「ストレスによって心も体もむしばまれていくなんて、私と関係のない世界のこと」とあなたはいいきれますか。

6、7年前のことです。

ある会社の企画で地方講演にいきました。

栄養の話を私がして、もう一人のエクササイズのインストラクターの方が実技指導をするというものでした。

会社側の重役も参加し、地方テレビ局の放映もあるという大きなイベントでした。

その関係者を含めての前夜祭が終わった深夜のことです。

エクササイズのインストラクターの方が急に、室内で大声を発しはじめ、ホテルの窓からとびおりかけました。

隣室にいた彼女の担当者が気づき、おしとどめました。

彼女はそのまま病院へいって泊まり、翌日、担当者につきそわれて家に帰りましたが、そのあと神経科へ入院したそうです。

まわりの人たちに様子をきいてみると、彼女をとりまく環境・人間関係には大きな問題があり、彼女もそれに苦しんでいて、まわりの人たちも彼女の変化にうすうす気づいていたとのことでした。

このようなことは私のまわりでいくつもおこっています。

学校での勉強についていけずノイローゼになった学生、会社へいくつもりで家を出たのに、翌日はなぜか九州の実家にいたという知人もいます。

ふとる原因も、ストレスによることが多いのです。

ストレスを解消できないで、その代償として、驚くほどの量を食べてしまう過食がそれです。

このようなことを心理学のことばでは"ストレスの代償作用"といいます。

仕事に適応しているかどうか、会社の上司や同僚との関係、ボーイフレンド・友人・家族との人間関係などの中で、だれにもおこり得ることです。

高橋ナツコ
最終更新:2015年08月25日 14:29