「あのー、面会の手続きさせてもらいたいんですが」
「あら、ジークちゃん。今日も彼のお見舞い?」
真冬となれば、17時にはもう陽の光はなく、夜にも等しいものだった。
そんな中東京の大病院、障害者病棟の受付にて、受付担当は訪問してきた少女を慣れたように出迎えた。
定期的にある病室の患者と面会を希望する長い黒髪をツインテールにした少女は、今ではすっかり院内の名物となっている。
何かのアスリートらしくしなやかな体つきで、当初はなんとも野暮ったいジャージ姿でおろおろしながら訪れたものだ。
今はしっかりと愛らしい私服を着直し、人見知りもしなくなった。
「あの、彼の様子は……」
「そうね……ごめんなさい。なんとも言えないわ。原因不明の重度の意識障害……全身に薬害のような痕跡が残ってることまでは分かったんだけど。
肉体の不可解な変移と、脳波の以上は今も継続したままって話よ。急変の兆候はないから、命の心配は無いようだけど」
「そうですか……ほな、今日も声かけてきます。ひょっとすると、届くかも知れへん」
「そうね、そうかも知れないわ。それにしても、本当に彼のこと気にかけているのね。……ひょっとして、彼氏だったり?」
「へっ? い、いやいやいや! そんなんじゃあらへんですよ! その……」
ジーク、と呼ばれた少女は僅かに顔を赤らめ両手を振って否定する。
ジークがこれから面会しようとしている男との関係は、言い表すことが難しい関係だ。
それでも、もし仮に、そうありたい、と思える関係を言葉にするとしたら。
「友達、なんです。まだお互いのこと、全然知らへんけど。あの人のこと、知りたいって思います」
本当は。本当は、言葉も交わしたことのない相手に、ジークはそう言った。
しかし、それは確かに心からの願いを込めた言葉だった。
*
障害者病棟とは、一人では生活も困難な重度の意識障害者などに対する入院施設だ。
生涯病棟、とも言い換えることができるかもしれない。
決して断言してはいけないが、もはや社会の中で生きることが物理的に困難となってしまった人が、最後に行き着く場所。
その一室に、西洋風の顔立ちをした金髪でツンツン頭の青年が入院していた。
年の頃は成人したての、しかしどこかあどけなさの残る少年のようでもあった。
体は鍛えられていて、中肉中背ながらも鉄のような強靭さがある。
しかしそんな体も、寝たきりとなった今では衰えてしまっているだろう。
目を開きながらもその視線はぼんやりと宙を彷徨い、どこを見ているわけでもない。
それは、病室にジークが面会に来てからも同様だった。
「こんにちは。今日も来たで、『マスター』」
「……ぅ、……ぁ……ぁあ」
青年は微かにうめき声を上げるだけだった。
そんな相変わらずの様子にジークは少し眉尻を下げるが、気を取り直し側の椅子に腰掛ける。
青年の右手には、令呪が刻まれていた。
ジークにとってそれは、自分と青年を繋ぐ証だった。
そう、彼女はサーヴァントだった。
バーサーカー、その真名は『黒のエレミア』。
その依代たるジークリンデ・エレミアという少女に聖杯が充てがったマスターは、この意識を失った青年だったのだ。
「今のところ、この地区周辺は静かなもんや。けど、他はそうもいかないんやろな。
なんかそれっぽい噂を結構聞くわ。きっともう聖杯戦争は始まってて、何人も戦ってるんやろな……」
「ぁ……ぁぁ……ぅう……」
マスターの、令呪の刻まれた手をゆっくりと握る。
ぴくりとも動かないそれは、しかし確かに命の暖かさを宿している。
「うちな、こう見えて格闘競技選手だったんよ。うちにとって、戦いっていうのは、みんなを楽しませるものや。
けど、こうして『ご先祖様』たちの総体として依代に選ばれて……なんでうちだったんやろな。
しょーじきなところ、戦いたくないなあ……殺し合いなんて、まっぴらや」
「……ぅ……」
「けどな。君は……君が、うちを呼んだんや。それはきっと、君の『生きたい』って願いや。
うちのマスター……君のこと、うちは全然知らへん。けど君のこと助けてあげられるのは、うちだけや。
託されてもーたからな。うちは、君のこと守ってあげたい。そのためなら……」
そのためなら、何だろう。
そのためなら、他の主従と戦える? 殺せる?
そんなはずはない、そんなことは断じてしたくはない。
けれど、この儚いマスターを生かすことができるのは、ジークだけしかいない。
この聖杯戦争はタッグマッチだ、他の参加者には相応しい相方がいるだろう。
しかし、彼には、自分しかいないのだ。
自分が戦うことを放棄すれば、抗うことを放棄すれば、ここでゆっくりと朽ちていくしかない。
ジークがサーヴァントでありながら、正規の面会者として定期的に手続きを行っているのもそのためだった。
自分が会いに来なければ、彼のもとを訪れる人は誰もいなくなってしまう。
彼は、皆から忘れられていってしまう。
ほんの少しだけ、意識のラインが繋がったことがある。
まるでコマ送りの映画のようなもので、彼のことを知れたとは全くもって言えない。
しかし、それでも聞こえたのだ。
託されたのだ。
『■■■■■になりたいって? がんばれよ』
『また一緒か。よろしくな!』
『おい、気分はどうだ』
『ちょっとここで待ってろよ。この先の安全を確保してくる』
『ちくしょー! きりがねえ』
『今日はここで朝まで休もう。明るくなったら出発だ。ま、気長に行こう』
『なあ、ミッドガルについたら、お前どうする?』
『冗談だよ。お前を放り出したりはしないよ』
『――トモダチ、だろ』
「いい友達やったんやな。うちにもな、どうしようもなかった頃のうちを支えてくれた大事な友達がいるんよ」
ほんの少し垣間見ただけのそれ。
しかし、それはきっと彼にとって何よりも大切なものだったのだ。
彼を命懸けで助けようとした人がいた。
それに報いるためにも、彼の無意識は今も懸命に生きようと願っている。
「――うん。うん。ごめんな、隣で辛気臭い話聞かせて。戦いたくない~とか、聞かされても困るよなあ。
大丈夫。うちは君の味方、君のサーヴァントや。君のために、君を想うすべての人のために、うちは戦うよ。
たとえそれが、戦乱への道だったとしても。ご先祖様が記憶をうちにくれたのは、挫けない心をくれたのは、このためなんだって信じる」
もう、目を逸らしてはいられない。
ジークは決意した、マスターを救うことを第一とすることを決めた。
もしかすると、サーヴァントの中にはマスターの意識を取り戻す力を持ってる誰かがいるかも知れない。
できることなら戦わず、お話をしたい。
けれど、それが叶わないのなら、戦火がこちらへと飛んでくることがあるのなら。
「――ッ!」
そして、力のぶつかり合いを感じた。
付近で、この病院にほど近い何処かで、サーヴァントが戦っている。
いずれそうなるであろうことだった。
病院に被害が及ぶようなことがあれば、マスターの命は危険に晒されることとなる。
「……ほなマスター、また来るからな。行ってきます」
ジークのやるべきことは、一つだった。
例えその結果何が起ころうとも、ジークにそれをしないという選択肢は最早なかった。
病室を出て、その扉を振り返る。
病室の名札には、『クラウド・ストライフ』という名前が刻まれていた。
*
大病院近くのエリアで争っている、2組の主従がいた。
見れば好戦的な主従が消極的な主従を潰そうと狙っていることが分かる。
聖杯は願いの有無など関係なしにあくまで聖杯にとって相応しいマスターを選ぶ。
このような光景も、この聖杯戦争においてはよくあることだろう。
かたや聖杯を求め、願いのために他者を叩き潰そうとする主従。
かたや脱出を求め、ただ生きて帰りたいとその手段を模索する主従。
しかし……どうあれ、それがサーヴァントの激突であることに変わりはない。
そして、その争いの中央に、黒い疾風が舞い降りた。
突然の第三者の乱入に、それぞれが困惑し僅かに引き下がる。
「そこの人。お願いやから、できるだけ遠くに逃げてくれんかな?」
ジークは消極的だった主従に声をかけた。
しかしそちらも得体の知れないジークの存在に躊躇し、中々動き出せなかった。
背を向ければ撃たれるかもしれない、とも思っていた。
「君たちに戦う意志がないなら、できるだけ遠くに逃げて。うちは――」
しかし、その言葉は遮られる。
好戦的な主従による攻撃は、立ちはだかるジークへと向いた。
霊核である心臓と頭部を同時に狙う、手加減など存在しない致死の攻撃。
その攻撃を前に、ジークは――
「……ごめん」
ただ一言、それだけを言い残して。
そして、彼女の『宝具』が発動した。
*
戦いは、終わった。
まるで巨大な獣の爪で抉ったような、恐るべき破壊痕が刻まれていた。
この場に存在するサーヴァントはジークのみであり、そして、『2つの死体』が横たわっていた。
「……ごめん。ごめんな。ヴィクター、番長、ハルにゃん、ヴィヴィちゃん……」
ジークは、静かに涙を流していた。
友の名を連ね、それに最早顔向けできないと悲しみに心を沈めた。
彼女の両腕は、必要のない命さえも砕き、その血に染まっていた。
この場に存在する主従は等しく、彼女の手によって葬られた。
しかし、彼女が挫けることはもう、ない。
それが彼女の宝具、彼女の狂戦士としての所以だった。
彼女はバーサーカー、『黒のエレミア』。
古代ベルカ戦乱期より以前、格闘戦技の概念すら存在しなかった時代よりその身一つで戦い抜くことを極めていった一族。
歴史書に登場する記述は僅かなれど、その技量は聖王家すらも凌駕すると讃えられたもの。
記憶継承魔法による『エレミアの一族』の総体。
一度戦いが始まれば、並み居る影は全て敵。眼下の命のすべてを刈り取る。
例えその依代が戦乱より800年後の、平和な時代に競技者として生きる末裔であろうとも。
「それでも、うちは戦い続けなあかんねん。うちは、マスターのために戦う。それが、うちが『黒のエレミア』である意味なんや」
黒のエレミアの鉄腕を前に、あらゆる命は意味を持たない。
【クラス】
バーサーカー
【真名】
『黒のエレミア』@魔法少女リリカルなのはvivid
【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運B 宝具A
【属性】
中立・善
【クラススキル】
狂化:EX
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。また、現界のための魔力を大量に消費するようになる。
このスキルは後述の宝具『エレミアの神髄』の効果の一部であり、通常時は機能していない。
【保有スキル】
記憶継承者:A
古代ベルカの遺失技術であり、後述の宝具『黒のエレミア』の一部。血統に作用する継承魔法。
継承者は自身の祖先の記憶を継承し、その人生経験と共感することによって祖先の保持していた技術を獲得する。
エレミアの一族は戦闘経験のみを継承する特殊な記憶継承を施したため、個人のエピソード等の記憶は本来継承していない。
現在の最終継承者、依代であるジークリンデには始祖から数え500年分の戦闘経験が継承されている。
しかし『黒のエレミア』の疑似サーヴァントとなった影響により、依代となったジークリンデには通常の記憶継承者としての特性が付与されている。
具体的には幸運判定に成功することにより、戦闘経験以外の技術の再現や、過去の戦乱の記憶を朧気ながら認識できる。
戦闘に対する忌避感を軽減できる他、戦時に関わる技能の獲得、義肢の作成などが可能になる。
それが彼女にとって喜ばしいことであるかは、ともかく。
エレミアン・クラッツ:B
後述の宝具『黒のエレミア』の一部であり、依代であるジークリンデが編み出した一種のリミッター。
ミッドチルダの魔導師としての基礎的な魔法技能を習得している事実も兼ねる。
ジークリンデは『黒のエレミア』の人体破壊技術の一部を封印し、格闘競技用に調整した。
『殲撃』を封印し、射砲撃と投げ技を中心とした無血制圧を基本とする。
それが通じない相手には『鉄腕』を用いた格闘打撃からの関節技でねじ伏せる。
このスキルにより彼女は『事前に合意のある模擬戦』においては宝具『エレミアの神髄』を発動しない。
危険な攻撃を直撃コースで受けない限り、安全に相対者を制圧することができる。
無窮の武練:B
ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。極められた武芸の手練。
心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。
武装を失うなど、たとえ如何なる状態であっても戦闘力が低下することがない。
現在のランクは依代であるジークリンデの、『次元世界最強の十代女子』としてのもの。
後述の宝具『エレミアの神髄』の発動によって、このスキルのランクは跳ね上がる。
【宝具】
『黒のエレミア』
ランク:- 種別:対人奥義 レンジ:1 最大補足:1人
放浪の一族エレミアが連綿と継承してきた魔法戦技流派。
格闘戦技という概念すらなかった時代、己の五体で人体を破砕する技術を求め、戦乱の中でその技を極めていった。
手足による格闘打撃戦、魔法による射砲撃戦、密着状態での掴み技、投げからの関節技等あらゆる体術と魔法射撃を包括した総合戦技。
そして、それら全ての戦技に『殲撃』と呼ばれるあらゆる防護を貫通する消滅の魔力を付与する魔法技巧。
完全消滅魔法イレイザーは才能あるものでも構築に数分間の時間を要するものとされるが、黒のエレミアはそれを一瞬で展開する。
古代ベルカ戦乱期の記録において、当時の継承者ヴィルフリッド・エレミアは聖王オリヴィエや覇王クラウスに匹敵、或いは凌駕する使い手であったという。
『鉄腕』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
エレミアの一族に継承されるアームドデバイス。所謂魔法の杖と近接攻撃用の武装を兼用したもの。
エレミアの戦技の起点となる指先から肘までを覆う黒い手甲。
古代ベルカの戦乱以前から存在するそれはアームドデバイスとしてはハイエンド、古代の遺産であり現代の技術では再現できない武装と想定される。
装備中は『黒のエレミア』の戦技の練度を1ランク向上させる。
強靭な鋼鉄による打撃威力の向上、専用の構造による受け流しと掴みの成功率の上昇、射砲撃の詠唱時間短縮、等。
『エレミアの神髄』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大補足:1人
『黒のエレミア』から派生し、記憶継承者が自動的に習得する自身の命を敵対者から守護するオートコンバットシステム。
自身の命の危険に呼応し、肉体が反射的に全力の迎撃行動を行う。
戦時においては非常に有用な力だが、平時においては継承者の少女を暴走させ、その人生に影を落とす要因となった。
上述の逸話と彼女の真名、そしてバーサーカーというクラスから、この宝具は強大なメリットとデメリットを併せ持つ制御不能宝具と化している。
この宝具は『危機的状況』においてバーサーカーの意思に関わらず強制発動する。
自身に狂化:EXを付与し全ステータスを1ランク上昇させる。
更にスキル『エレミアン・クラッツ』を封印し、スキル『無窮の武練』のランクをA+ランクに上昇させる。
発動中自身は周囲の敵を破壊することのみに専心し、一切の容赦を加えず全ての宝具を発動する。
『たった一人で駆け抜けた数多の戦場の記憶。並み居る影は全て敵。眼下の命のすべてを刈り取る。黒のエレミアの鉄腕の前に、あらゆる命は価値を持たない』
【weapon】
自身の五体。
『黒のエレミア』による総合戦技。
【人物背景】
真名である『黒のエレミア』は、エレミアの一族の記憶継承システムを基幹とした『エレミアの一族が培った500年の総体』を意味している。
エレミアの一族全員を示すものであり、その依代となっているのが末裔であるジークリンデ・エレミアという少女。
依代の彼女は平時に生まれた少女であり、現在は己の腕前を健全に総合魔法格闘競技の選手として活かしている。
関西弁に似た言動の人見知りがちで心優しい少女だが、彼女は幼い頃『エレミアの神髄』を制御できず無作為に破壊の力を振りまいてしまったトラウマがある。
多くの友人とライバルに恵まれ現在はある程度立ち直ってはいるものの、未だ制御はできていない。そもそも、制御できるものなのかも怪しい。
本来の心根としては競技者として楽しく戦うことを信条としているので時代錯誤の殺し合いなど以ての外、なのだが。
皮肉にも『黒のエレミア』の真名と宝具化した『エレミアの神髄』は、彼女を聖杯戦争で戦うための最適な状態に変異させた。
彼女は敵対者をその意思に関わらず容赦なく攻撃するし、殺してしまったとしても継承者の記憶を参照し心を摩耗させることはないだろう。
ただ、悲しいだけである。どこまでも、悲しいだけ。
500年の研鑽と、戦乱の中眼下の敵を無情に屠り続けた歴史を背負ってしまったジークリンデの辿り着く先は何処か。
【サーヴァントとしての願い】
マスターを守ってあげたい。
そのためなら、自身の悲しみは抑え込む。
【マスター】
クラウド・ストライフ@クライシスコア ファイナルファンタジーVII
【マスターとしての願い】
■■■■
【能力・技能】
兵士としての基本的な能力。
非常に高い身体能力を持つが、メンタルが弱くそれを活かしきれていない。
そして宝条のセフィロスコピー計画によって埋め込まれた、純粋ジェノバ細胞の力。
現在は重度の魔晄中毒により意識混濁、昏睡状態に陥っている。
【人物背景】
神羅カンパニーに所属していた一般兵。
ソルジャーに憧れ田舎なら上京したが、ソルジャーになれなかった。
参戦時期はクライシスコア終了直後、ティファと再会する前。
つまり魔晄中毒により動くこともままならない状態である。
【方針】
ジークリンデはマスターを救うために行動する。
重度の魔晄中毒症状を回復させる力を持つ人を探し、不可能であればサーヴァントとして聖杯戦争の勝利を目指す。
たとえ誰が相手でも、手加減は、できない。彼女の宝具はそういうものだからだ。
【備考】
考案の経緯
ジークリンデちゃんを使ってみたいな……>けどこの子マスターとしては若干規格外、サーヴァントとしては若干物足りない微妙なラインにいるな
せや、『黒のエレミア』の疑似サーヴァントにして歴代エレミアの集大成ってことにしよう!
宝具『エレミアの神髄』は戦闘となればほぼ確実に発動する。
神髄状態の彼女は全ステータスがA、無窮の武練スキルがA+という破格の性能を誇るが、眼前の敵を屠るのみの殺戮マシーンと化す。
殺戮マシーンのため無論みんな大好きミッドチルダの非殺傷設定なんてオフだしそもそも殲撃は非殺傷設定とかクラッシュエミュレートとか関係なく敵を消滅させる。
これは依代であるジークリンデにとってはトラウマそのものなのだが、記憶継承者:Aによって本来彼女が持ち得ないはずの戦乱の記憶があるので彼女は挫けない。
守るべきマスターのため、挫けることができない。
聖杯戦争という戦場においては最適だが、ジークリンデという少女にとっては呪いともいうべきもの。
しかし祖先の記憶を蔑ろにすることもできず、彼女は苦しみながらも戦いの中答えを探すだろう。
そこに何の罪もない、物言わぬマスターが居るのなら尚更。
クラウドの入院する病院の場所、クラウドの魔晄中毒を治療する方法については、後続の書き手さんにお任せします。
最終更新:2022年08月16日 17:01