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     テレビで見かける知識人気取りは毒を吐いて人気を取り、サブカル気取って陰謀論と終末思想ばかりだ

     周りを見渡す度に俺は血の涙を流す、俺が奴らをぶちのめして這い蹲らせたらこいつらは何を思うのだろうか

     この際だから言ってやる、俺は酷い地獄を歩いて来た。誰もついてこれない場所を独りでこれからも歩き続けてやると

     愚にも付かない事を喋る奴らを見ているとうんざりする。奴らの言っている事を理解出来た事は一度もない

     奴らの言う事成す事は何一つとして理解は出来ないが――多分全部ぶっ壊してやれば良いんだろう?

     この際だから言ってやる、俺は酷い地獄を歩いて来た。千年もの間、この怒りを飲み干し続けて来た

                                               ――サライヴァ、I Walk Alone








◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 畜生、畜生、畜生、畜生!!
都内は某所の路地を、必死になって走る女性の頭の中に、そのたった一つの言葉がリフレーンし続ける。
誰も姿もない、静かな路地だった。だがそれにしても、静か過ぎる。人の足音、車の駆動音、自転車の走る音。まるで音が、其処に存在しないのである。
過疎集落の畦道とは訳が違う。個々は世界有数のメガロポリス、天下の東京なのである。
如何に今の時間が深夜のそれであったとしても、人の目が届かない所自体が、絶無に近い程の大都市であるのに、女性が走るそのルート上には、人っ子一人の気配がないのである。
なくて、当たり前だった。彼らは今回の作戦に備え、入念な下準備をし、その準備の結果として、今の無人の状態がある。彼らは、大規模な人払いの術を展開していた。

 彼ら、とは言ったが、そのメンバーは今や彼女一人である。単純な話だ。彼女を除いて、全員が、恐るべき速度で殺され尽くしたからである。
手練の魔術師数人、ステータスの上で言えば平均値より上のサーヴァント数体。それが、ある男を迎え撃つ為に組まれたメンバーであった。
迎え撃つ、と言っても、その人物一人だけを狙い撃つ為に組まれた同盟ではない。彼らは各々、腹に一物隠した、油断のならない魔術師達であった。
それぞれが、何かに長じていて、しかもそれを駆使して敵に回られれば、苦戦は必至。いや、苦戦で済めば良い方で、共倒れにしかならない。そんな、曲者達なのだ。そんなメンバーが、4人。一時に、バッタリと出会ってしまったのが数日前の事であった。

 その時、大規模な戦いが勃発……と言う事には至らなかった。
幸運だったのは、彼ら全員が聖杯の獲得に意欲的な面々でありながら、高いリスクマネジメント能力を持っていた事である。
この場で戦う事は簡単だ。だが、その帰趨としての勝敗の行方と、この時負った傷で聖杯まで至れるのか、と言う点については彼らですら解らない。
だからこの場で、彼らは手を組む事にした。いやいや、今この場で我々のような熟達の徒が戦う事もなかろう。そうだ、これも何かの縁。手を結んで、聖杯戦争を乗り越えましょう。
そんな具合に、同盟が結ばれた訳であるが、勿論、こんなものは建前も建前。確かに、結託して聖杯戦争を楽に進めようと言う意思は本当の所であった。
だが本音は、戦いが進むにつれて自分以外の主従が疲弊して、傷ついて、最終的に同盟相手どうしで戦う事態になった時、自分の勝率が上がって欲しいと。そんな所なのである。
そんな事は同盟を結ぶ事を決めたマスター達は元より、彼らがそれぞれ従えるサーヴァントですら理解していた。
何れ彼らは、何処かのタイミング何処かの場所で、鎬を削り合い、骨肉の死闘を繰り広げる関係に変貌してしまう事だろう。
解っていても、同盟を結ぶメリットの方が勝った。一人一人が熟達の魔術師でかつ、従えるサーヴァントも、その来歴に偽りなし、とくれば、この強固な同盟を崩す事は先ず叶わないだろう。
そうして彼らは、多少のリスクを受け入れてでも、聖杯戦争を無傷でやり過ごせると言う計り知れないメリットを、取ったのである。

 ――その堅固な同盟は、結束から2日で完膚なきまでに崩壊した。
全ての発端は、腹に一物を隠した状態のまま、今後の展望を4人が話し合っていた時に、その中の1人が従えるアーチャーが、
明白な意思を以てこの場にやって来るサーヴァントとマスターの存在を、認識した事を告げた事に由来する。
確認したところ、やって来たのは、たったの一組である事を確認した時、4人の意思は、一つの意見の下に一致を見た。

 ――丁度良い、準備運動がてらに、蛮勇を誇るらしいその参加者に我らの力を誇示して見せますかな――

 そうして、4人の内、結界術の達者が即座に人払いを展開。
彼の使う人払いの術は、結界の枠を超え、一つの異界としてカウントされる程の完成度を誇り、ここ、と設定した範囲内を予め設定。
そうした後に術を発動すると、その基底となる現実とは異なる位相に、現実世界での情景と全く同じ風景の異空間を創造するのである。
家一軒、階段の段一段、窓ガラス一枠、全て寸分の狂いはなく、経年劣化による微細な傷すら完全に完コピするのである。
現実世界との違いを上げるとするならば、人が、その空間の中にはいない事。今この世界には、人の気配がないのは至極単純な理由で、本当に結界内には人が存在しないのである。
骨身に染みた、神秘を人に露出させてはならない、と言うその思想。戦う時は、誰も見ていない場所で戦う、と言う習性が筋繊維の1本、魂の内奥にまで刷り込まれているのだ。
この場所でなら、互いに本気も出せる。そう思い、4人は此方に向かってくる一組の主従に、一斉に向かって行ったのである。クラスは、セイバー。最優秀のクラスを引き当てて舞い上がっているであろう初心者に、格の違いと力の差を、死を以て教えてやろうと。そんな腹であった訳だ。

 ――対等に渡り合えていた時間は、最初の5秒だけだった。
音に限りなく近い速度で突貫して来たランサーは、セイバーが握っていた黄金色の剣身が美しいサーベル。
その一振りで、根野菜のように宝具ごと割断され即死した。その一振りの余波で、セイバーの周辺の家屋が纏めて七軒、切断されて崩れ落ちた。
三百m程セイバーから離れた所で矢を番えていたアーチャーが放った、光を纏った矢の雨霰。
セイバーがそれを睨んだ瞬間、弾数にして数百を超えるその弾幕は一つと残らず焼け落ち消え失せてしまっていた。如何なる力学、力場の類が作用したのかは誰も解らない。
確かなのは、セイバーの視界に収められていたそのアーチャーと、その隣で構えていたマスターが、燃える棒のような有様となって炎上していて、二秒立つ頃には灰の堆積になっていた事だけである。
翼の生えた白馬に跨り、背後から時速989㎞で空中から突貫して来たライダーは、空を裂いて現れた一筋の光条に貫かれ、着こんでいた全身鎧と白馬ごと、原子レベルに分解されて消え失せた。
同じような光の条糸を、セイバーは開いた掌から照射。余りにも一方的なワンサイドゲームを認識し、恐れ戦いていた同盟側のセイバーと、
余りの事態に現状を正しく認識していなかったそのマスターは、その光に貫かれ、苦悶一つ上げる事無く蒸発してしまった。

 これ以上、瞬殺、と言う言葉を使うに相応しい展開があろうか。
勝負にすら最早なっていない。ただの、虐殺。人間が、アリの巣を蹴散らし、踏み潰すのと何ら変わりはない。
これと同じ感覚で、神話や御伽噺、叙事詩の中で燦然と活躍した英雄の類を、セイバーは鎧袖一触して見せたのだ。
事態を認識し、自らが従えていたライダーが殺されたのを事実として受け入れたその時、彼女は一目散にその場から逃げ出した。

 ――そして話は、冒頭に移る。

 女は今、恥も外聞もなく必死にこの場から逃げおおせようとした。
ハイヒールのヒール部分を圧し折って多少走りやすくし、化粧が崩れ、流れる汗と涙でアイシャドーが溶けて流れて無惨な様子になっている事すら気付かず、走り続ける。
その必死さを形容する言葉は、無様、の一言で足りる。余裕綽々に屠り去れると思っていた相手に、逆に皆殺しにされ、しかも相手には傷一つ負わせられておらず。
これでは、2日前に話し合っていた、「これぞ無敵の同盟」、「何が来ても敵なしですな」、等と言った会話が、滑稽なだけではないか。張りぼてよりも、なお酷い。

 畜生と、罵りたくもなる。
時計塔を主席で卒業し、実家に戻ってからは魔術の面でも、魔術の研究の為に必要な表世界での経済活動の面でも、辣腕を振るい、天才と持て囃され、その称号を欲しいままにしていた自分が。
このまま、死ぬと言うのか? ふざけるな、断じて許されない。自分には夢がある、成すべき事がまだ残っている。

 まだ、生きて――――――――――――――――




 刹那、女の身体は走っている最中のポーズをそのままに停止、横に倒れだし、地面に身体がぶつかった瞬間粉々に身体が砕け散ったのだった。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ふむ」

 値踏みするような目で、その男は、その手に握った得物を見ていた。この武器を創造した男は、それを杖だと説明した。
だが、その外観を見て、これが杖であると判断する者は、恐らくいなかろう。驚く程厳めしく、鋭角的で、杖と言うよりは、戦国武将や猛将が握っているような、
十文字槍の一種であると説明された方が、まだ多くの者は納得するであろう。勢いよく振るえば、打擲の痛みよりも、肉が裂かれる痛みの方が強い事であろう。

 だがきっと、殆ど全ての者は、これを見て杖ではなかろうと判断するのと同じように。彼が握るそれが、桁外れて禍々しく、不吉で、凶悪な物だと認識する事であろう。
それは、杖のフォルムが、見る者の恐ろしさを喚起させるからだとか言うだけではない。
もっと、太極的な所だ。万物の根源が水であるとは古代ギリシャの哲学者であるタレスが説いたところであるが、では人間の根源とは、何か。
脳か、精神か。それとも動物としての本能か。スピリチュアル的な言葉になろうが、魂、というのも間違いではなかろう。
そう言ったモノ、全てに訴えかけてくる威力が、その杖には在った。振るわれれば、死ぬ。それを事実として、否応なしに受け止めさせてくる、圧倒的な何か。それをこの杖は、確かに宿していた。

 そして、その宿されている神威を、杖は、発揮していた。
『絶対否定の杖』と名付けられたその杖はまさしく、この場から脱兎の如くに逃走を図ろうとしていた女魔術師の人生を、死と言う形で以て否定して見せた。
杖から放たれた絶対零度の冷気は一瞬で彼女の身体を包み込み、身体の深奥まで完全に凍結させてしまったのである。走っている最中に突如として止まり、倒れて地面とぶつかった瞬間砕け散った。先程、彼女の身に起こった現象の正体は、そう言う事なのであった。

「素晴らしい。想像以上だ」

 杖を手にする男は、奇妙な出で立ちをしていた。
人目を引く風貌だった。悪い意味ではない。顔立ちは驚く程端正で、整っている。
磨かれた鋼を思わせるような銀色の髪に、ルビーのように真っ赤な双眸。その姿を見て、彼が日本人であると考える人間は一人もいるまい。
骨格までもが、日本人のそれとは思えない。西欧とか、この辺りの民族の骨格に近い。どちらにしても、美男子である。
海の向こうでも美形として通じる程の、優れた顔つきをしていながらしかし。その服装は、かなりエキセントリックだった。
何処で売っているのかなど想像も出来ない、デジタル数字がプリントされた半纏を羽織り、しかも修験道の行者が履いているような高下駄をしていて。
ではそれで、服装が法衣であるかと言うとそうではなく、一般的な洋物のシャツとズボンだ。チグハグにも、程があった。
要素だけを文字で表記すれば調和などある筈もなく、一つの皿の上に和洋中の料理を辛い物や甘いものの隔てなく滅茶苦茶に盛り合わせたような。そんなカオスさが服装から滲み出ていた。

「俺に働かせるだけ働かせておいて、貴様は逃げたネズミを漁るだけか。怠惰な屑め、ベリアルの奴の方が幾らか働く」

 半纏を着流す男に対し、剣呑な目線を送りながら、サーヴァントを瞬く間に鏖殺して見せたセイバーは言い放った。

 ――魔王。その男を一言で言い表すのに、これ以上と相応しい言葉はない。そうと確信させる程の、鬼気を男は放っていた。
その男は、山に例えられるような魁偉の持ち主な訳でもなければ、血を浴びた様に赤い皮膚を持っている訳でもなく、況してその頭に山羊の角でも生やしている訳でもなかった。
険の強そうなその顔立ちは誰がどう見ても絶世の美貌としか言いようのないそれで、高い鼻も切れ長の瞳も、女の胸の最奥を熱い恋の熱で焦がす魔力を宿していた。
露出された上半身の、何と均整と調和の取れた肉体美である事よ。古代ギリシャの彫像家は、アポロンのモデルにこの男を選ぶ事であろう。
その姿はまさに、神話や伝説が語り継ぐ所の、美の精髄を極むる男神そのものであるのに、何が、男が善性の存在であると言う理解を拒ませるのか。
見るが良い、その男の背中から展開される、6対12枚の漆黒の翼を。見るが良い、男周囲を取り囲む、見る者の魂ごと無明の淵へと引きずり込まんがばかりの、禍々しい漆黒のエネルギーを!!
これこそが、男が竪琴と平和を愛する男神でもなければ、神の意思を汲む輝ける大天使でない事の、何よりの証左。

 その真名をこそ、『ルシファー』とする、何よりの証拠ではあるまいか!!

「サボタージュを決め込んでいた訳ではない。仕事はしたつもりだ」

 言って、半纏の男は懐から何かを取り出し、地面に放った。
ゴトリ、と言う音を立てて、アスファルトの上に成人男性の物と思われる、開かれた右手が2つ転がった。どちらも、冷凍庫に入れたミカンかバナナのように、凍結しきっていた。

「今は消えているが、令呪の刻まれていた方の手だ。仕事をしていなかったと言う事の反論にはなろう?」

「賢しらな人間だ」

「光栄な評価だ。天賦でもなお足りぬ聡明さを持つお前に、賢しいなどと言われるとは」

 声の調子は冗談めかしているが、半ば、ルシファーのマスターは本心から今の言葉を口にしていた。
この半纏の男もまた、人類史上最高のレベルで近しい天才であるが、ルシファーの方は、頭一つ二つ、どころか、同じ次元で比較する事自体が、既に間違いな程『達して』いた。
天才? まだ足りない? 天賦? まだまだだ。ルシファーは、生まれながらにして神域の知識の持ち主だった。単純な知識量に於いても、その応用についても。そんな人物から、賢しいと言う評価を引きずりだすのは、骨が折れるどころの話ではない。通常であれば、不可能な話なのである。

「どうだ? 聖杯戦争とやら、貴様は如何見る」

「解を出す前に、俺の質問に答えろ。今俺が殺した奴らは、強い方だったのか?」

「そうだな。上澄み、と言う認識で問題はない」

 ルシファーが殺した4騎のサーヴァント。
セイバー・アーチャー・ランサー・ライダーの面々は、真名も宝具も知れぬままに瞬殺したが、ステータスと言う観点だけで言うならば、間違いなく、
アッパークラスの面々であった。傍目から見れば、弱く見えるだけなのだ。ルシファーが、強すぎる。その事実の故に引き起こされた、錯覚なのだ。

「だとするのならば、実に下らんな」

 だが、弱く見えただけで実際は強いんだ、だとか、速く殺されたのだが運が悪かっただけだとか。
そんな慰めやフォローなど、敗北の前には滓程の意味もない。現に、四体のサーヴァントは、花を手折るよりも容易に殺されたし、マスターの面々も、
一矢報いる事もなく全員無惨に殺された。ああ、確かに彼らは強かったのかも知れない。だが、例えそうだったとしても、ルシファーが彼ら4騎が集まったのよりも、遥か格上だった。この事実は、決して揺るがないのだ。

「ベルゼバブや特異点の小僧、預言者共が集まるのならいざ知らず……。この程度の、認識するのも億劫な小物共を倒して手に入れられる聖杯とやらに、とても世界を破壊するだけの力があるとは思えん。担がされた気分だ」

「お前が葬った奴が弱すぎるのではない、お前が強すぎるだけだ」

 世辞でも何でもなく、男が口にした言葉は事実であった。
ルシファーが、聖杯戦争を勝ち残った末に得られるトロフィーであるところの、聖杯と言う物質に疑問符を浮かばせるのも無理からぬ事。
彼からすれば、先程消し滅ぼした4体のサーヴァントは、宝具がどうだ、ステータスがどうだ、と言われても、知らんとしか言いようがない程、強さの差がない。雑魚と言う事だ。
ルシファーの認知の遥か外の異世界の英雄が集まると言うからには、黒衣を纏った鋼の翼の男に、狡知を司る鬱陶しい蠅のような天司。
そして、ルシファーですら油断を許さぬ奇跡を引き起こす特異点。そして――傲岸不遜を絵に描いたようなこのルシファーが、唯一、対等と認めるただ一人の天司長。
そう言った存在がやって来る事を、心のどこかでは期待していたのだ。実際は、どうだ? 強い、上澄みだ、と言われても、何処がだと問い返したくなるような雑魚だった。
興が醒める。前途も暗い。物見遊山でこんな催しに招かれたのではない。既存の世界と宇宙を破壊するに足る、強大な力。これを求めて、ルシファーはこの地を踏んでいるのであるから。

 屠った4体のサーヴァントの下に、そもそもやってきた理由は単純明快。サーヴァントとしての己の試運転であった。
サーヴァントとなった存在は、信仰や逸話などの補正によって生前よりも強力になる者と、その反対に、誇張された風評被害の影響或いはサーヴァント時の制限と言う理由で、
弱体化を被る者の二種類に分けられると言う。ルシファーの場合は後者の弱くなる方であり、それが、どの程度の物なのか彼は知りたかった。
だから彼と半纏の男は、丁度近くでサーヴァントの気配を感じ取った為、其処に足を運び――そうして、現在に至る。

 弱体化は間違いない。ルシファーの知る、星晶獣ルシフェルのフルスペック。それが、著しく制限されている。
されていてなお、この強さ。依然としてルシフェルは、最強のスペックを誇る存在として、この聖杯戦争の地でも燦然と輝いているのであった。この程度のサーヴァント、何するものぞ。

「人間。その聖杯とやら、確かな代物なのだろうな」

「サーヴァントとして召喚されているのなら、知識としてその確実性は理解しているだろう?」

「それが、実に不愉快だ。俺は、俺がその目で確かに見て、思考し、結論を下した物しか信じない。俺の脳に、そうであると勝手に決めつけた知識を刻み込んだ、その行為そのものが不快極まりない」

「ククク、思っていたよりも偏屈らしいな。まるで学者だよ」

「人間。その聖杯とやらは、願いを叶えると言う事実に疑いはないのだろうな?」

「俺自身も、聖杯に願いを叶える力があると言うのは初耳だよ。聖杯伝説の元となった事物である所の、ダグザの窯については、成程そう言う効果はあったらしいがな。何れにせよ、俺自身も願いを叶える機能については懐疑的だよ」

 「――だが」

「神を殺すだけの力については、期待しても良いかも知れんな」

「……ほう」

 ルシファーの、憂いを秘めたその眼に、興味の色が灯った。

「貴様の願った神殺し。それは、無軌道で自堕落、自分の境遇の悪しきを世界に転嫁する、破滅主義者の塵共のような願いとは違う。本心から、正当な理由を以て、希っている」

 目を細め、ルシファーは、試すような瞳で、問うた。

「神の破壊とは、世界の破壊と等号で結ばれる。それは、俺の願いであり、レゾンデートルでもある。俺と同じ地平を目指そうとした、その理由を聞かせて見ろ」

「意にそぐわなかったら?」

「貴様を殺す。ただでさえ、奴隷の名を与えられて不愉快なのだ。その上に、つまらぬ者に星晶獣のように使役されるなど我慢が出来ん。聖杯などなかろうが、俺には世界を破壊するプランなど幾らでも思い浮かぶ。俺の消滅と退場は、俺の野望の頓挫とイコールではない。数あるプランの一つが、消えるだけに過ぎない」

 成程、難物だ。半纏の男は不敵な笑みを浮かべる。
ルシファー、神に反旗を翻した至高の熾天使であり、今は地に在りて地獄の王者、魔界の帝王と同じ名を冠し、底知れぬ邪悪さを秘めたこの男が、元より簡単で与しやすい筈がない。
常人であれば、ルシファーの恐るべき邪気に触れ、話す事も出来なかろうが、男は、違う。知って居るからだ。この男と自分が、同じ願いを持った、夢を共有しあえる存在である事を。

「試される事が、俺は嫌いだ」

 滔々と、男は語り始めた。

「仲の良い弟がいてな。奴は羊の放牧が得意な羊飼いで、俺は畑を耕し小麦の収穫に勤しむただの農家だった」

 昔日に思いを馳せるような、遠い目をしながら、半纏の男は言葉を一旦切り、ルシファーを真正面から見据えた。

「つまらないと思うだろう」

「全くだ。面白みに欠ける」

「俺もそう思うよ。だが、それでも俺はその日々が続けば良いと思った。思い思いの女を娶り、それぞれの人生を歩み、年を取る。そんな人生で、俺は満足だった」

 半纏の男の瞳が、鋭くなる。殺意が、眼球の奥底で噴き上がった。

「……ある日神は俺達を試した。忠誠心と信仰を、唐突に試したくなったとでも言う風に。神は俺達兄弟に、供物として血を求めた。弟は飼っていた羊の一匹でも捧げれば良かったが、俺にはそれは出来なかった。それで、弟が神に選ばれ、天使にでもなって終わっていれば、良かった」

 「だが――」

「神は俺にも血を求めた、俺の血じゃない、誰かの血を。耕す者でしかなかった俺に、神の求める物など捧げられる筈などなかった。だから俺は、弟を殺した。人の世に於ける、最初の殺人者としての名を負うた!!」

「……それはまるで、アベルとカインの話だな」

「そうだ。俺は、遥か太古に生きていた者。系譜をどれだけ遡っても遡れ得ぬ、カインの罪と記憶を継承している。『直哉(ナオヤ)』としての個体名に社会的地位、そして精神など、欠片の意味もない。悔い改めろ、罪を悟れ。神は、転生した俺にそう言い聞かせるように、この世から既に消えた男の記憶を、俺の魂に転写している!!」

 憎いと思う理由など、幾らでも思い浮かぶ。
俺ではなく弟を選んだから? それもある。弟に対し嫉妬している? 間違いではないのかも知れない。
だがそれよりも、ナオヤの逆鱗に触れる事は――。

「俺は、弟を殺すように仕向けた神が、何よりも憎い。勝手に此方を試し、俺達が右往左往する様子を高みからほくそ笑んで見下しておいて、選んだ選択が気に食わぬと跳ね除ける。ふざけるな」

 弟を殺すように仕向けておきながら、お前は神の試練に膝を折った、悔悟せよ、許しを乞え。そうと告げる、天使が憎い。神が憎い。
戯言を言うな、人に望まぬ選択を強いておいて、それしか選べぬように誘導しておきながら。お前達は、それをほざくのか。
俺はアベルを殺したぞ。その時の感触は今も覚えている。ならば、殺されたアイツを己が御下にでも送っておけば良かっただろう。俺を地獄に堕として、離れ離れにしておけば良かっただろう。
それすらしないとは、如何なる了見だ。人類最初の人殺し、地獄に堕ちるに相応しかろう。そうしないのは、お前の慈悲と慈愛だとでも言うのか、下らぬオナニーだ。

「神がこの世に存在する限り、俺には、自由がない事を知った」

 解き放たれたいのなら、罪を自覚せよと。神は言っている。
笑止、である。許可のいる自由など自由ではない。リードに繋がれた犬は、自由ではないのだ。
首輪から解き放たれ、好きに野を馳せ思い思いの作物を耕せる。それこそが、自由。ナオヤが目指すべき目標なのだ。

「気まぐれに人を試し、気まぐれに破滅させ、その癖、不完全な世界しか創造出来ない。討ち滅ぼした方が、マシだろう」

「その過程で多くの人が死ぬが?」

「笑わせるなよ、セイバー。俺の知るルシファーと言う魔王はな、人の死になど心を痛めん。貴様も、そうなのだろう?」

 不敵な笑みを浮かべるナオヤ。今度は、彼が、試す番だった。

「貴様を初めて召喚した時から、確信したよ。お前も、『神を殺したいのだろう』」

「……」

 そうだ。ルシファー……神に反旗を翻した大天使の名前を冠しておいて。そして、これだけの邪悪のカリスマを放っておきながら。
平和主義者であり、神を敬愛し、世界の維持に努める、などと言うパーソナリティは断じてあり得ないとナオヤは踏んでいた。
ルシファーと言う名前からくるバイアスだとか、偏見だとかと言うものもあろうが、彼は殆ど確信を抱いていた。

 自分との縁で、真っ当なサーヴァントが呼ばれる筈がない。呼ばれるなら、どうしようもなく終わっているサーヴァントが来るものと強く思っていたからだ。
そして、その通りの存在がやって来た。我が身を顧みず、後先がどうなろうが知った事ではない。己の欲求とエゴイズムによって、世界を滅ぼそうとする純然たる悪。
黒き翼を携えた恐るべき魔王が、彼の下へと馳せ参じて来たのだ。

「数千年にも及ぶ転生と放浪の果て……俺は遂に、神を殺せる究極の機会を得た。貴様だよ、ルシファー」

 不遜にも、ルシファーの眉間に指をさしながら、ナオヤが言った。

「この符号に運命以上の意味を俺は見出している。神を屠る事を祈る俺の前に現れたのが、ルシファーなどと……。俺はこれを偶然だとは思わぬ。必然の邂逅であったとすら言える」

 口の端を釣り上げた、獰猛な笑みを浮かべ、ナオヤは言った。爛と、瞳の中で狂気が荒れ狂っていた。

「貴様が何を思って、世界を破滅させるのかはどうでも良い。ルシファー。貴様の頭に組み上げられているプラン、それに俺を組み込め。俺と共に、働け」

「……フッ、ククククク……」

 笑った。話の途中から顔を俯かせていたルシファーが、クツクツと、忍び笑いを上げながら。
ゆっくりと、顔を上げ始めた。剣呑な笑みだった。感情を大きく露わにしている訳ではない。どちらかと言えば、微笑みに近い。
だが、その笑みを向けられたものは、すぐさま悟るだろう。自分は、殺されると。命乞いなど聞き入れない、物で気を許そうとしても受け取らない。慈悲など勿論、ありはしない。
この笑みは気安さだとか赦しだとかから、遥かに遠い。殺す為の笑みだった、邪悪そのものの、笑みだった。

「俺の視座に立てる者など、ルシフェルの奴めしかいないと思っていたが……そこに近しい場所に立とうと言うものが、よりにもよってただの人間だとはな」

 それは、ルシファーにとっての心の底からの、驚きだった。
自分と同じ目線と視座の持ち主など、世界を滅ぼすと言う己が目的を完遂するその時まで、永久に現れぬものだと彼は本気で思っていた。
自らに献身的だったベリアルですら、ルシファーに付き従うのは、彼の目線と視座を併せ持っているからではなく、世界の破滅に注力するルシファーの姿に陶酔しているからだと、ルシファーは思っていた。

 してみると、このナオヤと言う男は、正真正銘、ルシファーが産まれてから初めて出会う、意気投合した人物だった。
媚を売って、ルシファーの意見に賛同しているのではない。今のこの、不出来で、神にとって都合の良い、失敗作の世界が心底気に入らないから。
神なき後の地平で、自由に生きて見たいから。そして、神が死んだ大地では、人は自由に生きられるのか。それが、知りたいから。
神域の叡智を我が物とする二人ですら、今だ知り得ぬ、神が去った後の大地での未来。男達は、それを求めていた。己が身を焼く程に、焦がれていた。

「良かろう、貴様は生かしておいてやる。俺の傍に立つ事も許す。そして、その命を俺の終末の礎石に使わせてもやろう。光栄に思え」

「馬鹿言え、知能を誇るなら俺を生かすプランにしろ」

「それは貴様の働き次第だ、小僧」

 そう言えば、このような軽口を叩いたのは、何時以来だろうかと、ルシファーは考える。
今は最早この世にいない、己と唯一対等であったルシフェルとの間ですら、斯様な言葉は交わさなかったと言うのに。遠い所に来たものだと、ルシファーは思った。
そんな様子を、地面に転がっている、ナオヤが殺した女魔術師の眼球が、恐れを込めた瞳で見ているのであった。





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【クラス】

セイバー

【真名】

ルシファー@グランブルーファンタジー

【ステータス】

筋力A 耐久A+ 敏捷A+ 魔力A+ 幸運D 宝具EX

【属性】

混沌・善

【クラススキル】

対魔力:A+
A+以下の魔術は全てキャンセル。事実上、魔術ではセイバーに傷をつけられない。
これはセイバー自身が星の民と言う出自である事もそうだが、彼の肉体が、セイバーが嘗て想像した至高にして究極の天司長。
進化を司る星晶獣、ルシフェルの肉体である事の方が大きい。

【保有スキル】

破滅主義者:EX
今の世界の在り方を、宇宙の存在を認めぬ者。過ちに満ち、計算が狂い続け、存在自体を許容できない、不出来な世界。
セイバーにとっては世界がそう見えている。極めて強い精神耐性を保証するスキルで、事実上セイバーには、精神攻撃の類は一切通用しない。
またこのランクにもなると、精神の在り方が完全に極まった状態になっており、己の至上の目的である世界の崩壊に全ての意思を注力する事も可能となっている。極限域の、鋼鉄の意思スキルをも、兼ねている状態である。

星晶獣:EX
数千年の昔、彼方よりやって来た星の民と呼ばれる種族によって創造された、星の民に対しての奉仕種族。星晶獣であるかどうか。基本、作成時期が初期に遡れば遡る程高位の星晶獣である。
セイバーのランクEXとは特異性と唯一性、絶対性の全てを兼ね備えた、Aランクよりも上と言う意味でのEXに相当する
厳密にはセイバーは星晶獣と言う生き物ではなく、元が星の民であった人物と、最初の星晶獣にして全ての天司達の長、天司長ルシフェルの肉体が融合した姿なのである。
通常星晶獣は人智を超えた身体スペックや戦闘能力を発揮するのもそうだが、各々が司る権能のような物を振るう事が可能。
ルシフェルの揮えた力を当然セイバーも行使出来る。対城宝具規模の光線の射出や、次元間渡航や瞬間移動、傷を瞬時に癒す魔術から強化の術。
ルシフェルが元々司っていた権能は『進化』であり、文字通り彼は己の権能に従い、空の民の成長に貢献して来た。
セイバーはこの進化の権能を用いる事で、肉体の軛を越えた完全上位存在に変身する事も出来るが、サーヴァント化に際してこれは使用すると膨大な魔力が発生する奥の手と化している。
成り立ちからして星晶獣ではなく、星晶獣と言う生命体の生みの親である星の民と、最強の星晶獣のキメラであるセイバーは、正しく規格外の星晶獣のスキルランクを誇る。

天賦の叡智:A+
並ぶ者なき天性の叡智を示すスキル。肉体面での負荷(神性など)や英雄が独自に所有するものを除く多くのスキルを、A~Bランクの習熟度で発揮可能。
セイバー即ちルシファーの絶対的な知性と、ルシフェルの肉体が持つ圧倒的なスペックが合わさる事で獲得されたスキル。
星晶獣と言う、権能の擬人・擬獣化の理論を確立させ、それ以外にも多くの理論を開発して来たセイバーは、このスキルを最大ランクで保有する。

終焉の担い手:B+
終わりを運ぶ者、破滅を呼ぶ者、結末を齎す者。その世界観、或いは神話体系に於いて、破壊や滅びや終局を担っているか。或いは、担ったか。
本来であれば神霊の振るう権能に相当するスキルであり、勿論の事、権能相応の力を発揮する事は、サーヴァントにまで零落した身では不可能である。
そのため、一挙手一投足に粛清防御を貫く貫通効果が付与され、相手を破壊する、抹殺すると言う行為の全てに有利な判定を得る程度の効果にこれは留まる。
ランクBは破壊神一歩手前のスキル。一つの世界観に於いて、不可逆の破壊を齎したか、或いは齎し得るだけの力があったか、と言うレベル。
概ね、神ならぬ身が獲得出来る最大のスキルランク。セイバーは厳密には神を殺したのではなく、その神の御使いを殺した事があると言うだけに過ぎず、この点でランクは落ちる。
但し、本人は神を殺すと言う目的に対し非常に強い執念を燃やしており、神性を保有しているサーヴァントの交戦時、全てのステータスに+が一つ追加され、彼らに対する攻撃に特攻がのるようになる。

【宝具】

『友よ、永久を生きよ。死が二人を分かつとも(プロヴィデンス・ルシフェル)』
ランク:EX 種別:対自宝具 レンジ:1 最大補足:1
セイバーの首から下、即ち、セイバーが嘗て創造した星晶獣にして、最高傑作。ルシフェルの肉体そのものが宝具となったもの
セイバーの、首の縫合部から下は己の肉体ではなく、ベリアルと呼ばれる星晶獣の計画によって融合するに至った、天司長ルシフェルの肉体であり、
正真正銘セイバーの肉体と言えるのは、ルシフェルの肉体より上の部分、つまりは、頭部だけと言う形になる。
ランクにしてA+相当の神性スキルを保有した肉体として機能する他、星晶獣スキル欄にて説明したような超常現象を引き起こす事も可能。
また、ルシフェルに備わる真の能力である進化の権能を行使する事で、セイバーは己の肉体を黒い炎に包まれたような人型へとアセンションする事が出来る。
本人はこの姿を、肉体の軛を捨てた更なる次元(HIGH LEVEL)の姿として認識している。この状態のセイバーは全てのステータスに+の補正が2つ追加された状態となり、
対魔力ランクもA++ランクにまで向上する、正真正銘の怪物に近いステータスを誇るようになる。

『黒き羽(ヘレル・ベン・サハル)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
生前セイバーが葬り、吸収した、暁の預言者であるルシオを屠り去り、そのコアを吸収する事で獲得した宝具。
背面から展開された十二枚の漆黒の翼の形態をとり、セイバーの意思によって、Aランク以下の対魔力を貫く状態異常やデバフ効果を付与する力場を展開させたり、
ただでさえ異常なセイバーのステータスを向上させたりも出来る、敵対した相手にとっては恐るべき宝具。勿論直接打擲する事によって物理攻撃に転用する事も可能。

『終末の神器(ダーク・ラプチャー)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
セイバーが創造し、振るう事が出来る武器群。この、終末の神器と呼ばれる武器の数々が宝具となったもの。
形態としては、火の属性を司る大鎌、水の属性を司る杖、風の属性を司る槍、土の属性を司る楽器、光の属性を司る大剣、闇の属性を司る大太刀の姿を取る。
これらの武器を、セイバーの周囲を取り囲む、暗黒物質・ダークネスマテリアルと呼ばれる物質から創造、戦闘に用いると言うのがセイバーの戦闘の基本骨子。
基本的に全ての武器をそつなく使えるが、最も適性があるのが剣であり、この故に、セイバー適性を満たしている。

これら一つ一つがAランク相当の宝具に換算される恐るべき武器であり、使い手の筋力と耐久をワンランクアップさせる効果を持つ。
当然の事、武器としての性能も宝具相当のものであり、一度振るえば、それぞれの属性に対応したあらゆる破壊現象を引き起こす事が可能。
また、それだけではなく、セイバーはダークネスマテリアルからペンデュラムと呼ばれる補助物質を創造する事が出来、これによって攻撃速度の加速や、
終末の神器の破壊力の強化、特定動作後に回復など、武器性能そのものを著しく向上させる事も可能となる。
また、この宝具は1種類につき複数個作ることも出来、余剰分は適当に射出させる事は勿論、任意の相手に貸し出させる事も当然出来る。

【weapon】

【人物背景】

天司達を筆頭とする星晶獣の生みの親にして『研究者』でもある星の民の一人。
何かに執着する、強烈な感情を抱く事がない星の民に在って、過剰なまでに知識に執着した異端児。
空の民の進化を促すことを目的とし、様々な目的を持つ天司たちを制作したが、その研究過程で神々の思惑に気づき、その予定調和を唾棄し、
全てを作り出した創造神の仕組んだホメオスタシスに反逆し超越することを目指すようになる。

【サーヴァントとしての願い】

終末の成就。そして、その後に、真の自由を得る。


【マスター】

ナオヤ@女神異聞録 デビルサバイバー

【マスターとしての願い】

神を殺し、真の自由を得る

【weapon】

【能力・技能】

カインとしての記憶と魂:
ナオヤは、旧約聖書に語られる所の、アベルとカインのカインの魂と記憶、知識を、転生しても引き継ぐ事の出来る人物である。
この転生は恩恵でも何でもなく、神話に於いてアベルを殺した咎を償う為の罰であり、自ら過去の行いを悔い改める為に神が用意した慈悲……で、あると言う。
勿論本人はそんな事を信じているつもりは毛頭なく、悪辣な嫌がらせとしか認識していない。

悪魔召喚プログラム:
COMP。折り畳みが可能な二画面式携帯ガジェットの形をとっており、ナオヤはこの端末に悪魔召喚プログラムと呼ばれるものを落としこんでいる。
本来悪魔召喚とは極めて高度な魔術的知識並びに、複雑な儀式手順、極めつけに本人の才能をも要求する、複雑と煩雑を極めた高等儀式であった。
ナオヤはこれらの面倒な儀式プロセスを、プログラム化させて肩代わりし、後は本人の才能と資質で悪魔を呼び出せると言う所まで簡略化させている。
人類がバベルの塔の逸話以前に用いていた統一言語をプログラムとして使用しており、これにより魔界に存在する悪魔召喚サーバーを通じ、悪魔が召喚可能になると言うのが、
この悪魔召喚プログラムの基本原理。但し、今回の聖杯戦争の舞台はナオヤが認識する魔界とは余りに遠い所であるらしく、悪魔召喚の機能は完全に死んでいる。
但し、統一言語を用いたプログラムによる、本人の才能向上システム、『ハーモナイザー』の機能は健在であり、これによりナオヤの身体能力は飛躍的に高まっており、
下手なサーヴァントとも戦闘が可能どころか圧倒する実力を保有するに至っている。本人にとっては、既に作り方を知っている代物であり、幾らでも量産が可能。勿論、本人にとっては益もクソもないので、作る事はしないが。

魔術:
カインとして転生を続け、記憶と知識を継承する事が出来るナオヤは、その過程で超高度な魔術の知識を保有するに至っている。
勿論直接的な戦闘で用いる事もするが、進化は上述のような、プログラム作成などのクリエイター面で発揮される事が多い。

【人物背景】

傍若無人な性格をした人物で、天才プログラマーとしての地位を欲しいがままにしている男。
その正体は、旧約聖書のカイン……の、魂と記憶と知識を保有する男であり、正しく言えばカインの転生体である。
アベルを殺した罪を自覚し、悔い改めるその日まで、世界の終わるその時まで転生を続ける男だが……?

本編開始前の時間軸から参戦。ロールは、異界東京都の筋で有名なフリーの天才プログラマーである

【方針】

神を殺す。

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最終更新:2022年06月30日 23:11