〈屠蘇〉は、銚子などに入れ、三つ組の杯で飲むのが正式で、松の葉をたばねて半紙で包み、これを銚子に結びつける地方もあります。
三つ組の杯を使うときはめいめいが、上の杯から一杯ずつ、次の人へまわすのが正式です。
家族がそろって飲む場合は、息災を祝う意味で、年少者を先にし、順次年長に及ぶしきたりがあり、子どものいる家庭では、酒よりもみりんを使う家が多くなってきました。
なお、屠蘇には肴がつかないのが正式で、膳に料理などが出ている場合でも、全員が屠蘇を飲み終わるまでは、なにも食べないようにします。
もっとも、三つ組の杯のない家庭では、めったに使わないものをわざわざ買いそろえる必要はなく、屠蘇をやめて、ぶどう酒などで代用してもよいわけです。
高橋ナツコ
最終更新:2018年01月19日 16:05