつなげられる。
- XR-220 タイミングジェネレータ。
7b. 部品ウォッチ
741 が 0.5$ など。
8a. 音楽の哲学第2回「第1回への批判とそれに対する返答」
8b. 信号の相互干渉:信号の和と、AM
8c. 基本的なパッシブフィルタ by Robert Rioja
パッシブフィルタと音源の組み合わせで、色んな楽器の音に似せる
- オープンフルート
- ストップトフルート
- トランペット
- クラリネット
- ディアパッソン
- オーボエ
8d. 関連情報:音楽音響
8e. 関連情報:聴覚実験2
楽器のアタックをつぶした録音の楽器の種類を被験者にあててもらう。あてられるかな?
9. 会員情報
(2007.3.9)
- い、いや、相変わらず18ページ特大号は読むの大変です。
今回の「音楽の哲学」は、ついてゆけずに落伍。そもそも論争のトラックて苦手で、日本語でもだめです。
鍵盤 CV の S/H に、「ポルタメントを防ぐためにはバッファを入れるといい」の記述にニヤリ。私も同じ問題踏んで同じ解決策取りましたです。
筆者は実は大学で聴覚を専攻していて、聴覚実験に書いてあるようなことをひたすらやってました。ちょいと懐かしかったです。
-- gan (2007-03-09 23:03:17)
- 興味無いものが、ライブパフォーマンス、コンピュータ音楽などというのが面白いですねぇw -- r0r0 (2007-03-13 02:04:33)
- この号が発行されたのが 1972年、ハービーハンコックがヘッドハンターズを発表したのが 1973年、クラフトワークがアウトバーンを発表したのが 1974年、冨田勲が月の光を発表したのも 1974年、Apple II の発売が 1977年。
シンセ音楽もコンピュータ音楽も、この後に飛躍的な成果を出すのですね。そういう時期なのですね。読み進めるのが今から楽しみです。
そう考えると、Electronotes は本当にこの分野の草分けなのでありますね。
-- gan (2007-03-13 19:37:18)
最終更新:2007年03月18日 22:21