株式会社フェスティバル。
都心に本社ビルを構える、それなりに大きなイベント運営会社である。
その社長室で、アフロじみたボサボサ髪の小柄な男が椅子にふんぞり返っている。
彼の名は、ブエナ・フェスタ。
この地に招かれた、聖杯戦争の参加者の一人である。

「ここの生活も、悪くはねえ」

コーヒーをすすりながら、フェスタは独りごちる。

「俺がいた世界より飯は美味いし、便利な機械もこれでもかってくらい普及してる。
 仕事もまあ、それなりには楽しい。
 だが……それだけだ。俺には物足りねえ」

フェスタはかつて、数々の「祭り」を催してきた。
その結果、彼は「暴力」こそが人々をもっとも熱狂させるという結論に至る。
より大きな熱狂を求め続け、フェスタは「戦争屋」と呼ばれるようになった。
だが彼が巻き起こした熱狂も、ゴール・D・ロジャーによって引き起こされた「大海賊時代」という熱の前ではチリ同然だった。
失意にさいなまれたままフェスタは時を過ごし、年老いた。
しかし燃え尽きた彼の前に、一人の男が現れた。
ダグラス・バレット。かつてのロジャーの部下であり、フェスタ同様ロジャーという壁を越えられなかった男。
彼と組めば、大海賊時代を超える熱狂を巻き起こせるかもしれない。
フェスタはバレットに賭けた。そして、賭けに負けた。
再び絶望に突き落とされたフェスタだったが、運命は彼を聖杯戦争の参加者に選んだ。
そして、新たな相棒と引き合わせた。

「物足りないというなら……今すぐ戦いを始めようじゃないか、マスターくん!
 僕はずっと、戦いたくてうずうずしているよ!」

社長室に響くもう一つの声。フェスタのサーヴァント・バーサーカーのものだ。
バーサーカーは来客用のソファーに腰掛け、優雅に紅茶を飲んでいる。
その出で立ちは、まさに西洋貴族そのもの。
とてもその出自が、古代中国だとは思えない。
まあ、そもそもまったく異なる歴史の世界から呼び出されたフェスタにとっては、どうでもいい話であるが。

「俺だって始めたいさ、バーサーカー!
 だが祭りってのは、人手がいる。
 俺たちだけが乗り気になったところで、始まらねえのさ!」
「なるほど、他の参加者も乗り気になってくれないと、どうしようもないってことだね」
「そうよ! そして、俺の読みじゃあその時はそう遠くねえ!
 そのタイミングが来たら、その時は……。
 思いきり戦って、思いっきり壊して……思いっきり殺そうぜ!」
「ああ、楽しみだ! 楽しみだよ、マスターくん!」

やる気満々のバーサーカーを見ながら、フェスタはほくそ笑む。
この男は、バレット以上の「怪物」だ。
海賊王の遺産を失ってしまったのは痛いが、この強さがあれば世界を変える方法はいくらでもある。
聖杯を手にしたあかつきには、彼を自分の世界に連れて行く。
そして今度こそ、ロジャーの作り出した大海賊時代をひっくり返すのだ。

「やってやるぜ、俺は……」

絞り出すように、フェスタは呟いた。



フェスタは気づいていない。
ダグラス・バレットは、怪物と呼ばれるにふさわしい力を持っていたが、それでも人間だった。
だがバーサーカーは、生物学的な意味でも「怪物」だ。
人間の枠にはまらないバーサーカーの思考は、フェスタ程度の男では制御することなどできない。
おのれの進む道があまりに危険なことを知らぬまま、フェスタは野心を燃やし続ける。


【クラス】バーサーカー
【真名】趙公明
【出典】封神演義(藤崎竜版)
【性別】男
【属性】混沌・悪

【パラメーター】筋力:B 耐久:A 敏捷:C 魔力:A 幸運:D 宝具:EX

【クラススキル】
狂化:D
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。
彼の場合、元から狂気じみた思考であるせいかあまり影響が見られない。

【保有スキル】
妖怪仙人:A
動植物が修行を積んだことにより、仙人になった存在。
バーサーカーの場合、元の姿は植物である。
本来の姿に戻ることによりステータスを大幅に上昇させることもできるが、その場合マスターの魔力消費も跳ね上がる。

目立ちたがり:A
スキルに昇華されるほどの、強烈なナルシズム。
良くも悪くも、他者の注目を集める。
神秘の秘匿? 知らん。
戦闘においては、敵のヘイトを自分に集中させる効果もある。


【宝具】
『金蛟剪』
ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1-100 最大捕捉:100人
かつて異星人によって地球に持ち込まれた超兵器「スーパー宝貝」の一つ。
ハサミのような形状だが接近戦用の武器ではなく、使用者の生命力を龍の形にして飛ばすという形で攻撃する。
破壊力は絶大だがその分消費魔力もすさまじく、下手をすれば1回使っただけでマスターが死ぬ。

【weapon】
「縛竜索」
乗馬用の鞭とサーベルを掛け合わせたような形状の宝貝。
振るうことで衝撃波を飛ばして攻撃する。
バーサーカーにとっては金蛟剪の前座的なポジションにすぎない武装だが、その威力は決して侮れるものではない。

【人物背景】
金鰲島に所属する妖怪仙人。
かつては妲己、聞仲と並び「金鰲三強」と称された実力者だが、独断専行への懲罰として地位を剥奪されている。
その性格は、簡潔に言うなら「愉快犯のバトルマニア」。
野望も信念もなく、ただ強い敵と戦うことだけを望む。
戦うため、相手を本気にするためならどんな卑劣な手段もいとわない、迷惑極まりない存在である。

【サーヴァントとしての願い】
ただ戦えればそれでいい。

【マスター】ブエナ・フェスタ
【出典】ONE PIECE STAMPEDE
【性別】男

【マスターとしての願い】
バーサーカーを受肉させ、自分の世界に連れ帰る。

【weapon】
拳銃

【能力・技能】
高い計画性

【人物背景】
フェスティバル海賊団船長。
海賊社会で様々な祭りを催し、「祭り屋」として名を馳せた男。
やがて彼はさらなる熱狂を求め、「戦争屋」となる。
しかし一つの時代を生み出したロジャーに敗北を感じ、隠居。
以後20年間表舞台から姿を消していたが、ダグラス・バレットからとある計画を持ち込まれそれに協力することを決意する。
参戦時期は、サボに取り押さえられた直後。

【ロール】
イベント運営会社の社長

【方針】
聖杯狙い

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最終更新:2022年08月18日 21:02