アトモスフィア【あともすふぃあ】
ティム・クラスター
の娘婿であるトーマ・アトモスが3年前に設立した魔法家電メーカー。ティム・クラスターが提唱するサイエンス学を存分に応用した革新的な商品を次々と発売している。あまりに革新的なため、ヒット商品は魔法トースターぐらいしかないが、「年々売上は伸ばしてきている」と、社長であるアトモスの談。
アドルケーン【あどるけーん】
超集団型黒魔法。禁呪指定第1号。時空の歪みを作り出して世界に打撃を与える魔法で、空間そのものに干渉して効果を発生させるため、いかなる手段を用いても防御や回避は不可能である。その破壊力はサイエンス学の権威ティム・クラスター
が「強大にして、無」つまりあまりの力の大きさに、後には人はおろか、光さえも残らないと評し、この魔法の恐ろしさを伝えている。
アフィリアクリフ【あふぃりあくりふ】
アフィリア城の北部から北東部にかけてそびえ立つ巨大な岸壁。岸壁の上からは、アフィリアに豊穣の水をもたらす大アラコルン川が滝(大アフィリアの滝)となって王国に流れ込んでいる。北東岸壁の中腹には、岸壁をくりぬいて作られた「クリフカジノ 」があり、王国貴族達の社交場となっている。
アブソタール島【あぶそたーるとう】
アフィリア王国領。南西の沖に位置する島。城下町の港から定期連絡船が出航しており、およそ半日で行くことができる。トマト、とうもろこし、茄子、レモン、オレンジなど、城下町に卸される野菜のほとんどはこの島で採れるものばかりである。1年を通して温暖な気候に恵まれていて、夏には多数の王国民がバカンスのために訪れる。
アーリ【あーり】
アフィリア神話に登場する天神。主神グライムの子である3柱神の一神。空を治めることを父グライムから命じられた天空の神であり、空より人々の元へと降臨し魔法の知恵をもたらしたとされる知恵の神でもある。アーリ降誕の日はアフィリア王国の祝日となっており、「天神祭 」として王国の人々から盛大に祝われている。
α議会【あるふぁぎかい】
元々は1000年前、当時アフィリア王国でも一、二を争う大魔法使いであったジャック・マグナコーストが設立した、精鋭魔法使い達による超絶高等魔法や失われた古代魔法を研究する評議会。だがジャック・マグナコーストが王国に反乱を起こしたことにより、彼を慕う魔法使い達が集結した魔法テロ組織と化した。フォース・ブリスタッドの活躍によりα議会も存続不能に追い込まれたかに思われたが、1000年が経過した現在も地下に潜ってジャック・マグナコースト 復活のために活動を続けているのではないかという不穏な噂が絶えない。
イニリオ神聖国【いにりおしんせいこく】
「十字架」と呼ばれる、主に悪魔払いの際に使用される十字型の神具を用い、特に治癒・回復に関する様々な施術や魔術を実践する非戦闘国家。街での武器の携帯は禁じられている。また諸外国からの信望も高く、アフィリア王国とは魔法文化の発展と平和の象徴としてアグストゥス世紀時代より「カナリヤ同盟
」で結ばれている。
イルミシェル【いるみしぇる】
高級志向の老舗スウィーツ店。プリンを考案し王国に広めた。創業から230年の間、変わらぬ味を提供し続けている。とある貴族の女性が、戦場にいる恋人の騎士に対して「貴方を愛する想いとイルミシェルのプリンの味だけは、永遠に変わりません」とのラブレターを書いたという逸話があるほど
ウェルシュの樹【うぇるしゅのき】
ブリーリアの森
に生えている背丈の低い植物。とても苦いので食用には向かない。
ウォードルティス【うぉーどるてぃす】
「白魔法族の伝説」に登場する、月を司る神。太陽神ソル
の妻。伝説において、完璧なる闇であった夜に光(月光)を与えた。以来、王国の漁師たちは夜でも航海において方角を見失うことはなくなったという。これにより王国は海からの豊穣に恵まれた。
ウォーンブリア自治領【うぉーんぶりあじちりょう】
アフィリア王国の遙か東部にある小国。農業や畜産業が盛ん。ウォーンブリア産のキノコは各国において有名ブランドとして定着している。
エルフ【えるふ】
長い耳と驚異的な視力が特徴の、魔力に優れた種族であり、人間の価値観から見ても男女ともに若く美しい容姿を持っている。その寿命は人間のおよそ10倍に及ぶと言われている。
王立アフィリア魔法学院【おうりつあふぃりあまほうがくいん】
創立930年を誇る由緒と伝統のある学院であり、入学希望者にはアフィリア王国外の人間も多い。その教えの理念は「誰かの為の自分であれ」。男女共学。中等部(1年生~3年生)と高等部(1年生~3年生)がある。年齢は関係なく、魔法の才能が基準とされるため、10歳で高等部に昇格する者もいれば、19歳でも中等部にいる者もいる。年に一度の入学審査も同様に年齢は関係なく、魔法の才能だけを基準とされる。毎年の合格者は20人程度という狭き門であり、エリートでなければ魔法学院に入ることはできない。よって魔法学院生徒は街の人から憧れと尊敬の眼差しで見られている。年に数回、昇格試験があり、それに合格すると上級クラスへと昇格できる。また中等部から高等部へ昇格するためには、昇格試験よりさらに難易度の高い卒業試験を合格しなければならない。高等部を卒業すると「ブラックリボン」が与えられる。これは「アフィリア国王が認定する公式魔法使い」の証明となる。卒業生のほとんどは、上位機関である王立魔法ギルド
に所属することになる。なお、入学金、学費は無料で、学院の運営は王国の税金によって行われている。学院内にあるカフェや学食では、学院生がその理念の実践のためにアルバイトをしており、一般の王国民にも開放されて好評を博している。
王立アフィリア・カジノ&レストラン【おうりつあふぃりあ・かじの&れすとらん】
王国民たちは羨望と少しのやっかみを込めて『岸壁の上のカジノ』と呼んでいる。利用者のほとんどが王国貴族で、言ってみればカジノ遊びは貴族達のたしなみである。それと同時にカジノは貴族達の社交場として用いられ「内密に政治的な話をしたいときはカジノへ」というのが暗黙のルールであるらしい。近年になってようやく一般の王国民たちも利用するようになってきたが、設定レートが高すぎるとの不評が頻出し、アフィリア国王はその見直しを約束した。
王立アフィリア聖騎士団【おうりつあふぃりあせいきしだん】
王国の治安を守り、有事の際には戦の最前線に立つ騎士団。魔法全盛のこの時代において、魔法に頼らず己の腕のみで戦うのが騎士であり、聖騎士団の特徴であるエメラルド色の衣服や鋼の鎧を身につけて行進する彼らには、いつも王国民から惜しみない尊敬と歓声が送られる。騎士団員はおよそ300名と少数精鋭である。年に一度入団試験が行われ、アフィリア国王に永遠の忠誠を誓い御前試合に勝利した剣の達人のみが入ることを許される。男性騎士がほとんどだが、少数ながら女性騎士もおり、中でも現在の騎士団長ギル・ストラーダスの娘シモーネは、入団二年目ながら実力と美しさを兼ね備えており、王国のアイドル的存在となっている。聖騎士団は常に、アフィリア王城の西に位置する砦に駐留し、有事に備えて鍛錬に明け暮れている。また三大公式祭礼のひとつである天神祭においては、ブリーリアの森
の奥地にあるルミナスの泉へホーリー水を汲みに行くための「パーティー」メンバーが彼らの中から選抜される。「パーティー」に選ばれることは、騎士にとって最も名誉あることである。
王立魔法ギルド【おうりつまほうぎるど】
アフィリア国王が認定する「公式魔法使い」しか所属する事を許されない王立機関。アフィリア魔法学院を卒業し「ブラックリボン」を得た者は、学院長より推薦状を書いてもらい、無条件でギルドの魔法使いになることができる。
ギルドの主な業務は以下の通り。
魔法の研究。
魔法相談所。困っている人たちの頼みを聞いて魔法で解決してあげる。
魔法アイテム製造。グリモア は魔法ギルドで作られる。
魔法学院講師の派遣。
魔法近衛隊。国王の身を守る魔法使いの派遣。
また、毎年恒例の天神祭では、ブリーリアの森の奥にあるルミナスの泉に派遣されるパーティーに加わる魔法使いも、魔法ギルド所属の公式魔法使いから選ばれる。なお、有事にはギルド所属の公式魔法使い全員が、王国を守る為の「魔法戦闘部隊」として行動する事になる。
オルセ地方【おるせちほう】
湧き出る温泉には水の精霊ウンディーネの祝福が宿っているとされ、実際に病が治ったという報告も多数ある。
カイリ【かいり】
アフィリア神話に登場する農耕神。主神グライムの子である3柱神の一神。大地を治めることを父グライムから命じられた大地の神。アフィリアの大地が豊穣で作物が育つのは、カイリの汗が大地に染み込みその聖なる力が土に宿ったからだと言い伝えられている。農家では今でも毎日の食事の前に、主神グライム と農耕神カイリに対して感謝の気持ちを込めた祈りを捧げる風習が残っている。
カナリヤ同盟【かなりやどうめい】
アグストゥス第24紀に結ばれた条約。「魔法で魔法を滅ぼさない事」に関する様々な文言が刻まれた平和条約。
季節と時間【きせつとじかん】
アグストゥス世紀より以前、古代アフィリアの時代には季節を知るための目安としては中心星ピケを。また時間を知る目安としては太陽光が作り出すその影を利用した日時計、ストーンフレイヤ を利用していた。
ギルヤ語【ぎるやご】
アフィリア王国の第二公用語。だが近年ではギルヤ語を話す人口はかなり減っており、保護言語指定を受けている。
岸壁の上のカジノ【がんぺきのうえのかじの】
→王立アフィリア・カジノ&レストラン
クトゥリ先生【くとぅりせんせい】
フルネームはヘラ・クトゥリ。王立アフィリア魔法学院
の魔法言語学講師。もちろんブラックリボンの魔法使いである。お菓子作りが大好きで、授業をそっちのけでお菓子の研究に没頭してしまうこともしばしば。温厚で優しい性格なので生徒からの人気は高い。お菓子の味見のしすぎで最近太ってきたのを気にしているらしい。
クードゥル諸島【くーどぅるしょとう】
アフィリア王国の東の沖に位置し、大小8つの島々から形成される。王国からだと、グラウンドデスバレー を横断しなければ行くことができないため交流は少ないが、モコロ海域 では採れない珍しい魚介類が生息していることから、一部の勇敢な漁師たちが半年以上の長い航海を覚悟で漁に出向いている。
グーナ地方【ぐーなちほう】
アフィリア王国領。内陸部に位置している。カカオ豆が名産である。
グライム【ぐらいむ】
アフィリア神話に登場する主神。半獣ケンタウロスの背に乗って世界を駆け、神の子である王国の人々に祝福を与えると言い伝えられている。アフィリア王国において毎年行われる三大公式祭礼においては、王国の人々に繁栄を祝して神聖な贈り物を届けてくれると言われている。子を何よりも大事にする神であり、神話においてはよく「人は皆グライムの子」というフレーズが登場するほど。王国では、夫婦に子供が生まれるとグライムへの感謝の気持ちを込めて洗礼の儀式が行われる。
グラウンドデスバレー【Grand Death Valley】
アフィリア史の中で幾度となく登場する恐ろしい伝説を持つ海路。伝説の魔獣シーサーペントが棲むと言われ、実際に謎の事故により難破、沈没した船が多数ある。
グリモア【ぐりもあ】
グリモアとは魔法の呪文を書くための用紙で、アフィリアでは日常的に使われるもの。願い事を書く短冊として使われるのは七夕の日だけ。基本的にはすべて白紙になっている魔道書のような形状で、魔法を使う為に欠かせないアイテム。もちろん学院の授業でも必須。白紙のページにスペル(呪文)を書き込むことで、魔法を使う為の準備は完了する。高度な魔法になればなるほど、書き込まなければならない呪文は長大なものになる為、グリモアには2種類のサイズが用意されている。
大判サイズ
魔法学院の生徒や、魔法ギルド所属の魔法使いなど、魔法のエキスパートたちが使う事を目的にした高級品。高度な魔法を使うには、より複雑で長大なスペルを書き込む必要がある為にこの大きさになっている。魔法学院の制服も、魔法ギルドで支給されるローブも、いずれもフードが付いているが、元来このフードはグリモアを収納することを目的としている。
手帳サイズ
一般人が持ち歩くグリモア。誰でも街の道具屋で買う事ができる。値段もお手頃。素材は、樫の木と、大アフィリアの滝から汲んだ恵みの水から作った紙。一般人は複雑な魔法を使う必要がないので、手帳サイズのグリモアで事足りる。専用のホルダーもセットで売っていて、腰などに簡単に装着することができる。
クレイムド放牧場【くれいむどほうぼくじょう】
ミルク、生クリーム、チーズなどは、すべてコーデイス地方にあるこの放牧場で生産される。その広さはアフィリア城下町の約3倍にも匹敵する。主に牛、豚などの家畜が放牧されており、王国の畜産を一手に担っている。トウモロコシと麦だけで大切に育てられた家畜は牧場主のこだわりでもある。
グレン・ショコラーズ【ぐれん・しょこらーず】
王国の初代宮廷楽師。彼が生み出す音楽は「天使の歌」と例えられ、時の国王エフレム四世に宮廷楽団の設立を決意させたほどであった。オーケストラにおいては流麗優美な指揮姿と、その甘いマスクから「音楽のプリンス」と呼ばれ観客を魅了した。甘いお菓子に目がなく、その影響からか晩年はかなり恰幅の良い体型になってしまい、女性ファンを落胆させたとのこと。代表曲は「チョコレートのフーガ」。
黒歴史【くろれきし】
「ブリスタッド・サガ」とも。アフィリア王国で古くから民衆に親しまれている英雄伝説。1000年前の王国の命運を救った英雄フォース・ブリスタッドの活躍が語られている。1000年前、古代アフィリアの時代、独自の宗教論を唱える組織「α議会」の議長である「ジャック・マグナコースト」は、自らが神となるべく時のアフィリア政権に対し反逆を起こした。アフィリア王国に破壊の災厄をもたらす計画の実行日は、11月1日。「1」という数字が並ぶ日。「1」は数えでスタートを意味し、またカウントダウンでは最後の実数となる。つまりこれを王国の最後、そして新しい世界の始まりであると解釈したのだ。11月1日、1時11分――ジャック・マグナコーストは超集団型黒魔法アドルケーン
を使用し、大きな被害を王国にもたらそうとした。
だがその計画は、たったひとりの英雄フォース・ブリスタッドの、命を犠牲にした戦いによって阻止された。ジャック・マグナコーストは倒れる際、「1000年後に復活する」との予言を残す。この予言に対抗するため、英雄フォース・ブリスタッドの遺志を受け継いだ者たちは、魔法使いのエキスパートを養成するため、「王立魔法ギルド」と、魔法使い養成学校「アフィリア魔法学院」を設立した。その一方で、人々の中には「ジャック・マグナコーストの復活に合わせて、フォース・ブリスタッド
のような、世界を救う大魔法使いが流れ星に乗って現れる」という言い伝えが流布するようになった。
ケンタウロス【けんたうろす】
アフィリア神話に登場する半獣。上半身が人間、下半身が馬の姿をしている。主神グライムをその背に乗せ世界を駆けたと言われている。ひとたび走り出せば山を二歩で飛び越え、海を三歩で渡り、太陽に五歩で届いたと言う。
コーデイス地方【こーでいすちほう】
アフィリア王国領。王国の西側に位置し、のどかな田園が広がっている丘陵地帯。アフィリア王国の畜産業のほとんどはこの地方で営まれている。
古代魔法建築【こだいまほうけんちく】
釘などを一切使わず、エンシェントスペルで重力を無視して組み上げることで芸術性を重視した建築法。アフィリア王城や王立魔法学院は古代魔法建築によって建てられている。一度建てれば半永久的に壊れることはない。近代では古代建築魔法を使える職人が絶えてしまったため、この建築法は使われていない。
サイエンス学【さいえんすがく】
王立魔法学院講師のティム・クラスターが8年前に提唱した異端の学問。魔法を科学的に解明することを目指しているとのことだが、保守的な魔法使いたちからは白眼視されている。現在、研究者はティム・クラスター ただひとりである。
三大公式祭礼【さんだいこうしきさいれい】
春に行われる「天神アーリの天神祭」、秋に行われる「農耕神カイリへの収穫祭」、冬に行われる「太陽神ソルの誕生祭」の3つを指す。アフィリア王国には、クリスマスや七夕など様々な風習が存在するが、王国とメリディン教
が公的に祭礼儀式を執り行う祭は、神話時代からの伝統に基づいているこの三大祭礼のみである。この3つの祭の日は祝日とされ、国民たちは仕事を休んで神々に感謝の意を捧げる。
3柱神【さんちゅうしん】
アフィリア神話に登場する、主神グライムの子である3人の神。長男の「太陽神ソル」、次男の「天神アーリ」、三男の「農耕神カイリ」を指す。王国民の生活に深く根ざした神々として親しまれている。3柱神
がそれぞれにお互いを補完しあうことによって王国には豊穣の恵みが約束されており、3柱の誰かひとりでも欠ければ恵みは失われると考えられている。
サンドルーナ伯爵【さんどるーなはくしゃく】
フルネームはフィリッポ・フォン・サンドルーナ。炎魔法の権威として知られ、王立魔法学院の学院長を務めたこともある。寡黙で合理的な性格だったと評されている。今や王国民の間でポピュラーになった食べ物「サンドルーナ(サンドウィッチ)」の考案者。
ジャック・マグナコースト【じゃっく・まぐなこーすと】
1000年前、王国に反逆し世界に災厄をまき散らそうとした悪の大魔法使い。自らを「ケテル(王冠)の1」と名乗り、神になろうとした男。闇のテロ組織「α議会」の設立者でもある。時空関係の魔法を得意とし、彼が1000年前に使おうとした超集団型黒魔法アドルケーンは、世界そのものを滅ぼすとまで言われている。(そのため、現在では時空関係の魔法は禁呪扱いとなっている)ジャックは、時の英雄フォース・ブリスタッド によって倒されたが、死の間際に「1000年後に復活する」と予言した。
ジャポネスク【じゃぽねすく】
王国から遙か東方に位置するという一地方の名称。正確には大きな列島の名で、統一国家ではなくいくつもの小国が混在している。アフィリア王国ではごく最近までその存在は伝説上のものでしかないとされていたが、高名な女性冒険家シェリー・サンサーラによるジャポネスク冒険記が出版されたことから実在することが確認された。シュリー・サンサーラ
曰く「エキゾチックにしてオリエンタルな黄金の国」だという。彼女が持ち帰ったジャポネスクの食材や調味料は、王国に爆発的なブームを巻き起こした。
シェリー・サンサーラ【しぇりー・さんさーら】
王国の高名な女性冒険家。当時はその実在が確認されていなかった黄金郷ジャポネスクを目指し、6年にも及ぶ大冒険の末ついにこれを発見した。王国にジャポネスクの珍しい調味料や名産品を持ち帰りジャポネスクブームをもたらし、その冒険記は発表と同時に一大ベストセラーとなった。現在はオルセ地方 にて隠居生活を送っている。
召喚呪文【しょうかんじゅもん】
料理や飲み物を注文する際に声を出さずに、後輩達に注文を伝える魔法の言葉。グリモア
を使わずに使える数少ない魔法のひとつだが、高等部の学院生であれば比較的容易に拾得できるレベルとされている。
ショウキョウ【しょうきょう】
古代アフィリアの時代から解毒剤として珍重される植物。もともとアフィリア王国にはなかった植物で、高名な冒険家シェリー・サンサーラが、はるか東方にあるというジャポネスクを旅した際に持ち帰ったと言われている薬草。現在ではブリーリアの森
やフェンシルヴァレイ周辺でも見られるポピュラーなものとなってる。薬草としてはもちろん食材としても大変重宝されている。
ステラ・カミール【すてら・かみーる】
通称「コーヒー・ソムリエ」。もともとはごく普通の主婦だったが、コーヒー好きが高じてついには自らコーヒー評論家を名乗りマニュアル本まで出すに至った。コーヒーを入れたら王国一と言われ、またそのざっくばらんな性格から、特に主婦からカリスマ的存在として人気を集めている。
ストーンフレイヤ【すとーんれいや】
アグストゥス第9期に建てられた、王国中最も古い建造物。古代アフィリアの時代に使用されていた日時計で、月光・太陽光から得られる「影」を利用し、ここから王国の基準時間を定めていた。現在実用的に使用されているという事はないが、これまで王国が発展してきた歴史の上で、欠かす事の出来ないこの場所は今でも様々な祭事に使用されている。悲しみの記憶「黒き伽羅の魔女」以前の建造物としては王国でも唯一無二の存在である。
St.コラウス【せんと・こらうす】
アグストゥス世紀
に生きたメリディンの司教。没後、彼はメリディン教会から聖人として認定された。所有していた莫大な財力を、感謝と慈悲の意味を込め、人々に喜んで分け与えた。そんな彼の行為がいつしか風習となり彼の名が「サンタクロース」の語源となった。
St.VEGA 星雲観測所 【せんと・べが せいうんかんそくじょ】
王立アフィリア魔法学院
の敷地内にある観測所。アフィリアでも唯一の、星を観測するための巨大な天体望遠魔法鏡が設置されている。元々は占星術の行使のために用いられていたが、近年ではそれだけでなく魔法学院の生徒たちが星を眺めながら語らう憩いの場となっている。観測所内に入れるのは観測所スタッフ以外だと魔法学院の講師と生徒だけで、部外者は立ち入り禁止。
ソル【そる】
アフィリア神話に登場する太陽神。主神グライムの子である3柱神の一神。妻は月の神ウォードルティス
。太陽を治めることを父グライムから命じられた。ソルは自らの熱き血を燃やすことで太陽の光を維持し、自らの腕力によって太陽を毎朝空へと持ち上げていると考えられている。
太陽神ソルの誕生祭【たいようしんそるのたんじょうさい】
アフィリア王国三大公式祭礼のひとつ。冬(冬至)に行われる。冬は太陽神ソルが誕生した季節であると同時に、毎年眠りにつく季節でありその影響で気温が低下すると言われている。人々は毎年冬至になると祭で大騒ぎをして、ソル を目覚めさせようとするのである。
太陽の広場【たいようのひろば】
太陽神ソル
に毎朝祈りを捧げるために作られた広場で、城下町のほぼ中央に位置する。太陽とは魔法使用には欠かす事の出来ない、かけがえのない存在であるため、王国民の強い思いからこの広場が完成した。また王国の全ての道はこの太陽の広場へと繋がっている。現在はこの広場の外周を利用して朝市が開かれる市場になっていて、買い物客で賑わっている。
月の広場【つきのひろば】
アフィリア史の英雄「フォース・ブリスタッド
」の銅像がある海に面した広場。自らの命と引き替えに王国を守ったフォースに対し、その勇気と栄誉をたたえ「Legendof
Master」として像が建てられる事となった場所。王国はこの場所を「2度と起こってはならない黒き歴史」と詠い「月の広場」と名付けた。暗く悲しい歴史は終わり、現在では待ち合わせ場所や憩いの場とし広く親しまれている。
ティム・クラスター【てぃむ・くらすたー】
56歳。アフィリア魔法学院の講師で、マスタークラスの魔法使い。8年ほど前から、突如として「サイエンス学
」を発足させ、魔法を科学的に解明しようという研究を始めた異端の魔法使い。彼の考えは、アフィリア世界ではまだまだ異端視されているが、地道に研究を続けている。
ティムタムの樹【てぃむたむのき】
古代アフィリアの時代から「地上と天上を支えている樹」として伝承されている特別な古代樹。その全長はアフィリア王城の尖塔よりも高い。広大なブリーリアの森
と言えども同じティムタム種の樹は他に一本たりとも存在しないほど貴重な存在。この樹は常に星々の中心に見える「北極星」へと真っ直ぐに伸び、それは数千年もの長い間も変わらずにその方向を指し続けている。
天神アーリの天神祭【てんじんあーりのてんじんさい】
アフィリア王国三大公式祭礼のひとつ。春に行われる。魔法の知恵を授けてくれた天神アーリへ感謝を捧げるための祭。かつてアーリは人々の前に降臨した際、知恵を忘れることのないようにと、毎年一度ルミナスの泉から湧き出るホーリー水をすべての王国民が飲むようにとの神託を下した。そのため、天神祭に合わせて騎士団から「パーティー」が選抜され、危険なブリーリアの森を抜けてホーリー水
を汲みに行くのである。そして天神祭当日、持ち帰られたホーリー水は大ブリーリアの滝のほとりから流される。その儀式は「ウォーター・パージ」と呼ばれ、すべての国民は川から一杯の水をすくって飲むことで身と心とを清めるのである。
店長先生の机【てんちょうせんせいのつくえ】
入り口で重厚感たっぷりに学院生たちを迎える机。お会計の際に立ち寄るものだが、店長先生がここで仕事をしている姿を見かけることは稀である。
ドゥードゥル鶏【どぅーどぅるどり】
アフィリア王国領ドゥードゥル地方原産の希少な鶏。普通の鶏に比べて弾力性のある肉質でとても美味だが、高価。
動力【どうりょく】
技術の古い順で歯車式→蒸気式→油圧式→機械式となっている。最新である機械式は石英を利用したクォーツテクニカルを多く使用する為、そのコストも高く発展が遅れている。
ドワーフ【どわーふ】
地下に棲む小人。個人主義で、特定の国家は持たない。手先が器用で、鍛冶職人として生計を立てているドワーフが多いようだ。人との交流も盛んだが、全体的に頑固気質のためトラブルも多い。
ネイユ島【ねいゆとう】
アフィリアの港から船で5分ほどの距離にある小島。メリディン教
の聖地であり神殿が建っている。信者でなければ立ち入ることは許されない。
農耕神カイリへの収穫祭【のうこうしんかいりへのしゅうかくさい】
アフィリア王国三大公式祭礼のひとつ。秋に行われる。作物の収穫に合わせて行われ、その年も無事に収穫できたこと、そして来年も豊作であることを農耕神カイリに願う。農家の人々は収穫した作物の一部をカイリ に捧げるのである。
ノインツェンワルト連合国【のいんつぇんわるとれんごうこく】
アフィリア王国から遙か北西に位置する、森の種族エルフの国。巨大な19の森によって構成される共同体連合国家。非常に閉鎖的で、一部の好奇心旺盛なエルフ がアフィリア王国をたまに訪れることはあるものの、交流はそのような個人レベルのものしかない。
パープルローズ【ぱーぷるろーず】
「聖淑女」ソールベリー妃が長年の品種改良の末に生み出した、紫色に輝くバラの変種。ただの紫色ではなく、鮮やかなグラデーションが特徴である。
ハイエド養鶏場【はいえどようけいじょう】
コーデイス地方
にある養鶏場。常時300万羽の鶏が飼育されている。エサに独自のこだわりを施していて、他の養鶏場に比べて味がいいとレストランのシェフなどからは好評である。
ピッツァ・ルネサンス【ぴっつぁ・るねさんす】
アフィリア城下町にある、行列の出来るピザ店。創業45年。南北に一店ずつある。北店であるピッツァ・ルネ・ノースは言わば本店であり、創業者のルネおじさん自らが今も厨房に立って変わらぬ味を提供し続けている。南店のピッツァ・ルネ・サウス
は、ルネおじさんの一番弟子と言われるエミール氏が店長を務めていて、若いスタッフを積極的に採用し新しいアイデアを盛り込んだオリジナルピザを続々と発表している。
ピッツァ・ルネ・サウス【ぴっつぁ・るね・さうす】
王国の首都南に位置するピザ専門店。店主をはじめとして、若いスタッフが多く、メニューの種類が豊富なことで知られる。ピッツァ・ルネ・ノースのルネおじさんの息子が店主をしているが、ピザ作りでの意見の衝突が耐えないらしい。
ピッツァ・ルネ・ノース【ぴっつぁ・るね・のーす】
王国の首都北に位置するピザ専門店。ピッツァ・ルネ本店とも呼ばれ、ルネおじさんが古き良き味を頑固に守り続けている
フォース・ブリスタッド【ふぉーす・ぶりすたっど】
1000年前、ジャック・マグナコーストの反乱に際して、彼を倒した王国の英雄。レジェンド・オブ・マスターとして現在でも人々から崇められている。アフィリア魔法学院、およびその上部組織である王立魔法ギルドは、彼の遺志によって設立された。「月の広場 」には、その偉業をたたえて彼の銅像が立っている。
ブライデリア一世【ぶらいでりあいっせい】
ジャック・マグナコーストによる反乱事件『黒歴史
』当時のアフィリア国王。その当時、王国では際限のない魔法研究によって、現在で言うところの禁呪級魔法が続々と編み出されていた。それに警鐘を鳴らし、魔法使いに研究の制限を規定した法『ブライデリア六戒律』を設けたことにより、マグナコーストの一派から激しい反発を受けた。黒歴史の教訓から、魔法ギルドの公式魔法使いたちは現在でもこの『ブライデリア六戒律』を守っている。
ブリーリアの森【ぶりーりあのもり】
王国北西部に広がる巨大な森。その広さはアフィリア城下町の167倍にも達する。森の奥にはゴブリンやトロールなど人に危害を加えるモンスターが多数生息しているため、王国ではこの森への立ち入りを厳格に禁じている。「ブリーリア」の名の由来は、過去に実際にあった悲しい伝説に由来している。アグストゥス第23紀、王国が長い魔法戦争をしていた時代、当時のアフィリア第一王女ブリーリア姫が悪い魔法使いにさらわれ、迷いの森の中に閉じこめられてしまった。人々はあまりの恐ろしさに誰も助けに行く事が出来ず、ブリーリア姫はたったひとりで長い間森の中をさまよい続け、二度と出ることはできなかったという。
以来、ブリーリア姫への鎮魂を願って、迷いの森は「ブリーリアの森」と呼ばれるようになった。だが事件の後、森に入った者の遭難が多発し始めたことから、原因はブリーリア姫の呪いではないかという噂が立ち、ついには森の中に姫を祀った遺跡を作る事態にまで発展した。それでも遺跡建立の甲斐もむなしく、いまだに森は人の立ち入りを拒絶し、人々から恐れられている。
プロム肉店【ぷろむにくてん】
アフィリア城下町で一番有名な肉店。クレイムド放牧場
やハイエド養鶏場と直売契約を結び、良質の肉を毎日仕入れている。多くのレストランや魔法学院のカフェ、学食も御用達である。
フロンタム畑【ふろんたむばたけ】
ブリーリアの森
の入り口にあるお茶畑。古代アフィリアの時代から健康飲料として広まったフロンタム葉が、今も伝統的な方法に則って栽培されている。
ホーリー水【ほーりーすい】
ブリーリアの奥地にあるルミナスの泉
から湧き出る、炭酸性の聖なる水。「天神の涙」とも呼ばれる。毎年行われる天神祭において、身と心を清めるためにすべての王国民はこの水を流された川の水を飲むのが習わしである。
ホテル・カルホナ【ほてる・かるほな】
月の広場
の前にある、王国でも有数の高級老舗ホテル。全室スイートルーム。宿泊料の高さから王国民はなかなか宿泊する機会がないが、近年はクリスマスにこのホテルに恋人と泊まることが流行になっていて、1年前から予約しないと部屋が取れないほど。ホテル内にあるレストランは、王国で最も美味しいレストランと評されている。
ぼんぼり【ぼんぼり】
手作り魔法調理界のファンタジスタと呼ばれる、王立アフィリア・ダイニングのユズリ・L・トルンが発案した手作り魔法料理。
マザークララ【まざーくらら】
一般王国民にして初の王室指定を受けた宮廷パティシエ。彼女が考案したお菓子は数知れず。「マザー」は愛称で、フルネームはクララ・ノリントン。元々、宮廷菓子は芸術性に富んだものが多く一般の王国民には馴染みが薄かったが、近年では一般のお菓子との境界が曖昧になってきており、その影響から宮廷パティシエが一般の王国民から選ばれるという快挙が生まれた。
魔法戦争【まほうせんそう】
アグストゥス第23紀から第24紀にかけて起こった、アフィリア王国史上初の「魔法を兵器として用いた戦争」。その期間は実に79年、計16次に及ぶ。アフィリア王国やその周辺4国によって行われたこの長い戦争は、中立の立場を取っていたイニリオ神聖国の仲介によって「カナリヤ同盟
」が結ばれて終結した。
魔法の角を持つトナカイ【まほうのつのをもつとなかい】
七色に輝く角を持ち空を飛ぶと言われている、神話上の存在。普通のトナカイは王国でもよく目撃されるが、神聖な生き物とされ捕獲は禁止されている。
魔法の箱【まほうのはこ】
王立アフィリア魔法学院、王立アフィリア・ダイニングに設置されている魔法仕掛けの空間移動装置。次元の狭間を数千キロ経由してアフィリア王国に繋がっているという説もある。他国ではエレベーターと呼ばれる。
ミーヤおばさん【みーやおばさん】
魔法学院の学生寮「ウィル・オ・ウィスプ」のコック長。愛すべきみんなのママさん。
紫の庭園【むらさきのていえん】
アフィリア王城内にある非常に美しい庭園。王国内で咲くのはこの庭園のみだというパープルローズ
の花の色がその名の由来。
6代前の国王シャルマーニュ二世の王妃であり「聖淑女」として慕われたソールベリー妃が、その半生をかけ丹誠込めて作り上げた芸術とも言える庭園は、一般の王国民にも年に一度、パープルローズ が咲き乱れる春に開放される。
メリディン教【めりでぃんきょう】
アフィリア王国で最もポピュラーな伝統的宗教。主神グライムを崇め敬う。王国の各地には大小の教会が点在しており、そこに駐在する神父によって毎週末に礼拝が行われている。また王国三大公式祭礼は、国王とメリディン教
とが合同で儀式を執り行う。アフィリア海上に浮かぶ小島ネイユ島に築かれた神殿が聖地で、大司教などが常駐し神に祈りを捧げている。
モコロ海域【もころかいいき】
アフィリア王国の南東沖に位置し、暖流と寒流がぶつかる絶好の漁場。アフィリア沖の海流は、海水の温度から暖流と寒流の大きく2つにわけられる。ひとつは、この近海で世界的にも有名な暖流「オシリス海流」。恐怖を感じる程に深く黒いその海流の色から、「死(オシリス=死の神)の海流」と呼ばれている。世界でも最大級の強い流れの海流として知られる、世界2大潮流のひとつ。海水表面の速さは毎秒4mをこえるほどで、時速になおせば14.4km。もうひとつは、これもまた世界を代表する大寒流「モニカ海流」。東のクードゥル諸島沖でヘレンシア海流から枝分かれし、グラウンドデスバレー
を通ってアフィリア沖へと至る。この二つの世界的大海流がぶつかり合うポイント、それこそがモコロ海域であり、暖流、寒流が1つになるこのエリアにはプランクトンが豊富で、たくさんの種の魚介類を見ることができる。特に名物のたらこは国外に輸出されるほどの美味であり、たらこスパゲティ「モコロコ」は王国における定番料理のひとつである。
モコロシーフーズ【もころしーふーず】
アフィリア城下町の港から突き出た半島、その先端に立つ灯台の下にあるレストラン。モコロ海域
でとれたシーフード、豆腐や野菜などのヘルシー料理がメニューの中心である。
ラヴィ・ベーカリー【らヴぃ・べーかりー】
アフィリア王国で最初のパン屋さん。王国にあるすべてのパン屋は、ラヴィ・ベーカリーのフランチャイズ店である。店の看板には創業者のラヴィおばさんの笑顔が描かれている。
ルシル【るしる】
良き魔女。ルミナスの泉のほとりにたったひとりで住んでいる。彼女がいつ頃からそこに住み始めたのかは定かではなく、正体も謎であるが、一説によるとその年齢は500歳を超えていると言われている。天神祭の際にルミナスの泉
を訪れるパーティーの騎士達に気さくにスープを振る舞うことから「良き魔女」と呼ばれるようになった。
ルミナスの泉【るみなすのいずみ】
ブリーリアの森の奥地にある泉。聖なる水「ホーリー水」が湧く。森の入り口から泉にたどり着くには、徒歩で歩き続けて3日かかる。ブリーリアの森 の中でもこの泉の周辺にだけ、他では見られないような鮮やかな色をした花々が咲き誇っている。
レッドシー現象【れっどしーげんしょう】
年に一度だけ月と太陽と地球が一直線に重なる日、波を忘れた海が夕日を受けるかのように真っ赤に染まっていく現象。その美しい色は夕焼けの類とは全く異なる景色だという。
レッドフロンタム茶【れっどふろんたむちゃ】
いわゆるストレートティのこと。他国で言うところのレモンティはブリーリアレモネード、ミルクティはブリーリアロワイヤルミルキィというメニューが存在するが、ストレートティはメニューに載っていない裏メニューの一つで、茶葉の名前がそのまま使われている。
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