arasuji

世界は一つではなかった。
そこはアトムと呼ばれる世界…

遠い遠い昔、地上に祖龍が舞い降り
この世界の人々に告げた。

「この世界を統べた者の願いを叶えよう」

そして祖龍は人々が御神体として崇めていた岩に雷を落とした。
すると岩は激しく光り出し片々に砕けた。

祖龍は言った。
「この石は汝等の力を高めるだろう―」

人々が恐る恐る砕けた破片を手に取ると
まるで人が変わったようになり、互いに人々の中での覇権を争うようになった。
人々はこの石をコランダムと名付ける。
そしてそれぞれ、従う人を引き連れ様々な土地へ離散しそして国を興した―

「龍創神話より―興国伝説」



古より人々は、土地、資源、食料の争奪から始まる戦争を幾度となく繰り返してきた。
様々な国が興り、栄え、そして亡びた。
それはまるで儚い水泡のようであった。
その過程に於いて、人々は魔法を学んだ。
そして魔法を行使する魔法使人が現れ
いつしか魔族と呼ばれる種族が人々を脅かすこととなる。

龍創暦1018年―

第一章~二章:あらすじ

カジ[男]とシアン[女]は
導師により"次元のとびら"を通りアトム世界の一地方、ハロゲン市と呼ばれる商業都市に辿り着く。
シアンは両親を殺した"世界を統べる者"と名乗る魔族使いを復讐のために捜すことにし
カジも復讐ということに少し戸惑いを感じながらもシアンを守るために従うことにした。
そこで祖国から亡命していたリンと
公務のために訪れていたアボガドロ帝国皇子アルゴン、
アルゴンの側近の魔法使人クロムに出会う。
だが、帝国と敵対する隣国タンタルが帝国に併合を申し出たハロゲン市を急襲。
ハロゲン市は急遽アルゴン指揮の下
籠城戦を展開するが、
その間、城内に不穏な空気が流れ始め
後に第三勢力がこの戦に介入している事が判明する。
自分を殺すためにこの戦争が行われていると直感したアルゴンは
自らの肉親―皇帝コバルトに疑いを抱き始めた。
最終更新:2009年09月12日 15:30