喝采と共に幕が下り、公演が終わる。
しかし、主演を務めた彼女の心は別のところにあった。


◆◆◆


『聖杯』―――万物の願いを叶える願望器。


雑誌やネットで見たならば、一笑に付してしまうような馬鹿げた話。

しかし湖月レオナの脳内には、どこで見たわけでもないのに、聖杯についての正しい知識が備わっていたし、それが紛うことなき事実であると認識できていた。
そしてそれこそが、聖杯を巡る戦いの参加権を得た証左であると理解した時、レオナの中で何かがひっくり返った。

全ての願いが叶うならば、愛する人と―――霧生鋭治と過ごした、あの暖かくて幸福な日々を取り戻せる。
それを思えば、彼の命を奪ったあの三人への復讐すら些末事と化した。

「クリスティーヌ」

サーヴァントがレオナを呼ぶ。
引き当てたのはアサシン―――ファントム・オブ・ジ・オペラ。
考え得る限り最もレオナに縁深く、そして最も相性が悪い英霊。

聖杯にかける願いを知られれば、この関係はたちまちのうちに瓦解してしまう。


「我が歌姫よ。
 共に歩もう。 共に歌おう。 私達の幸福のために」

傍らに立ち、手を差し出してくるアサシン。
手袋に包まれたその手を取って応える。

「ええ、エリック」

そして微笑む。
今日が人生で一番幸せな花嫁のように。



貴方は私の『ファントム』ではないけれど。

聖杯で願いを叶えるまでは―――


「―――私はあなたの『クリスティーヌ』になりましょう」



【クラス】アサシン
【真名】ファントム・オブ・ジ・オペラ
【出典】Fate/Grand Order
【性別】男
【属性】混沌・悪

【パラメーター】
筋力:B 耐久:C 敏捷:A 魔力:D 幸運:D 宝具:B

【クラススキル】
気配遮断:A
自身の気配を消すスキル。隠密行動に適している。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。

【保有スキル】
ガルニエの呼び声:B+
「魅惑の美声」が発展したスキル。人を惹き付ける天性の美声。
異性に対して魅了の魔術的効果として働くが、対魔力スキルで回避可能。対魔力を持っていなくても、抵抗する意思を持っていればある程度は軽減できる。
「ガルニエ」とはオペラ座の別名であり、このスキルはその地下から語り掛ける彼の呼び声を指す。

無辜の怪物:D
生前の行いからのイメージによって、後に過去や在り方を捻じ曲げられ能力・姿が変貌してしまった怪物。本人の意思に関係なく、風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を指す。このスキルを外すことは出来ない。
誹謗中傷、あるいは流言飛語からくる、有名人が背負う呪いのようなもの。
小説『オペラ座の怪人』のモデルである彼は作品の影響を受けて素顔と両腕が異形と化している。

精神汚染:A
精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。ただし、同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。

【宝具】
『地獄にこそ響け我が愛の唄(クリスティーヌ・クリスティーヌ)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大補足:200人
かつての犠牲者たちの死骸を組み合わせて作成された、パイプオルガンの如き形状の巨大演奏装置。
異形の発声器官をもつ自身の歌声と併せて奏でることで不可視の魔力放射攻撃を行う。

【weapon】
かぎ爪と化した両腕
美しい歌声

【人物背景】
ファントム・オブ・ジ・オペラ。十九世紀を舞台とした小説『オペラ座の怪人』に登場した怪人の、恐らくはそのモデルとなった人物。
とあるオペラ座地下の広大な地下迷宮に棲まい、オペラ座の寄宿生でコーラス・ガールを務めていたクリスティーヌという女性に恋をしたことから、彼女を姿を隠して指導。同時にオペラ座関係者への脅迫や実力行使により彼女を歌姫へと導くも、恋敵の出現や自身への信頼を揺らがせ始めたクリスティーヌの様子から暴走し始め、遂には殺人にまで手を染めた。
本名はエリック。

【サーヴァントとしての願い】
クリスティーヌの幸福


【マスター】
湖月レオナ@金田一少年の事件簿

【マスターとしての願い】
霧生鋭治を蘇生させ永遠に幸せに暮らす

【能力・技能】
卓越した演技力
連続殺人のトリックを思いつく計画力
連続殺人実行中に発生した数々のアクシデントを乗り越える機転。

【人物背景】
劇団「遊民蜂起」の団員にして舞台女優。20歳。
優れた容姿と高い演技力を兼ね備え、劇団内外にファンが多い。
合宿所の火事に巻き込まれた事から火がトラウマになっている。
この火事で顔にやけどを負いながら自分を救助してくれた霧生鋭治と恋仲となり駆け落ちするも、ある日霧生は行方をくらまし、自身は同じ劇団の三人の役者によって連れ戻されてしまう。
後にレオナは火事の原因がこの三人の役者であること、彼らに自首するよう説得していた霧生が彼らによって殺害されたことを知った。
そして火事を起こした罪を霧生に被せて、ヘラヘラと笑う三人の姿を見たレオナは『ファントムの花嫁』として復讐を決意した。

【方針】
聖杯を獲得する。

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最終更新:2022年07月08日 00:05