2巻13号
発行日
1972年10月10日
ページ数
18
概要
1. クラブ連絡
この号は「まいてまいて」特大号。あと数号で2巻を完了する予定。
2. メンバーからのニュース
ここコーネル大で「オフ会」やります。他の大学でもあちこちで集まりをやっているようなので地元をあたってみて。
3. 特集「周波数変調」
FM理論を解説。周波数変調の基礎から音楽への応用まで。早い変調は音色コントロール、遅い変化はビブラートとして応用できる。
どのような理屈でFMによる高調波が付加されるかの理論は数式つきで解説。
4a. 読者オリジナル回路
DCO 的な発振器 by John Marshall
キーボード状に並んだスイッチ列を二進数にエンコード、この二進数をプログラマブルな分周器に渡し、その周期でまわすことによりピッチを決める。
アンチログ(指数)回路つきVCO by Dave Rossum。アンチログはオペアンプを使ったオーソドックスなタイプ。
超高品質プリアンプ by 匿名。
トランジスタ作動増幅器の後段にオペアンプアクティブフィルタ。(管理人註:おそらくレコードプレイヤーのイコライザーアンプ)
トーンコントロールとフェイズシフタ by Lou Auerbach
4b. 読者アイデア
手作り鍵盤のアクション機構のアイデア
5. 音楽制作技術
ジェットエフェクト
テープを使って時間差を出す。一方のテープのスピードを変えるとジェット効果が得られる。
6a. 文献レビュー
オペアンプのデータシートやアプリケーションノートに有用なアプリケーション回路が出ている。
6b. 演奏レビュー
by Craig Anderton
7a. 製品レビュー
- Total Technology "Octron" 発表
- Arp "Oddyssey" 発売。$1295, "Pro Soloist" と同額。ちなみに "Soloist MkII" $995, "2600" $2790
- Moog から小型シンセの新製品が続々発表
- EMS "Synthi VCS-3" $1125, "Synthi AKS" $1195
- AMI Micro Products が自社製品の音楽用途アプリケーションノートをリリース。$18
7b. 部品レビュー
ゴミ捨て場は意外と価値あるパーツ供給源。電気ゴミを見たらまず拾え。まあでも過度な期待は禁物。
8a. 続・乗算器
前回の乗算器は AC しか通さなかったが、今回は DC 対応の信号乗算器。その応用範囲の解説(アナログコンピュータ)。
VCO などにも応用できる。
8b. 周波数シフトその2
周波数シフトの別方法。二つの超音波(例:30kHz と 29.5kHz)を使い、
- 30kHz をAM変調。まず 30kHz +- f を得る
- フィルタリングで f+30kHz のみ取り出す
- 29.5kHz で変調。(f+30kHz)+-29.5kHz を得る。
- 聞こえるのは f+30kHz-29.5kHz = f+0.5kHz
8c. ディジタル高調波
読者からのアイデア集。ついでに、フリップフロップによる周波数ディバイダ基本回路集。
8d. 電子音楽基礎講座第四回 波形
時間と変位の概念を解説。その上で、もっとも基本となる正弦波が、なぜ基本なのかを解説。
8e. シンセサイザーシステムの設計についての一考察 by Dave Rossum
要約:「かしこく標準化せよ」
9. 会員情報
(2007.3.16)
- 周波数シフト、試してみたくなります。エフェクターとして使ったらどうなんでしょう。こんながんばらなくてもリングモジュレータで似たような効果が得られそうですが。
ARP オデッセイが新製品として紹介されています。当時の物価ではありますが $1295, 現在でも価格変わっていないのでは、いやむしろ日本では高くなっているような気がします。
-- gan (2007-03-16 22:54:00)
最終更新:2007年03月16日 22:54