育児休業制度は男女ともに取得できるものではあるが、実際には男性の取得者は非常に少ない。

労働省の調査によれば、1990年から93年の間に配偶者が出産した男性労働者に占める休業取得者男性は、わずか0・02%であった(「女子雇用管理基本調査」1993)。

一方、96年の厚生省の調査では、フルタイムで働く母親の7割近くが育児休業制度を取得している。

家庭生活と職場の調和がいわれながらも、現実には育児は女性の肩に重くのしかかっている。

ノルウェー、スウェーデンなど北欧諸国では、「パパ・クォータ」(父親への育児休暇割当制度)などの実施により父親による出産・育児休暇の取得が進んでいる。

EU(欧州連合)全体でも近年とくに、子育てや介護などのケア役割を担う「ケアラーとしての男性」の意義が注目され、職場だけでなく家庭生活に関しても、性別役割分業によらない、男女に平等な政策が進められている。

高橋ナツコ
最終更新:2015年03月13日 16:08