今回はルーターへのOpenWrtの
インストールを、事前の調査方法も含め、ASUS RT-AC1200HPを例に書いてみる。
AC1200HPは、長らくメーカーによるファームウェアのアップデートがない。
インストール前の下調べ
公式サポートの有無
その機種がOpenWrtに公式サポートされているかどうかを調べてみる
公式ページ内をモデル名で検索するという方法もあって、その機種のページがあれば、そこを読めばいいとも言える
ただ、その機種が現在でもサポートされているかどうかは、
Table of Hardwareで確認したほうが確実
公式サポートのある機種であれば専用のイメージファイルが用意されている
[View Edit data]を辿ると、イメージファイルやイメージ作成ツールなどがリンクされているページが表示される
今回のAC1200HPは、現状ではサポート外の機種になっている。
ちなみに、RT-AC1200HPは日本向けモデルであり、海外モデルにはRT-AC1200というものも存在するが、これは中身から全くの別物である
非サポートの場合
RT-AC1200HPは非サポート機だが、サポートがないからと言ってOpenWrtが動かないということではない
ハードウェア構成が似ていれば、動作させられる可能性はある。
そこで、ハードウェアがほぼ同等といえるような機種でサポートされているものがあるか、あればそのイメージを探し、なければ似たようなハードウェア構成の機種を探す。
非サポートであっても、イメージファイル自体は存在しているものもある。過去にサポートされていたものもあるし、古い機種でもいつの間にか新たに加わってたりもする。
ハードウェア情報を調べる
SoCとは、PCで言うところのCPUやメモリ、チップセット、
その他システムの基本となる機能を一つのチップに詰め込んだもの
それゆえ、SoCが同じデバイスのイメージを使えば、基本的な機能は動作させることが出来る可能性が高い
RT-AC1200HPのSoCはMediatekの7620Aとなっている
インストールするイメージを選ぶ
この情報を元に
Downloadsページを追っていく
" Stable Release builds"から各バージョンに進みむか、あるいは"Development Snapshot builds"に進み、target(SoC等、ハードウェア別の分類)を辿り、目的のファイルが見つけていく
インストール
インストールというよりも、イメージを焼く作業なのでフラッシュという方が適当か。
19.07の場合、AC51Uのイメージをそのまま焼き、事後にドライバの
インストールを行うか、事前にImageBuilderを使いmt76のドライバを入れておかなければならなかったが、22.03になってからは、同メーカーの同世代の機種で中身も同じ。レスキューモードでメーカーファームウェアをフラッシュする手順も同じAC54Uのサポートが加わったので、そちらを焼けばそのままで、ハードウェアドライバの
インストールの必要がなくなる
- フラッシュ作業にはルーターのレスキューモードを使用する
- "~sysupgrade.bin"をダウンロード
- 製品サポートページから、ASUS Firmware Restoration Toolをダウンロード
- イメージ焼きに利用するPCをスタンドアロンにする。つまりLANケーブルを引っこ抜く
- ルーターをレスキューモードで起動する(Reset押したままスイッチオン。電源LEDが点滅するまで5秒ぐらいRset押したまま)
- PCのネットワークのプロパティから、ルーターと繋げるアダプタのプロパティを開き、IPv4の設定を以下にする
IP 192.168.1.10 サブネットマスク 255.255.255.0 他は空欄でよい
- PCとルーターをLANケーブルで直接つなぐ。ルーター側は"LAN"のポートを使用すること(WANではない)
- ~sysupgrade.bin を "factory.trx" にリネーム
- Asus Firmware Restoration Tool を起動し、factory.trx を指定して "upload" を押す
- 電源LEDの点滅が終わって、しばらく待つと再起動が終わって電源LEDが点滅したままになる
- PCの接続をそのままにしておいて、ブラウザでhttp://openwrt.lan/、あるいはhttp://192.168.1.1にアクセスするとOpenWrtのWebインターフェスであるLuciが表示されるはず
最終更新:2023年02月01日 04:08