◆トマトの木の不思議◆
まず1冊目の本。この本では、トマトの木というのを紹介している。
これはもう 20 年以上前になる 1985 年の筑波万博で紹介されていた「ハ イポニカ農法」という話だ。
僕も子供の頃そのトマトの木を万博で見た。トマトがにょきにょき伸び て部屋いっぱいに枝を伸ばし実を実らせていた。
普通のトマトはひと粒の種から1m程度の高さになり、20 個程度の実を 実らせる。
ところが、このトマトは、一粒の種から 14 m四方、高さ 2 mの展示室 いっぱいに枝を張り、万博期間の 6 か月で1万
個を超すトマトを実らせ たという。もし、スペースと時間に制約がなかったら、その限りではな かったというから驚きだ
。
えー本当かよ、と言いたくもなりましょうけど、万博での話だからウソ じゃない。この本にも、トマトが木になって、天
井一面にゴロゴロと実 をつけている写真が載っている。
このトマト、何でここまで大きくなったのか?
その鍵は「根っこ」にある。このハイポニカ農法は、土を全く使わない。 水槽に肥料と酸素を加えた水を循環させ、その
上にベッドを敷いて種を まく。太陽の光をよく当て、あとは育つままにしておくと、ジャングル のようなトマトの木が出
現するというのだ。
注目すべき根っこを見ると、水槽いっぱい縦横無尽に真っ白な根を伸ば し、クッションマットのような状態になっている
。土という邪魔者がな いので、思う存分伸びている。とにかく、根っこが元気であるのがひと 目で分かる。
このトマトの木は、生命力旺盛で、病菌を植えつけても全く影響を受け ず、害虫も寄り付かず、無農薬で、糖度の高い実
を実らせるというのだ。 さらに、通常 1 年物のトマトが、この方法で栽培すると 2 年でも 3 年で も実をつけ続けるそ
うだ。
どう、これ? まさに圧倒的健康体を作っているでしょ。
一株のトマトが巨大な木に生長し、1万個を超える実をつけるこの現象 は、いったい何を物語るのか。著者の結論はこう
である。
生長の阻害要因さえ取り除けば、「生命は無限に生長できる」。
ハイポニカ農法は、この無限に生きようとする「生命の力、意志」を最大限引き出した結果、一株のトマトを巨大で強靭な
トマトの木に大変身 させた。
まるで孫悟空がスーパーサイヤ人になるくらい凄いバージョンアップで しょ、これ。そして、この変身させるスイッチが
どこにあったかという と、「根っこ」にあったというわけだ。
そこで、ひとつの仮説が導かれる。
人間も「根っこ」というスイッチを押してあげると、スーパーサイヤ人 に変身できる。つまり、トマトの木のように、病
気や老化や肥満をよせ つけない強靭な圧倒的健康体を手にすることができる、ということだ。
そして、人間の「根っこ」とは、すなわち「腸」である。
最終更新:2014年01月09日 06:58