matome8

577. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 11:28:30.99 ID:CzwfiwAO
サンドイッチを頬張りながら八木がうつむき加減で話し始めた

八木「実はさ里美と安田は小学校からの友達だったんだよね…」

加治木「そっか…」

自分には返答のしようがなかった

八木「里美悲しむだろな…」

加治木「…………」

あえて沈黙で返した。
自分にはどうすることもできないし
里美の名を頻出する八木にちょっとした怒りを覚えたからでもある

八木「でさ、さっきの話だけど。公衆電話からこの番号にかけてみない?」

加治木「まだいってんのかよ…、もし危ないやつだったりしたら」

八木「公衆電話からじゃわかんないし、もしかしたら犯人かもしれないじゃん。もし犯人なら警察に事情話せばいい。違うならそのままでいいしな」

加治木「うーん………、わかった……」

食事を済ませ、公衆電話を探した
携帯電話が普及しているため公衆電話が減っていることもあり
探すのに少し苦労したが
やっとテナントビルの脇にあるのを見つけた
578. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 12:07:48.47 ID:CzwfiwAO
{ガララッ

加治木「ほ、ほんとにやるの…?」

八木「もち」
八木「俺がやるから」

八木は財布からテレホンカードを取り出し
番号が書かれた紙を見ながらボタンを押した

プルルルルル…プルルルルル…

ダイヤル音が公衆電話の空間に響く

加治木(だいじょうぶかな……)

八木も少し緊張しているようだ
まばたきが多くなってきた

ガチャッ
「もしもし」

若い男の声だがどこか低い声
あの男だ!

八木「あ…あ、あの…」

「どなたかな?どこでこの番号を手に入れたんだい?」

八木「あ、あなたこそ誰なんですか!?」

八木の声が甲高く空回りして
明らかにテンパっている
男の優しい問いかけの声が八木をおもったより緊張させたようだ

「…………」

相手の声が一瞬止まった
八木が沈黙を打ち破るように言った

八木「もしかして、今ニュースでやってる通り魔じゃないですよね!?」

加治木(おぃぃっ!それはあまりにも唐突でしかも直球すぎじゃないか!?相手にもさすがに失礼じゃ…)

「フフッ」

受話器の向こうから吹き出すような笑い声が聞こえた

「僕が通り魔だってw?なんの根拠があるんだい?」

八木「こ、根拠は無いです!ただあなたが怪しいと言う人がいるので!」
&br()}
579. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 12:45:58.87 ID:CzwfiwAO
「それは困ったなぁ…うーん……」

少し唸ったあと、

「じゃあ僕の疑いが晴らせればいいんだね?」

八木「え?」

どうやって?と言わんばかりの顔で2人は顔を見合わせた

「君達公衆電話にいるんでしょ?」

八木「……はい…」

これはまだ予想できる範囲であるので大して驚くことでもない、が

「後ろ見てみなよ」

また2人は顔を見合わせガラス越しの街並みをみた
街は歩行者天国なので人が行き交っている
すると、道の反対側
丁度公衆電話の向かい

黒のパーカーを着てニット帽を深く被った男が道の左側から歩いてくるのが見えた
手に何か持っている

右から歩いてくるのは…
真鍮高校の制服を着た女子2人

まさか…!!

男が手にしているのはナイフ
そのすれちがいざま
断末魔のような悲鳴が聞こえ
一瞬のうちに女子高生2人は地に臥していた

頭にはナイフが突き刺さって
道は赤く染まった

八木「ばっ、馬鹿やろう!!」

受話器に向かって八木が叫んだ

「これで疑いは晴れたはずだよ、じゃ加治木君にもよろしく言っといて」

ガチャッ…ツーツー

加治木「ど、どうする!?」

八木「犯人を追おう!今路地裏に入ってくのが見えた!」
580. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 14:58:49.06 ID:CzwfiwAO
何を言ってるんだ八木は…

何か八木に言おうとしたとき
八木はすでに飛び出して追いかけていた

加治木「あ、八木…あーもう!」

とりあえず八木の後を追った

あまりにおかしなことが有りすぎて何から考えればいいのかをまずは走りながら考えた

どうしてあの男は通り魔が起こることがわかったんだろう
しかし今の状況からだけでは推察することは不可能だ
とりあえずこれは後回しにして

八木は本気で通り魔を捕まえる気なのか?
相手はナイフ持ってるかもしれないんだぞ?
何が八木をそこまでさせるんだ?

この疑問を八木の背中にぶつけてみた

加治木「おいっ!!相手はナイフ持ってるかもしれないんだぞ!危ないよ!!」

八木「でもさ!これ以上あいつ野放しにしたらまた誰か殺されるぞ!しかも俺達が捕まえたらヒーローじゃん!」

どうやら八木は今犯人を捕まえてこれ以上犠牲者を出させないつもりらしい、が
加治木は八木の返答に複雑な気持ちを抱いた

加治木(…いつからあいつはあんなかっこよくなっちまったんだよ)

八木は電話の相手のことなど忘れたみたいにただ前を走っていた
お互いの距離は3mくらいなのに加治木には途方もなく離れているように感じた

路地裏のビルが並ぶ小さな十字路にさっきの犯人が走っているのが見えた
581. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 15:56:07.71 ID:CzwfiwAO
加治木「あっ、あれだ!!」

八木「誰か他にも追いかけてるぞ!」

50m先に犯人を追いかける若い男性がいた

八木「三人がかりなら…!」

加治木「右に曲がったぞ!」

犯人が右の更に細い道に入り先の男性も後を追った

八木「確かあの路地裏は行き止まりが多いから追いつめられるかも!」

そして2人は犯人が曲がった路地に入った

八木「!!」

路地に入ってすぐの道の真ん中にさっき追っていた男性が胸にサバイバルナイフを突き立てられ
仰向けに倒れていた
素人目にもすでに死んでいるとわかるぐらい口から血を吐き
辺り一面に血液が飛散していた

加治木「八木!!いっちゃダメだ!!」

さすがに恐怖で足が止まった

加治木「俺達にどうこうレベルじゃないよ!!警察を呼ぼう!」

八木「………ッ」

八木は一瞬戸惑ったような表情をした。
そして冷静さを取り戻したのか道にへたり込んだ
582. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 17:17:22.06 ID:CzwfiwAO
八木「はぁはぁ………と、とにかく救急車呼ぼう」

加治木「ゲホッ…いや、ダメだよ。もう死んでる…」

八木「……人ってこんな簡単に死んじゃうのか…」

死体を前にして何故か冷静でいられる自分達がいた。
疲れのせいか恐怖をすでに味わったからなのか。
とりあえずポケットから携帯を取り出し警察に連絡し場所を伝えた。
警察がすぐに向かうそうだ。

八木「はぁ…はぁ…でもなんであいつ通り魔がヤるのを知ってたんだ…?」

やっとその疑問に八木が辿り着いた

加治木「……通り魔とあの男はグルなんじゃないかな…わかんないけど…」

八木「やつ最後に加治木君によろしくって言ってたぜ?名前言ったのか?」

火照った身体の背筋が少し寒くなった。
あの男に名前を言った覚えもないし、
どうしてあの場所に自分がいたことがバレてるのか。声を発してはいなかったはずだ
見られていた?例えそうだとしても何の意味が?

八木「…見たか?さっき殺された女子高生」

一瞬だったのと八木をすぐに追ったためちゃんと見ていなかった。

八木「真鍮高校、しかも隣のクラスの女子だ。見たことある」

加治木「…………通り魔の狙いは真鍮高校の女子?」

八木「恐らくな、何が目的かはわかんないけど、もし電話の男が通り魔とグルなら…ヤバいぜ、櫻井」
583. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 17:53:35.79 ID:CzwfiwAO
確かに…
グルと仮定するなら狙いは櫻井で、
櫻井の容姿がわからないから真鍮高校の女子を次々と殺しているのか?
いや、あの櫻井の絵を見ると顔はわかっている
じゃあ単なる無差別…?
グルじゃないのか?
うーんわからん

加治木「あのさぁ…さすがにいきなりあの人を犯人扱いするのは尚早じゃない?」

八木「重要参考人くらいにはなるだろ。これではっきりした」

「ギチギチギチ」

八木「カジ、なんか言った?」

加治木「いや」

「なぁんだおめぇら…ガぁキじゃねぇか」

八木「……………」

ザッザッ

黒い影がこちらに近づいてくる
今いる路地裏はビルに挟まれているため日中なのに夕方のように暗い

2人に動揺が走った

「おれを追っかけてきたのが運の尽きだな。そういう正義面してるやつみっとイライラすんだ」

通り魔だ…!手にはナイフを握っている…
まずい!殺される!

加治木「あ……あ………あわわ……」

加治木(…八木っ…!に、逃げるぞ!!)

八木の肩を掴み相手に聞こえない最大の大きさで叫んだ
だが、八木はすくっと立ち上がり相手に向かって言い放った
584. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 20:46:24.49 ID:CzwfiwAO
八木「な…なんで彼女達を殺したんだ!!彼女達がいったい何をしたって言うんだ!?」

加治木(いやいやいや!真っ当な意見だけどさ、時と場合によるだろ!!明らかにヤバそうな相手だぞ!)

通り魔の男は少しキョトンとしたようだった
すぐに笑い出し

「ギチギチギチ………単なる人違いだよ、運が悪かっただけだ!別に理由なんてねぇよ!!」

八木「……こいつっ……!!」

「なんだぁ?お前にゃ関係ねぇだろぉ?」

ナイフをもう一本取り出し両手でもった

「安心しろぉよ、今楽にしてやるからよぉ。その正義面した顔をなますぎりにしてやるよぉ」

加治木「逃げろっ!!早く!!」

通り魔はサバイバルナイフを向けこっちに突っ込んできた。

八木「うっ、うわぁぁっ!!」

ヒュン

通り魔はナイフを八木の頭めがけて突き出したが
間一髪しゃがみこみ、八木の頭をかすめた。

「ギギッ…」

八木はしゃがみ込むと同時に通り魔の脚に蹴りをいれ通り魔の体勢を崩し転倒させた

加治木「八木!倒れてる隙に早くっ!!こっちへ!」

「ギギッ……小癪なぁぁっ!!」

が、通り魔の振った刃の先端が膝をかすめ
立ち上がろうとした八木はまた倒れてしまった
585. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 23:43:32.99 ID:CzwfiwAO
ファンファン…(パトカー)

通り魔「ギッギッギ…今からてめぇの顔の皮ゆっくり剥いでやろうと思ったがぁ…お時間がねぇみてぇだな…」

通り魔「しょうがねぇから簡単におめぇの頭ぶっつらぬいたあと後ろで震えてる育児なしもぶっ殺してやるよぉ」

八木「うぁっ…ぁっ…」

加治木「ひっ…あっ…あ…」

2人は恐怖で動けなかった
蛇に睨まれた蛙の如く
そして少し後悔していた…
行き過ぎた行動に

今から横に横たわっている死体みたいになってしまうと思うと
恐怖で頭が真っ白になり
歯がガタガタし始め、身体が小刻みに震えだした


通り魔「後悔しろぉやぁっ」

通り魔の男は八木にまたがりナイフを振り上げ
八木の頭めがけて突き刺した

ガキン!

だがナイフはいつのまにか空を回り
地面に音をたてて落ちた
2人も驚いたが一番驚いたのは通り魔自身かもしれない

586. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 23:59:42.40 ID:CzwfiwAO
通り魔「な、なんだぁっ!」

辺りを見回すが誰もいない
一体何が起こったんだろう…

「上だよ上、通り魔さん」

ビルの非常階段の脇に誰かがいる

「あらら…間に合っては…いないみたいだね」

通り魔「誰だぁっ!?」

「そんなことよりいいのかい?そろそろ逃げ場無くなっちゃうけど」

通り魔「………ちぃっ!」

通り魔は片方のナイフを収めると素早く立ち上がり
ビルの狭間の暗闇に消えていった

八木も加治木もその助けてくれたらしい人の方を向いたまま硬直していた
命の危機から助かった体がそのまま何も考えられず止まってしまったようだ

「いいかい君達、時として無謀な勇敢というのは全てを失うことだってあるんだよ」

透き通った声が思考停止した頭にすんなり入ってきた

「勇敢なのはいいことだけど自分の力量も知らずに相手に向かうのはよくないな」

八木「あ…あなたは…」

八木がやっと喋ることができた

「そんなことはどうだっていいことだ。今は命が助かったことを素直に喜ぶほうが大事だと思うよ。大切にしなよ、一つしかないんだから」

そう言うと非常階段を上に登っていき見えなくなった
590. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/02(月) 19:21:40.78 ID:9r/xu.AO
助けてくれた男が見えなくなった直後に
現場にパトカーが2,3台到着し
2人はすぐに保護されて
警察で事情聴取を受けた
そして親も呼ばれてこっぴどく怒られた
さらに1日停学処分にもされ(精神カウンセリングという名目で)
10時には家に帰されたが
さらに家でも怒られた

だが2人は電話の男のことはあえて言わなかった…。
いや、そのことが頭からすっぽり抜けていた、と言うのが正しいのかもしれない

――――――――

「た…助けてっ…!いやぁ……!!!」

「うぐぐっ……に…逃げろっ…!!ギャッぁ」

唯「…やめてっ……やめてったら!」

闇の中に苦しむ2人の姿
どこか見覚えのある顔は
もはや見る陰すらなく
強張り恐怖の顔のまま固定していた

唯「どうしてこんなものを見せるの…!!なんで…なんで…」

ただうずくまって泣くしかなかった。
夢の中であるはずなのに
その空間は冷たく質感があった

昨日の夢と同じ…いやもっと酷い
酷くなっている
心が締め付けられて壊れそうになる

「…世界を統べる者…」

能面的な仮面をつけた黒鎧の男
こいつが殺した
こいつが全てを奪った

心の中の自分がそう呟く
591. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/02(月) 23:30:16.33 ID:9r/xu.AO
もう一人の自分が側にいて
悲しそうな顔で自分に言う

「お父さんとお母さん…殺されちゃった…」

唯「そんなの私知らない!」

続けて言う

「仇討ってよ…ねぇ…」

唯「どっかへ行って!!そんなの関係ない!」

「……これはあなたの記憶よ…あなたは知っている…」

唯「…何を…!?こんなの知らない!」

「………見て…」

もう一人の自分が右を指差した
そこにはさっきの見覚えがある人が首だけになってテーブルの上に置いてあった

「あれはあなたの最期の記憶……よほど強烈だったようね……」

唯「……いやっ……いやぁっ……!!こんなの……!!」

「ほら…あなたの感情はまだ覚えてる…あの時の絶望とも言える悲しみ…理不尽な暴力に対する憎しみ……ほうら…思い出してきたでしょ」

唯「うぁ……ぁ……っ」

――――――――

櫻井家17:28

母「唯!唯!」

目を開けるとそこには母の顔があった
まばたきすると目から涙が溢れた

母「大丈夫?すごい魘されてたけど?」

唯「う……うん……」

母「昨日からずっとじゃない?お医者さんに見てもらう?」

唯「いいの…大丈夫…だから…」

母「そう…?ほら、涙で枕が濡れちゃって。代わりの枕持ってくるからね」
592. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/02(月) 23:46:56.30 ID:9r/xu.AO
寝ながら泣いていたようだ

昨日と同じ夢が、だんだん鮮明になってきて
そして現実感が増してきた

唯「………」

何かを思い出して来ているような…
しかしなんのことだかわからない
さらに悲しみという感情が自分の中に確かなものとしてある

唯の心境は複雑極まりない状況であった
悲しみはあるのにそれが何から発せられるものなのかがわからないのだ

夢の中の残虐な光景に悲しみはあった気がするのだが
いまいち確信はもてない

自分の中で何が起こっているのだろうか…


母が新しい枕を持ってきた

アザラシの時計を見る
もう五時すぎ…

あまり寝たくはなかった
またあの光景が夢の中に現れるような気がしたからでもあり
それを思い出してしまうかもしれない恐怖もあったからかもしれない

唯「*下でテレビみててもいい?」
*部屋は二階

母「え、えぇ…いいわよ」

母は目が赤くなっている娘を見てちゃんと寝てなさい、とは言えなかったようだ
593. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/03(火) 00:01:32.90 ID:9FcLGIAO
薄暗くなったリビングにいき
テレビをつけた
夕方のニュースの時間だ

「……有狩町の有狩駅前で通り魔事件が発生、現場から中継でお送りしていみす」

唯「すぐ近くだ…」

「現在わかっている情報では近所の真鍮高校に通う女子生徒2人が通り魔の男性にサバイバルナイフのようなもので刺され2人とも死亡が確認されました!即死のようです」

映像には見覚えのある街並みと
野次馬の山、テープで仕切られた中に警察がたくさんいた

「今日は休日だったので人がたくさんいたことから…あ、はい…ただいま入った情報によると犯人が凶器に使ったナイフが先日の足戸駅前での事件で使われたナイフと同一であることが鑑識の調べでわかりました!」

カメラは舗装された道に染み込んだ大量の血痕を映した

ズキン

唯「……いたっ……」

血をみた瞬間頭に痛みが走った

「あ、さらに…現場から逃走した犯人を追いかけた男性がここから200mほど先の路地で犯人にナイフを胸にさされ死亡したようです!!続報がはいりしだいまたお伝えします」
594. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/03(火) 00:02:42.41 ID:9FcLGIAO
していみす×
しています◎
595. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/03(火) 12:42:34.38 ID:9FcLGIAO
{コメンテータ「白昼堂々とは…警察は一体何をしていたんでしょうね?あの事件以後、事件があった周辺は警戒を強化していたはずですが、これは怠慢としかいいようがありません。全く国民の税金は―ピッ」

チャンネルを変えた。

「午後12時50分ごろ有狩駅前で通り魔が―ピッ」

「警察の責任を追求する声もあり―ピッ」

どれも同じニュースだ。

真鍮高校の女子生徒…
もしかしたら知っている人かも…

そういえば里美にメール返してなかった。
なにか知ってるかもしれない
&br()というよりとにかく里美と何か話したかった。 &br()今の唯の心の状態ならそれが普通かもしれない &br()}
596. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/03(火) 18:36:24.33 ID:9FcLGIAO
あまり推敲せずに書いてるので
若干読みにくかったり文章や流れがおかしいところがあると思いますが
なにぶん文才が乏しいもので
わかりにくいとは思いますが
できるだけわかりやすく書こうと思うのでよろしくお願いします

と、何度もこんなこと書いてますが
携帯で書くのはかなり書きにくいのです。。
携帯小説書いてる人はわかるかと思いますが
全体の見通しがしにくく流れが掴みにくいので
構成がしにくいのです…(自分だけかもしれませんが…)
早くPC買ってキーボードでちゃっちゃと書きたい

以上チラ裏でした

ちなみに本編(3章)ですが
4章のネタを考えるための時間稼ぎでもあり
主人公達のキャラを深めようというためのものでもあり
物語の柱となる部分に触れるところでもあります

そして各々の感情の動きもいれ
物語に深みを出そうと思った次第でありますが
かなり変かもしれません…
許して。

あと男、女ではあまりにも記号的であり
感情移入しにくいので(自分の中で)
名前を入れてみました
もしかしたらこのままでもゆくかもしれないし
元に戻るかもしれません
不評であればじきに元に戻します

長くなりましたが
自分なりにオリジナリティを追求していくつもりなのでよろしくお願いします
599. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/04(水) 17:55:30.50 ID:wXMh6kAO
部屋に戻って里美に電話をかけようとしたとき

ピリリリリリッ(着信音)

唯(……登録してない…誰だろ…?)

ピッ
唯「もしもし…」

山本「あっ、櫻井?おれ、山本」

唯「…山本先輩ですか?なにか……」

山本「ニュース見た?通り魔の。それで櫻井大丈夫かなーって心配になって」

唯「…あ、ありがとう」

山本「それで前送ったメールの話なんだけど―」

唯「ごめんなさい…今風邪ひいてて…今度でもいいですか?」

山本「あー…うん、わかった。身体大事にね」

ピッ
唯「はぁー…」

まだ頭がズキズキしている。
でも誰から番号聞いたんだろ…

一息ついたあと改めて里美に電話をかけた
600. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/04(水) 19:14:21.37 ID:wXMh6kAO
プルルルルッ…プルルルルッ…

里美「……唯?…」

その声はとても元気がなかった。

唯「……里美…大丈夫?」

里美「…唯の方こそ大丈夫?いつもの唯の声じゃないよ」

唯「……」

自分も少し声が枯れぎみなことに今気づいた。

唯「…ニュース見たんだ。それで…里美は大丈夫かなって」

里美「……」

里美は黙っていた。何か泣いているようだ
電話の向こうですすり泣く声が聞こえる

里美「……(安田)尚美が殺されたんだって…通り魔に…」

唯「………」

尚美と言えば里美と同じクラスで仲のいい友達だった。
何回か会ったことあるけど結構人当たりのいい人だった。
そっか…もういなくなっちゃったのか…。

唯「仲良かったもんね…」

唯「…もしかして…今日殺されたちゃったの…?」

里美「…昨日だけど…、もしかして今日も…?」

唯「うん…有狩駅前で。また真鍮の女子が殺されたんだって…」

どうやらずっと泣いていたようでニュースは見ていなかったらしい
そのことを告げるとわっと泣き出した。
泣き止むまで電話を耳にあてたまま待つことにした。
最終更新:2009年09月21日 01:29