29 犯ずきん ◆71isWD/fFU New! 2006/11/27(月) 02:07:35.03 ID:gh2HMle90
最終章 鮭ふりかけと金魚の餌

爆ぜる森。
火を吹く銃声と絶生の叫び声で
辺りは支配されていた。
駆動音。
四輪駆動車を駆り、武装集団が跋扈する。
炎。血。煙。爆ぜる。
そこはまさに地蓄獄生魍魎跋扈の世界であった。


31 犯ずきん ◆71isWD/fFU New! 2006/11/27(月) 02:13:40.78 ID:gh2HMle90
「クッ、ハハハハハ!! 踊れ、もっと踊れ!!」
機関銃が唸る。震える。
名もなき兵士達が随所から血噴飛沫に倒れた。
逃げ惑う者もいれば立ち向かう者もいた。
しかし終わればそれがどちらだったかなどわからなくなる。
例外なくぐちゃどろのミンチになるからである。
「このシェイカーでなァッ!! ハンバーグにしてやるよッ!!」
車の先に付けられた剥き出しのミキサーが牙を向く。
逃げ遅れた兵士と倒れた死体が巻き込まれ
裂かれ引き千切られ掻き回され卸されて
合挽き肉となって大地に散らばされていった。


32 犯ずきん ◆71isWD/fFU New! 2006/11/27(月) 02:19:22.32 ID:gh2HMle90
シェイカーと呼ばれるそれを駆る彼らは野盗であった。
しかもゴロツキ風情のチンピラ共ではない。
彼らは元々兵役に生きていたのだ。
時代が彼らを変えた。地獄のような日々が蝕んだ。
悪魔の誘惑。"勝者"への方程式。
彼らは『ミンスミート』を名乗り、狂荒の蛮虐を繰り返した。


33 犯ずきん ◆71isWD/fFU New! 2006/11/27(月) 02:23:21.11 ID:gh2HMle90
もはや彼らは悪魔に取り憑かれていた。
もう6日も何も飲まず食わずひたすらシェイカーを走らせた。
彼らの頭にはもはやひとつの考えしかない。
ミンスミートが、ミンスミートたる示魂の道。
「なんでもかんでも、なんでもかんでもミンチにしてやるよぉぉぉぉッ!!」
彼らはもう、狂気の合挽き肉[ミンスミート]に練り込まれているのだった。




34 犯ずきん ◆71isWD/fFU New! 2006/11/27(月) 02:23:55.16 ID:gh2HMle90
ご愛読ありがとうございました
犯ずきん先生の次回作にご期待ください

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2006年11月27日 19:52