近ごろでは、和室の襖や障子を座って開け閉めするのは古めかしい作法のように思われているようです。
しかし、これは正しい理由がある礼儀で、現代にも生かされなければならない作法なのです。
つまり、ほとんどの作法・礼法が本来合理的なものであるように、これも理にかなった動作というわけです。
和室(畳敷きの部屋)では、室内にいる人は当然座っています。
ということは、目の位置が低くなっているわけです。
そこへ入室する人が襖の開け閉めや出入りを立ったまま行ったのでは、室内の人を見下げることになります。
また座っている人のほうから見たら、入ってくる人の足元から腰のあたりに視線がいくことになります。
高橋ナツコ
最終更新:2016年07月30日 15:52