春は春分(三月十一日ごろ)、秋は秋分(九月二十三日ごろ)に、もっとも近い戊の日を社日と称し、稼稿(農耕)の恩に報謝する意味で土の神を祭ります。
社日の社は土(土地)の神の意ですから、示と土を合わせてできているのです。
これを"やしろ"や集まり、組合的な義とするのはその転用です。
したがって社日といえば土の神、土地の神の日となるわけで、なぜ春分と秋分に、もっとも近い戊の日を選んだかといいますと、春のそのころには種を撒き、秋のそのころには五穀を刈るからで、また、戊の日にしたわけは、"つち"には兄(戊)と弟(巳)とがあるが、戊は陽性の土、巳は陰性の土で、神は陽性であると思惟したからです。
つまり、春は成育を祈り、秋は収穫のお礼まいりということになり、春の社日を春社、秋の社日を秋社ともよび、共に農家では重要な日としていたものです。
高橋ナツコ
最終更新:2017年10月25日 14:20