446 :友:2006/11/28(火) 09:02:46.28 ID:lHgEg1QX0
昼休み。

「友~~~!!!」
「わあっ!!」
「一緒に弁当食おうぜ!!弁当!!」
「わかった、わかったよ!!わかったから抱きつくなって……!」
「ふふふ」
横から静かな笑い声が聞こえた。

「友くんと男くん、ホントに仲いいね。なんか恋人みたい」
「え……!」
優さんだった。

まずい。こんなことをしているの、ただでさえ恥ずかしいのに、優さんにまで見られてしまった……
な、なんとかしなきゃ……

「恋人……に、見えるか?俺たち」
「うん。しかもラブラブ」
「そっか~w あはははは!!!」

男がよくわからないところで盛大に笑っている。いったいなんなんだ。

「ちょ…ちょっと、男……来て…」
「ん?なになに?」


447 :友:2006/11/28(火) 09:03:53.96 ID:lHgEg1QX0
「何?どうした?」
「あ……あのさ……」

男の身長は結構高い。だから、顔がオレの目線よりだいぶ高い場所にある。
そこにある顔が、ニコニコと嬉しそうに笑っている。
なんだかその顔がかわいく見えた。

なんか……申し訳ないな、こんなに嬉しそうな男にこんなこと言うの……
でも、言わなきゃ……

「あの…さ」
「うん?」
「…男最近、オレに抱きついてきたり、よくするじゃん」


449 :友:2006/11/28(火) 09:12:32.84 ID:lHgEg1QX0
「あーゆーの……その、止めてほしいんだ……恥ずかしいから…さ」

そう言った瞬間、目に見えてわかるくらいの激しさで、
男のニコニコとした笑顔が、一瞬にしてグシャッと潰れた顔に変わった。
そして、下を向いて黙り込んでしまった。

「……」
「……」

「……ごめんなさい……」
「え?」
「…すいませんでした……調子こいてました……」

「……ごめん……もうしない……だから……許してください……」
「……う……」


そ…そんなつもりで……オレ、言ったわけじゃ……


450 :友:2006/11/28(火) 09:14:33.63 ID:lHgEg1QX0
「いや…あの、別にいやだとか、そういうわけじゃなくて……その……」

……そうだ……
いい機会だから、優さんのこと、男に話してみよう。
男なら、きっと真剣に相談に乗ってくれるはず……

「……優……さんに…」
「……?」
「優さんに、見られたくないんだ。ああいうところ」


「……優…に?」
「……うん……」


451 :友:2006/11/28(火) 09:17:23.90 ID:lHgEg1QX0
男が顔をフッ、と上げた。

「……」
その顔は、たしかに真剣なものだったけど、心配だとか好奇心だとかを含んだ顔ではなくて、
どこか怒気を含んだような顔だった。

「……どういうことだ……それ」
「え……?」
「なんで優には…見られたくないんだ……?」
「……」


「……もしかして……」

「好き…なのか……? アイツのことが……」
「………」

「……うん……」

「……!!!」


452 :駅前食堂のメグ:2006/11/28(火) 09:17:33.24 ID:K9ptI4IAO
何て言うか…ハラハラだな…
二人とも幸せになって欲しい


453 :友:2006/11/28(火) 09:20:29.85 ID:lHgEg1QX0
「……そ……」

「……そうか……」

そう一言つぶやくと、男はヨロヨロと後ろに後ずさり、そのままオレに背中を向けた。

「……? お、男?」
「……」
そしておぼつかない足取りで、フラフラと廊下を歩いて行った。


「………」

……な、なんで……?
オレ、なんか気に障るようなことでも言った…かな……?
いや、別に男が怒るようなことはなにも……

廊下の奥のほうで、男が柱に頭を打ちつけているところが微かに見えた。

わけ……わかんないよ男……

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2006年11月28日 11:49