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その国土を、父の国と喚ばなかったのには、訳があると思う。
……それは異族結婚(えきぞがみい)によく見る悲劇的な結末が、若い心に強く印象したために、
その母の帰った異族の村を思いやる心から出たもの、と見るのである。
こういった離縁を目に見た多くの人々の経験の積み重ねは、
どうしても行かれぬ国に、値い難い母の名を冠らせるのは、当然である。
───折口信夫『妣が国へ・常世へ』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
眼が見えるというのは、ある種の不具だ。
現実と隣り合わせの幽世を覗くには、同じく幽世の理を得た盲の目が入用となる。
古来、巫女となる者は片方の目を潰し、現世と常世の双方を観えるように、としたという。
その虚が真っすぐに闇を見つめた時、深淵は何を見つめ返すのか。
深き霧の微睡みの果ては、未だ見えない。
◆
───眠りから覚めると、そこは朝霧の海だった。
ふと気が付くと知らない場所に連れられていて、自分は道と道の重なる四辻に立っている。
そこには、知らぬもの、目に見えぬもの、言葉では言い表せないもの、目に輝くもの、捉えられぬもの、たくさんの不思議なものが道を行き交い、まるで電子の情報が飛び交う回路が如しであった。
やがて、荷車にたくさんの蓑や籠を吊るした痩せた男がやってきて、靴を脱ぎここで待てと言う。
どうしてかと尋ねると、
「お前は、これから敷居を跨いで床に上がるのだから」
男はそう答えると、四辻を渡って行ってしまう。
──────…………
目を凝らすと眼球が疼く。
自分の目が瞼になってしまったような異物感。
朝に目覚める前の、朧な繰り夢のようだ。
「■……」
「おいで、■……」
自分を呼ぶ声。
門を開く音。
煙る白い霧。
見えぬ眼で歩を進める。
「……」
景色が切り替わる。
潮騒の耳鳴り。
焼ける砂浜。
しき寄せる波。
感覚の輻輳、ここは二つの世界の最果てだ。
足元には、人になりそこねたモノたちが、どこまでも列を成して打ち上げられている。
肌が粟立ち
息が止まる
体がばらばらに
広がっていく
風が脇腹の間から差し込み
やすりのように心臓をこそぐ
自分はどこにいる
あれは誰だろう
また自分を
呼ぶ声がする
すがる気持ちで
歩
を
進める
「ああ、そうか」
此処は既に幽世だった。
俺は、貴方に呼ばれてここまで来たのだ。
幕が上がる。
下駄の音が床板を掻き鳴らす。
鼓と笛が重なっては響き、木製の旋律が耳に痛い。
舞台の上に光が差し、少女の影が浮かぶ。
『貴方の魂が、本当は諦めていないなら』
祭囃子の律動が反響する。
『我が心と道を同じくし、日常を取り戻さんと願うなら』
静寂の木枯らしが吹き抜ける。
『確りと眼を開き、真実を見るのです。
そして、この国の皇であった私に力を貸してはくれませんか、我がマスター』
屹然と告げられる、強い意志の言葉。
「すまない、今から学校だから帰ってきてからでも良いだろうか」
『あ、はい』
そういうことになった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
なんか家の前に靴が脱ぎ揃えてあったんだが、ありゃなんだ?
という叔父さんの疑問を曖昧に流して、ぎりぎりになった登校時間に合わせるように玄関を出た。
鳴上悠は高校生である。
彼は、色素の薄い灰色がかった髪をまばらに伸ばし、理知を印象付ける眼鏡をかけた、精悍な顔つきの青年であった。
その体は細くはあったが、服の上からも鍛えられているのが見て取れる。それは筋肉の膨らみ以上に、姿勢と重心の安定感がそう思わせるのであろう。
一見して寡黙で武骨な男であったが、しかし醸し出される雰囲気は柔和なそれである。彼と同じく通学する高校生や大学生、あるいは談笑する近所の奥様方とすぐにでも打ち解けてしまえそうな人柄をしている。端的に言って、好青年のそれであった。
重苦しいのではなく、逆に軽薄なのでもなく、エリートに特有のインテリジェンスと肝の据わった極道者にも似た度胸、そして他者を惹きつける人間的な魅力が極めて高いレベルで調和した、そんな青年であった。
悠はそんな自分という人間に関して、驕りはしないが自覚はしていた。
というのも、こうした人間的なステータスは生まれついての才能であるとか、そういった付き合いの長いものではなくて、ここ1年の間で必要があって身につけたものであるからだ。
1年前、すなわち高校二年に上がったばかりの頃は、こうではなかった。学力も運動も平均的、覇気は見当たらず目標と呼べるものも特になし。根気も勇気も十人並み。総じて卑下されるほどでもないが褒められたものでもない、良くも悪くも最近の若者でしかなかった。
契機と呼べるのは、稲羽市に越してから巻き込まれた、不可解な連続殺人事件と、偶発的に手に入れたペルソナ能力に纏わる騒動なのだろう。
なにせ警察はおろか身近な大人を頼ることすらできない、孤立無援の状況でひたすらに霧の中を彷徨うが如き戦いだったのだ。悠は文字通り、自分にできることは全てやった。同じく霧の怪事件に巻き込まれた者たちと協調し、様々な人間と交流した。時には悪意で以て応えられ、時には物理的な困難に直面し、努力と機転によって乗り越えることもあった。数多の心の綾模様に触れ、多くの出会いと別れを経験した。人間とは環境によって形作られる、という言説が本当であれば、今の鳴上悠という人間はまさしくあの激動の1年を通じて形成されたものであった。
そして遂に彼の足掻きは実を結び、霧の四辻は踏破され狂える国産みの荒魂は浄化された。幾千もの呪詛の言葉を、幾万もの真なる決意によって打倒したのだ。
全てが終わり、自分はまた元の家へと戻ることになった。見送りに来た仲間たちに別れを告げ、迎えの列車に座り、一年を過ごした稲羽の街を眺めながら、沸き起こる郷愁の念と共に僅かにその瞼を閉じて……
気が付いたら、自分はこの東京にいた。
意味不明だった。
この手の幻覚には覚えがあった。しかしこちらの精神を直接攻撃し心を折ることを目的としたアレらと違い、この異変はあまりにも回りくどかった。勝ち取ることができれば如何なる願いであっても叶えることができるという万能の願望器、聖杯。それを巡り資格者同士で殺し合うのが、聖杯戦争。それがこの、異界東京都における戦いのシチュエーションであるらしい。
正直言って、まるで乗る気になれなかった。何人もの人間が血を流し、命を散らすことが確定している争い。そんなものに加担するというのは、利害がどうこう以前にあまりにも論外極まりない代物である。
無論、自分のような考えを持つ者は、恐らく希少種なのだろう、と思う。なにせ獲得できるモノがモノなのだ。現実に叶えることができない夢や、何に優先しても確実に成就させたい願いを持つ人間というのは、当然ながら世の中に掃いて捨てるほどいる。それは世界平和であったり、大切な人間との再会であったり、あるいは金や学識といった利己的な欲望であったりもする。そういった我欲を、悠は否定しない。それらは言い方を変えれば人生の目標であり、人間が人間として生きるに当たっては必要不可欠な代物だ。どのような願いであれ当人にとっては切実な問題であり、他ならぬ悠自身でさえ、もしも時と場合が違えば───仮に堂島菜々子がその命を落とした瞬間にこの都市に招かれていれば───どうなっていたか分からない。聖杯というトロフィーは、それだけ魅力的なのである。
そうした諸々を十分に加味し、自覚して。
それでも自分は聖杯戦争には乗らないことを、彼は既に固く決意していた。
問題は、サーヴァントのほうである。
聖杯戦争を制して願いを叶える権利は、マスターだけでなくサーヴァントにも存在する。
そして当然、サーヴァントは自分の願いを叶えるためという打算を以て召喚に応じるのである。
そんなサーヴァントに「自分は聖杯戦争に乗らないぞ」と告げるのは、つまり「俺はお前の願いなんざ知らねえけど、お前は俺のために命かけて戦えよ」と言ってるようなものだ。
正直、舐めてるとしか言えない暴挙であろう。
聖杯戦争に乗らないのは譲れない決定事項ではあったが、己の声に応え助けとしてくれたサーヴァントに、それもあのような年若い少女に、酷なことを言うというのは。
やはり、気が重いことであった。
◆
「私は一向に構いませんよ」
まさかの即答だった。
あまりにも迷いなく、無理をして嘘を言っているようにも見えない様子に、むしろ悠のほうが戸惑う始末であった。
「……いいのか、それで」
「サーヴァントも人の子、決して一枚岩ではありません。
英霊という性質上戦中の出身が多く、当然ながら道半ばで未練を残し没する者が大半ではありますが、私はそうではなかった。
これは単に、それだけの話です」
粗茶ですが、と悠が出した玉露を静かに啜りながら、ライダーと名乗った少女は厳かな表情で言い切った。
彼女を見て悠が真っ先に抱いた印象は、深窓の令嬢だった。
年の頃は15か、あるいはもっと下だろうか。楚々とした黒い瞳と烏の濡れ羽色の長髪をした、人形然とした少女。
良い家の出と言えば身近なところでは老舗旅館の跡取り娘である天城雪子がいたが、正直これは格が違う。纏う気配は王侯貴族を思わせる重厚なそれであり、所作の端々からは隠し切れない真の気品を感じさせる。見るからに日本人である彼女は、旧来の華族と言われても何の違和感もないほどに、高貴という言葉を体現しているかの如き出で立ちであった。
あるいは……そう、例えば皇室典範に記されるようなやんごとなき身分であっても納得できてしまうような……
と、脱線しかける思考を戻して、悠は問いを投げかける。
「君に願いはないのか?」
「私人としては小さきものが。しかし公人としての願いはありません。
私の生前は、やはり多くの英霊がそうであるように譲れぬ願いを伴った戦によって落命したものでした。
しかし、私の願いは……この国を守護し、人々の安寧を維持する務めは、既に果たされています。これ以上を望むことは何もありません」
「私人としての、という奴はどうなんだ?」
少女は、そこで初めて言い淀んだ。
話せない、というよりは。
本当にそれを望んで良いのか、という葛藤の色が見えた。
「……元来、私のそれは人の身では決して叶うはずのないものでした。
そうであればこそ、聖杯という奇跡に縋る諸人を否定するわけではありませんが、叶わぬのが自然と断ずることができます。
夢は夢、どれだけ願っても叶うはずがないのだと」
「聞いてもいいか」
「死者との対話」
悠の疑問に、端的に答える。
その顔に浮かべられるのは、僅かな微笑み。
「私は、私を遺し葦船へと去った母と、ただの一人の娘として話がしたかった」
「……それは、望んで当然の願いであるように思う」
「しかし他者を轢殺してまでも叶えるべきものではない。そうでしょう?」
その通りだった。
そも、最初は悠の側から言い出したことである。厚かましいにも程がある偽善であった。
「それなら……これは単純に疑問なんだが、君と最初に会った時のアレは一体何だったんだ?」
「私にも詳しいところは分かりませんが、一種の共鳴現象と言うべきもの、なのでしょう。
マスター、貴方は尋常ならざる力を持っていますね?」
「ああ」
「そして、まつろわぬ神を討った」
「その通りだ」
即答であった。傍から聞けば子供の妄想に等しい言を、両者は確かな真実として語っていた。
「私の身には、かつてとある神格が宿っていました。
宿る、というよりは私を依り代に穢れとして取り込んでいた、と言ったほうが正しいかもしれません」
「雛人形みたいな話だな」
「言い得て妙ですね。私は正しく、流し雛として擁されていた存在ですので」
ともかく、と彼女は続ける。
「私は生前において国体の危機に際し、漂泊の幼神の穢れを引き受け、この身を雛として常世に流しました。
我が身は正しく神降ろしの器であり、ある意味においては、その神の第二の妣と象徴付けることもできましょう」
そして、と告げる。
「その神の名は、素戔嗚」
「……そうか。その縁は」
「ええ。貴方にも関りがあるはずです。伊邪那美の荒魂を祓い、霧の四辻と比良坂を平定せし者。今代において真なる伊弉諾の現身である、貴方には」
そうであるならば、この出会いは必然のものだった。
永劫に等しい漂流を経て、この聖杯戦争に彼女が召喚されたことも。
ならば、あれはまさしく常世だったのだ。
認知の存在ではなく、本物の。人が立ち入ること叶わぬ幽世。
「私はこの国の風景を愛します」
ややあって、少女はふと口にする。
それは何か巨大なものを背負う公人としてではなく、等身大の少女として。
「人々のひっきりなしの往来。街の喧騒はこの国の活発な血流を体現する。
国民の生命力が自然を征服し、天を摩する力強い石造りの山々を作り上げた」
それはこの東京をこそ見ての言葉であろうか。
あるいはそれこそが、この少女の原風景なのだと。悠は悟っていたがために、言葉なく耳を傾ける。
「夥しい数の窓が、同じ数だけ人々の営みを額縁に描く。
私達皆が愛着と誇りを覚える豊かな風景です」
「……君は、この国が好きなんだな」
「そして、そこに住まう人々も」
告げる言葉は迷いなく、ただ決然なる意思のみを携えて。
「ですので、マスターが聖杯を望まぬと言ったことについて、私は正直安心しました。
人民を、そして国土を自ら傷つける可能性が消えて無くなった。それだけで、私の道に迷いはありません」
「俺も同感だ。ともあれ、俺は良縁に恵まれたということなんだろう」
訳も分からず連れてこられ、殺し合いを強制され、命を預ける英霊を無作為に選ばれた。
その中で、選ばれたのがこの少女であったことは、間違いなく悠にとっての幸運だった。
「そういえば……君の真名は何というんだ?」
悠がこの少女と会って半日、言葉を交わしてまだ半刻と経っていない。
思えば、初対面の人間に対して自己紹介もしていなかったというのは、我ながら間の抜けた話であった。
「日瑠子、と。故あって姓はございません。
では、マスター。鳴上悠。今後とも、どうかよしなに」
【クラス】
ライダー
【真名】
日瑠子@朝霧の巫女
【ステータス】
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A 幸運A+ 宝具A+
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:B
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
Bランクなら三節以下の詠唱の魔術を無効化でき、大魔術を以てしても傷付けるのは難しい。
騎乗:A++
乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
A++ランクともなると竜種さえ騎乗の対象となる。
【保有スキル】
天孫のカリスマ:C+
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。
彼女は将来的には一国を治めるに相応しい絶大なカリスマ性を獲得し得る逸材であったが、幼少期に没したためこのランクに留まる。
日本国とそこに属する民族に対しては効力が高まり、同ランクの神性スキルを内包する。
皇室勅命:A
本来持ち得ないスキルを、本人が主張することで短期間だけ獲得できるというもの。該当するのは騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、と多岐に渡る。
鋼鉄の決意:A
国体によって定められた軛を超え、真実己自身の決意によって高天原にまで殴り込みをかけ神権を簒奪した鋼の精神がスキルとなったもの。
悠久の流離いにさえ耐え得る精神の絶対性の他、勇猛や冷静沈着といった複合スキルという面も兼ね備える。
彼女の持つものはあくまで国体の守護者としての性質が強く、どこぞの巌窟王ほどの苛烈さはない。
忠義の徒:B
生前ライダーに仕えた臣民たちを一時的に疑似召喚するスキル。
警視庁抜刀隊や六波羅機関など、主に諜報や戦闘、あるいは対霊戦闘を旨とする精鋭部隊であり、最大では師団規模で展開可能。
ただし、直接的な英霊召喚ではなくシャドウサーヴァントに近い存在であるため、固有の自我は存在しない(簡単な受け答えや命令の受諾等は可能)。
【宝具】
『祓戸大神・速佐須良比売』
ランク:EX 種別:奉神宝具 レンジ:0 最大捕捉:1
神性の受容体質。ライダー自身、穢れを引き受ける流し雛として奉られた存在であることの証左。
元来魔術的に女性とは子を孕むという性質上、受容の象徴として扱われており、霊的存在を身に降ろす巫女として優れた資質を持つとされてきた。
更にライダーの場合は国体規模の穢れを受容するための存在として奉られた都合上、「他の存在を受け入れる」性質が極めて強い。
生前において一神話体系の主神に匹敵する神格を己が身に封じた彼女は、聖杯戦争中において一度だけ「自分の肉体を媒介に霊的存在を常世へ流す」ことを可能とする。
代償は自身の霊基消失。要は自分を人柱としたサーヴァントへの対消滅攻撃である。
『鳥之石楠船神・霊的国防戦艦大和』
ランク:C++ 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000
ライダーが生前、高天原に殴り込みをかけた際に搭乗していた旗艦であり、悠久の時を流離う葦船とした旧時代の弩級戦艦。
全長263m、出力153553馬力の弩級戦艦が水上のみならず三次元空中機動を為し遂げた上で神秘にも通じる火力を有し、なおかつ軍事速度で巡航可能な時点で文句なく聖杯戦争の規模を逸脱した脅威なのだが、加えて白兵戦力(他のサーヴァント等)を内包することさえ可能であるなど、物理面からは最早攻略不可能とさえ思われる存在である。
反面純粋な神秘性自体は然程でもなく、物理攻撃ではなく概念的干渉に対しては呆気なく押し負ける可能性がある。
上述した逸話の通り神性特効の性質を持つ他、神秘性の低さ故か規模に反して魔力消費は軽め。
通常時は砲門のみを具現化して砲撃、といった具合で使う。
『神剣・草那芸之大刀』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~60 最大捕捉:500
日の本の国宝にして天照大御神の直系子孫である皇室に伝わる「三種の神器」の一つである、天叢雲剣または草薙剣そのもの。
かつて下総の刀鍛冶が己が全てを賭して振るった剣のオリジナルであり、西洋における宝剣の頂点がかのエクスカリバーならば、こちらは東洋における宝剣の代名詞。
真名解放の一斬たるや、八つの谷と峯を切り拓き、八つの大河を新たに生み出すほどだが、ライダー曰く「私の剣才に期待しないでください」とのこと。実際、祀られる対象でしかなかった彼女は素人に毛が生えた程度の剣腕しか持たないため、専ら固定砲台としての運用が主とされる。
しかしこの宝具の真価は剣としてのものではない。
この剣は本来、八岐大蛇という特級神秘を制御するための外部器官として発生しており、これを尾に突き立てることで神代の巨蛇を飼いならすことができる。
真名の二重解放に伴い、身の丈数百mにもなる八岐大蛇が顕現、ライダーの制御下に加わる。内包した弩級の神秘に物理的頑健さ、更には抗霊子波動流放射(ドラゴンブレス)の行使など、対国級の超級戦力となる。
当然の如く周辺被害は相当なものになる他、消費魔力もヤバイので早々使えない。
『天地を漂り、遊び猛ぶる神の名をぞ(スサノオノミコト)』
ランク:- 種別:- レンジ:- 最大捕捉:-
使用不可能。
元来ライターの胎内に封じられていた神格なのだが、本聖杯戦争においては従僕と一緒にボイコットしており、精々足掻く様を英霊の座から見物しとるで~とのこと。
【weapon】
神剣・草那芸之大刀:
古ぼけた細剣であるが、極めて高密度の神秘を内包し物理的にも非常に頑強。とはいえライダーに剣を扱う技能がほぼないため、「むしろマスターが使ったほうがよろしいのでは?」と言う始末である。
【人物背景】
神々の闘争が続く剪定事象世界における現代日本の今上天皇。
摂政を必要とする15歳の少女だが、既に国体危機へ立ち向かう精神性は完成されている。
【サーヴァントとしての願い】
まず何をおいても日本国と国民の安全が最優先。
しかし、それらを度外視して自分のわがままが言えるとしたら……
母と、もう一度だけ話がしてみたい。
【マスター】
鳴上悠@ペルソナ4
【マスターとしての願い】
早いところ帰りたいんだが……
【weapon】
十握剣:
神話級の神秘を備えた概念武装。
日本神話に登場する神々が携える剣の総称であり、特に八岐大蛇退治におけるスサノオの剣が有名。
この剣自体は神話の時代から残された本物の宝具というわけでなく、アラヤの認知によって発生した代物。
【能力・技能】
ペルソナ能力:
個々人の心象を現実に投射し、神々や神秘を模した「力あるヴィジョン」として行使する、特殊な異能形態。
ペルソナ能力者には当人の内的側面に悪魔の認知情報を宿すアルカニスト(秘儀精通者)と、人類の集合無意識の海から想念を汲み上げて行使するワイルドの二種類が存在するが、悠の場合は後者。
対応するアルカナは愚者、数字の0。無限の可能性を真価としているが、彼は既に〈世界のアルカナ〉へと可能性を固着させた、ワイルドとしての完成形である。
あと原付免許も持ってる。
【人物背景】
霧の四辻を踏破し、国産みの女神の荒魂を祓い清めた、〈真実〉のワイルド。
伊邪那美を倒した後、実家に帰る電車の中で居眠りしたらいつの間にかこの東京にいた。マジ迷惑。
あとライダーの経歴聞いた瞬間ジャンピング土下座した。
【方針】
超帰りたい。
最終更新:2022年07月12日 22:59