なんだか真っ黒コーデの男と縁があるな、と、クトリ・ノタ・セニオリスは思った。
急に頭に流れ込んで来た知識に照らし合わせれば、
自分の勉強机(私はこの異界東京では高校生とのことだ。)にふんぞり返るこのツンツン頭に黒いロングコートの男こそ、
自分が突然放り出された魔術儀式、聖杯戦争を共に生き抜くサーヴァントという事になる。
「お前が俺のマスターか?」
「君がサーヴァントなら、きっとそうなるね」
左手に宿った西洋剣を模した令呪を見せると、コートの男は小さく頷いた。
「それで、お前の願いは?」
「願いかあ……正直、誰かを殺したりしたくはないけど、
もしどうしても一個挙げろって言うんなら……私、ここに来るちょっと前に告白されたんだ。
ずっと、好きだった人に」
自分で言ってて面映ゆくて、目をそらしてしまう。あー、やだな。
今絶対顔真赤だ。だってあの時の事が、
一回壊れたはずなのに奇麗に元通りになっている『クトリの記憶』が、
幸せだったよ!と、全霊で叫んでいる。
「それで?」
コートの男が強い口調で続きを促した。
「だから、その返事をしたい。とかかな?」
「そうか。分かった」
「え?」
顔を挙げると、勉強机から立ち上がったコートの男が跪いていた。
そして令呪の付いた腕を取り、その甲に口づけをする。
「契約は交わされた。
これより我が身は貴女の剣にして盾。
貴女の運命は我が身に預かり、我が身は貴女の元に。
必ずや、貴女の願いを成就させましょう」
さっきまでの太々しい態度からとんでもない変わりようだ。
まるで絵本のおとぎ話の騎士様がお姫様に忠誠を誓うようである。
「え、ええ。よろしく。
えっと、無理してそんな硬い喋り肩しなくていいわよ?」
「安心しろ。最初だけだ。だが、さっきの言葉に嘘はない。
お前のサーヴァントとして、その願いは必ずかなえる」
「……一応、理由を聞いても?」
「俺は生前、愛した女の為だけに、何人もの人間の願いを踏みにじった。
唾を吐きかけたことも有ったし、この手で命を含めて全てを奪った事もあった。
けど俺は、止まろうとは思わなかった。
俺自身の願い、どうしても譲れないものの為に戦い続けた。
だから俺は、例えどんなに運命(Fate)が拒もうと、
この世のすべてがお前の願いを否定しようと、俺だけはお前の願いを肯定する」
そう言い切った彼はまぎれもなく、ただ一人。たった一つ。
どうしても譲れない願いの為に戦い続け、その果てについにつかみ取った戦士。
彼の言葉は、否応ない、一切の反論を許さない物だったが、
クトリにとっては、誰よりも優しい言葉だった。
「ありがとう。えっと、君の名前は?」
「クラスの事か?ならばアーチャーだ」
「クラスだけ?真名は?」
「そのうち教えてやる」
そう言うとアーチャーは霊体化して姿を消してしまった。
「無愛想だな……ってまずい!遅刻!」
コートと学生鞄を引っ掴むと、
生まれて初めて学校に向かって全力疾走で走り出した。
【クラス】
アーチャー
【真名】
秋山蓮@仮面ライダー龍騎
【属性】
秩序・悪
【ステータス】
筋力C 敏捷B 耐久B 魔力E 幸運D 宝具EX
【クラススキル】
対魔力D
魔術に対する抵抗力。
現代生まれの蓮には魔術的素養がほぼ無いため、極めて低い。
一工程の魔術なら無効化できる、魔力避けのアミュレット程度のもの。
単独行動C
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
Cランクならマスターを失っても1日は現界可能。
本人の一匹狼気質と合っているのか、
かなりこじつけみたいな理由でアーチャーになってる蓮にしては高いランクで保有している。
【保有スキル】
騎乗A
乗り物を乗りこなすスキル。
仮面ライダーと呼ばれる戦士ならほぼ全員が保有している。
本来なら車、バイクなどの現代の乗り物の中でも一般的な物しか運転できない彼だが、
後述の宝具がある為、逆説的に高ランクで保有している。
心眼(真)B
13人の仮面ライダーたちやミラーモンスターたちとの死闘によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す。
始まりの仮面契約者C
仮面ライダー龍騎の物語において、
一番最初に仮面ライダーとなった彼に贈られた固有スキル。
鏡を媒介に侵入できる異世界における戦闘にて補正がかかる。
戦闘続行B
致命傷を受けてなお、敵を倒さんと立ち上がり、
必殺の一撃まで放って見せた彼の固有スキル。
致命傷を受けようと、目の前の敵を倒すまでは動き続ける。
【宝具】
『目覚めるその日をしんじていて(カードデッキ・ナイト)』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大補足:1人
彼が鏡の世界のライダーバトルにおいて使っていた変身アイテム。
ミラーモンスター、闇の翼ダークウイングとの契約の証でもある。
ミラーワールドと現実世界を行き来するための道具でもある為、
Dランクの対界宝具の側面も持つ。
使用することで魔力、運以外のステータスを上昇させるほか、
武器の召喚、契約したダークウイングに特殊攻撃をさせる、
分身出来るようになるなど、様々な力を発揮できるようになる。
最大の攻撃はファイナルベント、飛翔斬。
ダークウイングと連帯し、黒い矢になって相手を貫く技で、
彼がアーチャークラスに振り分けられる所以である。
『限界解放・黄金右翼(サバイブ疾風)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
『目覚めるその日をしんじていて(カードデッキ・ナイト)』に付属する、
仮面ライダーナイトとダークウイングの真のパワーを解放するためのカード。
ナイトサバイブに覚醒したナイトと、
疾風の翼ダークレイダーに覚醒した彼らは更にステータスを向上させ、
圧倒的な力を発揮する。
最大の攻撃はファイナルベント、疾風斬。
バイクに変形したダークレイダーに騎乗し、黒い矢になって相手を貫く技で、
その発動の過程で、幻想種級の存在を乗りこなしている。
彼が高ランクの騎乗スキルを保有するのはこの為である。
『君に捧ぐ果てなき希望(グッドモーニング・マイ・ディアー)』
ランク:計測不能 種別:対人宝具(?) レンジ:1 最大補足:1人
最後のライダーバトルの勝者となった彼が得た命。
これを用いて寝たきりだった恋人を甦らせたことから、
厳密には命一個と同価値の何かであると推察できる
生前の逸話が逸話故に、自分には使えないが、
【weapon】
通常形態では、召喚器であるダークバイザーによる剣戟、
騎乗槍型のウイングランサーによる近接、
契約モンスターを変形させて装備するマント型の防具ウイングウォールなどを用いた近接戦。
また、ダークウイングと合体することで飛行も可能。
サバイブ状態では、ダークブレードによる剣戟、
そしてダークシールドとダークブレードを合体させて作るボウガン型武器、
ダークアローによる遠距離攻撃が可能。
通常形態と違い、飛行は出来ない。
また、どちらの形態でも、契約モンスターの援護、自立行動する分身の召喚が可能。
【サーヴァントとしての願い】
マスターであるクトリの願いを叶える。
【マスター】
クトリ・ノタ・セニオリス@終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?
【能力・技術】
西洋剣を用いた近接戦。
サーヴァントで言う魔力放出による飛行。
自身の魔力を暴走させることによる自爆。
【weapon】
なし。聖剣セニオリスは与えられた社会的役割に合わないという理由で没収されている。
【人物背景】
諦めていたはずの人生に、ふいに差し込んだ光に希望を見た少女。
それを見せてくれた彼に恋し、彼の幸せを願い、自分もこれで幸せだと散った。
なおも与えられた続きに、彼女は自分の幸せの最後に仕上げを願う。
【マスターとしての願い】
ヴィレムの告白返事をする。
最終更新:2022年07月04日 23:51