366 :VIP村人z:2006/11/25(土) 20:08:02.31 ID:uNpHopj80
「…オレみたいなやつって…」
「え?」
「そんな言い方…すんなよな。俺にしたら、友は今までできた中で一番最高の友達だよ」
「……」
「……ホント…?」
「ああ。ホントホント」
「……だから……自分で自分のこと、そんな風に言わないでくれ」
「……」
367 :VIP村人z:2006/11/25(土) 20:12:49.80 ID:uNpHopj80
…グスッ…グスッ…
「…?」
友はまた泣いていた。
「グスッ…あっ…うっ…ありがとっ…ズズッ…男…グスッ…」
「な……泣くなよぉ……」
「グスッ…グスッ…ご…ごめん……ごめん…ズズッ」
ズキッ
……また、あの時と同じ痛みが、胸を走った。
今度のは前のより、よっぽどはっきりして強烈な痛みだった。
369 :VIP村人z:2006/11/25(土) 20:16:48.47 ID:uNpHopj80
「……い…たい…痛い…!」
「痛いってば!男!ねえっ!!」
…ハッ
気が付いたら、知らぬ間に俺は力いっぱい友のことを抱きしめていた。
「わっ、わあっ!!」
「げほっげほっ!」
「ごっ、ごめんっ!!大丈夫か友!?」
「げほっ……何すんだよいきなり〜!!」
「わ、悪い…つい…」
「ついじゃないよもーっ!!」
俺は友から飛びのいた。
「はぁ…はぁ……死ぬかと思った…」
「ほ…ホントごめん…」
細くて、柔らかくて、まるで小鳥のような身体だった。
「…別にいいけど…どうしたの急に…?」
「い……いや別に…」
「……?」
370 :VIP村人z:2006/11/25(土) 20:20:40.94 ID:uNpHopj80
俺は、その時ハッキリと気が付いた。
俺はやっぱり、友のことが好きなんだと。
男だとか女だとかは関係ない。ここにいる友自身が、本当に好きなんだと。
「……そろそろ1時間たつね。…戻ろっか、教室に」
「…ああ」
……友は俺のことをただの友達としか見てないだろう。
俺が好きだなんて言ったら、絶対に気持ち悪いと思うだろう。
それでもいい。それでも。
友のそばにいれれば……
それくらい俺は友が好きなんだ。
そう気が付いた俺の心からは、今までのモヤモヤは無くなり、
なんだかスッキリと、真上に広がるこの青空のように、晴れ晴れとしていた。
最終更新:2006年11月27日 20:19