非常事態を乗り切るには、緊急時のヘルプ要員の第1候補者、第2候補者を確保できるかどうかがポイントとなる。
家での経過観察が無理と判断したときは、一緒に勤務先の病院まで連れていくか、あとで家族に連れてきてもらった。
病院に着くと、子供をストレッチャーに乗せ、病室ではないがストレッチャーごと入れる部屋にとりあえず寝かせておく。
点滴が必要なときは、麻酔科当直室にストレッチャーを運んで、手術の合間をぬって様子をみにいったり、バイタルサインのチェックと、いわば医師、ナース、親の3役をこなしたようなものだが、これは手術室の近くに当直室があったから可能だったと思う。
ある土曜日のこと。
当直の出勤直前の玄関で、末娘が「お腹が痛い」といってきた。
熱があっても幼稚園にいきたがる娘なので、妙に思い、腹部の触診をしたところ、典型的な虫垂炎の所見である。
高橋ナツコ
最終更新:2016年09月06日 09:55