496 :友:2006/11/28(火) 11:44:37.16 ID:lHgEg1QX0
気がついたら、自然と涙がこぼれ落ちていた。
「うっ……」
止めようと思ったが、無理だった。
後から後から、次々に壊れたかのように溢れ出してくる。
「……?」
涙で霞んでわずかにしか見えない男の背中が、オレの方に向かって振り向いたのがわかった。
「……うっ…グスッ…うえ……あ…グスッ…」
「……!!」
497 :友:2006/11/28(火) 11:52:10.21 ID:lHgEg1QX0
「うっ…ぐ…グスッ……え…えっ…」
「……泣くなよ……」
「……グスッ…うあっ…うっ……ズズッ…」
「泣くな!!」
男が叫んだ。
……オレ、男の前で、いっつも泣いてる……
もう、こいつに泣いてるところを見せたくない……
でも……
……そんなの、無理だよ……
「グスッ…グスッ…うああああう……」
止められない……
498 :友:2006/11/28(火) 11:55:56.76 ID:lHgEg1QX0
どうして……?
オレが本当に親友になれたと思った人は……みんなオレのことを嫌ってしまう……
どうして……
男の姿すら、もはや涙で見えない。
……いやだよ、オレ……
オレ、おまえとまで……離れたくないよ……
もう……一人ぼっちになるのはいやだよ……!!
「うっ、うっ、うっ……」
「………」
……いつの間にか、足元に黒い影があることに気づいた。
男が目の前に……いる……?
「……わかったよ……」
499 :友:2006/11/28(火) 11:59:00.32 ID:lHgEg1QX0
「わかったよ!!言うよ!!言うからもう泣くな!!泣かないでくれ!!!」
「……うう……?」
……言うって……
……何を……
「……俺……」
「……俺、おまえのことが好きなんだよ!!だからおまえの好きな人の話なんて聞きたくなかったんだ!!!」
…………
「……」
……は……?
最終更新:2006年11月28日 12:01