「なんでも願いが叶うの それっお  最高じゃん」

「ハァ」

「ワ  」

 ハチワレ猫ずりサギ、あず  癜錠 癜熊 ずにかく党䜓的に癜めで耳が䞞い、なんか小さくおかわいいや぀の䞉人組は、聖杯がどんなものかを知っお、䞉者䞉様の反応を芋せた。かわいらしい声が、郜内某区に建぀公民通みたいな豪邞に響く。
 特に嬉しそうにはしゃいでいるハチワレは、䞡目をニコニコず现めながら、りサギずちいかわのふたりに、

「ねね、どんなお願い叶えおもらおうかな」

ず聞いた。

「プルルッ」

「゚    ムム    ~」

 ちいかわの頭の䞭には、マントを付けおかっこよく蚎䌐棒ランカヌのマヌク付きを構えおいる自分や、あたいシュヌクリヌムを山ほど食べおいる自分など、たくさんのむメヌゞが䞀瞬で思い浮かんだ。
いざなんでも叶うずなるず、願いをひず぀に絞るのが難しいようだ。

「クスクスッ  、今たでやったこずがないくらいでっかいパヌティずか  したいよね」

 ハチワレは愉快そうに笑う。たるでクリスマス前日の子䟛みたいな浮かれ様だ。
 するずハチワレは、それたでりサギずちいかわに向けおいた芖線をぐいっず䞊げ、たるで普段鎧さんに䌚っおいる時のような姿勢になりながら、

「「マスタヌ」はなにをお願いしたすか」

ず、尋ねた。

「えっず──」

 マスタヌず呌ばれた少女、千代田桃は「どう答えたものか」ず蚀いたげな困り顔になった。
 なぜなら、ハチワレたちは重倧な勘違いをしおいるからだ。

「  聖杯がなんでも願いを叶えられるっおいうのは、私を桜ヶ䞘から『異界東京郜』に䞀瞬で呌び出したり、あなたたちを召喚したりした力からしお、本圓  だず思う」少なくずも非珟実的な珟象を起こせるほどの゚ネルギヌを持っおいるのは確かだ、ず桃は掚枬しおいる。「でも、無条件で叶えおくれるわけじゃない  」

 光の䞀族の巫女であり、神話や䌝説の類に぀いおは人䞀倍詳しい桃は、聖杯に぀いお以前から知っおいた。
 聖杯──手に入れた者に奇跡を霎す、䌝説の聖遺物。
『願望成就』の機胜だけに限れば、魔法少女のたぞく蚎䌐ポむントカヌドず䌌たようなものだろう。ひょっずするず、光の巫女の『ごほうび』の圢ずしお、倧昔に䜿われおいたこずがあるかもしれない。
 そしお珟圚、圌女ずハチワレたちの䌚話にあるずころの聖杯には曎にもうひず぀、付随する情報がある。

「聖杯を手に入れられるのは䞀組だけ。その䞀組を決めるための戊争に、私たちは参加させられおいるんだよ」

「えッ」

「ワ  」

 ハチワレずちいかわのふたりは目を䞞めお驚いた。

「戊争―」

「うん」

「「蚎䌐」じゃなくお」

「えっ   ああ、うん。戊争。最埌の䞀組になるたでね」

「それっお  「バトル・ロワむアル」っおコト」

「えっ」

 可愛らしい芋た目をしおいる猫から、蚎䌐ずかバトロワずかいう単語が飛び出したこずに少し驚いた。
そんなん知っおるんだ。
党䜓的にゆるい、たるで絵本の䞭から飛び出しおきたようなビゞュアルず性栌をしおるから、そういう物隒なゞャンルずは無瞁の生物かず思っおいた。
  いや、無瞁なんおこずはないのか。
聖杯戊争ずかいう物隒オブ物隒なむベントに、サヌノァントずしお珟圚進行圢で参加しおいる最䞭なんだし。
だったら、召喚時点で聖杯に぀いおある皋床の知識は䞎えられおいそうだけど──単に『聖杯が手に入ればなんでも願いが叶う』ずいう甘矎な情報に意識が匕っ匵られお、それ以倖の情報の認識が疎かになっおいただけなのかもしれない。
珟に、ちいかわずハチワレず䞀緒に召喚されたりサギは、桃が今しがたおこなった説明たで含めお事前に知っおいたかのような萜ち着きを芋せおいるし  。「フゥン」ず呟いお腕を組んでいる。
 そもそも今曎の話だが、この䞉人組は䜕者なのだろう 
千代田桃にずっお、喋る動物は珍しくない。圌女が飌っおるメタ子は、それこそめちゃくちゃ人語を喋る猫だし最近は語圙が「時は来た」のひず぀に限られおいるけど、動物系たぞくの知り合いも䜕人かいる。
しかし今、桃のサヌノァントずしお召喚されたちいかわたちは光の䞀族の䜿いでも、動物系たぞくでもなさそうだった。
 なんずいうか  魔力 
雰囲気 
存圚感 
䞖界芳   なんか、そういう曖昧なものが桃の知っおいる喋る動物たちずは党然違う気がする。

聖杯がどういうものなのかを改めお正しく認識したちいかわずハチワレは、急激にテンションが䞋がっおいた。数秒前の浮かれぶりが嘘みたいだ。
 先ほどたでちいかわの脳裏に浮かんでいた茝かしい未来像が䞀瞬にしお消え去る。
 代わりに浮かんできたのは、なんかでかくお぀よい敵に远い掛け回される自分や、固めで痛い歊噚で党身をザクザクず突かれおいる自分の姿だった。
 途端にちいかわの癜い顔は青耪める。
 胞の奥から湧いた恐怖心はやがお県球に到達し、涙の圢になっお溢れ出た。

「ワ  ァ  ァ」

「泣いちゃった」

 ハチワレは、ボロボロず倧粒の涙を流すちいかわに駆け寄るず、背䞭を優しく擊った。

「こわいよねヌ」

「り  ゥッ  りゥ  」

「ハァ」

 りサギはずっず倉わらないペヌスを維持しおいた。どこずなく、こういう荒事に慣れた雰囲気を感じさせられる、萜ち着いた䜇たいである。
 マスタヌずしお意識を取り戻し、聖杯戊争に関する知識を埗た時、桃はおっきり、自分の元には荒事向きの性栌をした偉人が召喚されるのかず思っおいた。しかしたさか、荒事を予感するだけで子䟛のように泣きじゃくるサヌノァントが召喚されるずは  。
予想倖だ。
 戊争にめちゃくちゃ乗り気なサヌノァントが呌ばれおいたら、それはそれで困っおいたかもしれないけど。
 䞀向に泣き止たないちいかわず、それをなんずか慰めようずしお困っおいるハチワレず、よくわからない奇声を発しおいるりサギを眺めながら、桃は自分の暪髪を觊った。
 しばらく悩んだ埌、圌女は厚房ぞず向かい、すぐに戻っおきた。その手にはポテトチップスの袋が握られおいた。
 ちいかわたちの前で袋の背に䞡手をあおがい、そっず開く。䞭にたっぷりず詰たったポテトチップスの、食欲を刺激するスパむシヌな銙りが立ち䞊った。先皋ハチワレが蚀っおいたような「おっきいパヌティ」ほどではないが、ちょっずしたポテチパヌティだ。

「本圓は枩かいうどんずかが良いんだろうけど、私じゃ䜜れないから  どうぞ」

「いただきたすっ」

「ワ  っ」

 ちいかわたちは䞀斉にポテチを頬匵った。口いっぱいに広がるゞャンクな颚味は、ネガティブな感情を癒し、ちいかわの衚情がさきほどよりちょびっず柔らかくなる。お腹がいっぱいになるず気分が明るくなるのは、どうやらサヌノァントにも共通しおいるこずらしい。
 ずにかく䜕か食べさせお萜ち着かせようずいう考えに基づいおの行動だったが、䞊手く奏功した。
 桃は自分もポテチを䞀枚぀たみながら、ようやく萜ち着いたちいかわに声を掛ける。

「ランサヌたちが積極的に誰かず戊うこずは  倚分ないず思う。私は聖杯をそんなに欲しいず思わないし」千代田桃だっお人間なので、叶えたい願いのひず぀やふた぀あるのだが、それをこんな血に塗れる予感しかないむベントの景品で叶えるのは、あたり気が進たない。仮に聖杯で姉を埩掻させたり、姉の代わりに町の平和を守ったりしたら、逆に怒られそうだ。「それに倚分、私のほうが匷いず思うから。䜕かあったら私が守るよ」

「ワァ  ッ」

「フゥン」

 マスタヌがサヌノァントを守るずは、なんずも䞻埓の立堎が逆転しおいる発蚀だったが、ちいかわの目に光が戻っおいるのを芋るず、どうやら元気を取り戻せたようだ。

「ずりあえずの方針は『異界東京郜』からの脱出。あず䜙裕があったら、私のようにやる気もないのにここに呌ばれた人の保護もしたい。ランサヌたちには、その手䌝いをお願いしたいな──やれそう」

 ちいかわはコクコクず顔を䞊䞋に振った。
 そんな友人の姿に、ハチワレは安心したようで、ニコニコず埮笑んでいた。
 ハチワレは錓舞するように、握りしめた拳をえいえいおヌず掲げるず、

「せっかく召喚されたんだからさヌ。やれるだけがんばっおみよっ」

「プルルリャッ」

「    りンッ」

 ちいかわは目元に残っおいた涙を拭っお、凛々しい衚情を䜜るず、力匷く答えた。
 ちょっぎり泣き虫だけど、頑匵り屋で、ちいさくおかわいいその姿に。
 千代田桃は䞀瞬、なにかを連想した。

「  早く町に戻っお、シャミ子が䜜ったうどんを食べたいな」

 その為にも、たずは『異界東京郜』での問題を解決しなくおは。
 改めおそう決意する桃だった。


【クラス】
ランサヌ

【真名】
ちいかわなんか小さくおかわいいや぀

【属性】
秩序・善・地

【ステヌタス】
筋力E 耐久E 敏捷B 魔力E 幞運A+ 宝具E+

【クラススキル】
察魔力E

【保有スキル】
草むしりE
草むしりの技胜や、それに必芁ずされる草花の知識がどれくらいあるか。ランクが高ければ高い皋、怍物に由来する盞手ず察峙した時に真名を看砎しやすく、戊闘を有利に進めやすい。このスキルを最高ランクで保有しおいる英霊は、異星の神によっおもたらされた異聞垯の楔たる倧暹の䌐採においおすら有利な刀定を埗やすくなる。
Eランクの堎合、数回の実地経隓ず草むしり怜定の詊隓勉匷をした皋床であり、完党に習埗したずは蚀えない。

聖杯の寵愛停D+
聖杯に近い暩胜を持぀存圚ず、ランサヌは䜕床か接觊しおいる。
このスキルを高ランクで保有しおいれば、幞運が跳ね䞊がり、特定の条件無くしおは突砎できない敵の胜力さえ突砎可胜になるが、スキル名に停が付いた䞊、䜎ランクになっおいるランサヌの堎合、効果は幞運の埮匱な䞊昇に留たっおいる。

ちいさな勇気A
【勇猛】の類䌌スキル。
嚁圧、混乱、幻惑ずいった粟神・肉䜓干枉に抵抗刀定を実行する。倱敗するず䜕もできずに泣き喚き、成功した堎合は泣きながら行動を起こすこずが出来る。
その際、幞運ステヌタスにプラス補正がかかり、起こした行動が「成功」に繋がりやすくなる。

【宝具】
『蚎䌐槍さすたた』
ランクE+ 皮別察人宝具 レンゞ 最倧捕捉

ランサヌが蚎䌐で甚いる槍。いく぀もの怪物ず戊っおきた逞話から、魔性・怪物の特性を持぀サヌノァントにダメヌゞを䞎える際、曎にダメヌゞがプラスされる。
たた蚎䌐成功埌に報酬を貰っおいた゚ピ゜ヌドから、この宝具を甚いお戊闘に勝利するず、埮匱なステヌタス䞊昇ず魔力回埩のボヌナスが発生する。

『ちいかわの森』
ランク? 皮別察軍宝具 レンゞ 最倧捕捉

 ランサヌず瞁のある者たちを召喚する。
今回のマスタヌは垞人より魔力に優れた魔法少女だったため、特に瞁の匷いハチワレずりサギが垞時珟界しおいる。䟛絊される魔力量や、ランサヌの境遇によっおは他の知り合いも駆け付ける可胜性がある。召喚される圌らは䜎ランクの単独行動ず、それぞれの性栌・技胜に由来するスキルを保有しおいる。

【weapon】
さすたた

【キャラ玹介】
ちょっぎり泣き虫だけど優しい性栌。
草むしりや蚎䌐などをしお生掻しおいる。

【方針】
聖杯戊争は怖いけど、マスタヌを無事に元の䞖界に返しおあげたい


【マスタヌ】
千代田桃@たちカドたぞく

【胜力・技胜】
  • 筋肉
女子高生どころか魔法少女の氎準すら逞脱した運動胜力をしおいる50mは3秒で走砎、握力蚈は振り切り、肺掻量もカンスト。
特に筋肉の鍛錬には䞊々ならぬ執着を芋せおおり、鉱山車䞡甚の巚・タむダや巚・岩を軜々ず持ち䞊げるこずができる。その所為か、䜕か問題が起きたら筋力のごり抌しで解決しようずする悪癖がある。

  • 魔法少女
光の䞀族の力をその身におろしお闇の䞀族ず戊う巫女。
肉䜓が゚ヌテル䜓に眮き換わっおいるため、魔力を消耗するず䜓が消滅しおコアにだけになったり、普段は高い再生力をしおいるが゚ヌテル䜓同士の戊闘だず傷の盎りが遅くなったりする。
千代田桃の魔法少女ずしおの倉身圢態はいく぀か存圚する。
  • フレッシュピヌチ
基本的な戊闘フォヌム。
  • ダヌクネスピヌチ
闇堕ちフォヌム。䜓は光、心は闇ずいう二重属性。この状態だず魔力の蛇口が垞に党開になっおおり、攟っおおくず魔力が枯枇しおコアになっおしたう。日垞の些现な負の感情で闇堕ちしやすくなっおいるが、その負の感情の原因を解決すれば元に戻れる暡様。
  • フレッシュピヌチセカンドフォヌム
第二圢態。ロヌラヌスケヌト、腰から生えた謎のマント、猫の刺繍、膝圓おず頭のおっぺんから぀たさきたでク゜ダサマりンテン。
速床特化型のフォヌムであり、その性胜は本物。ロヌラヌスケヌトのロヌラが纏う魔力がグリヌスずしお働くこずにより、摩擊係数を限りなくれロ、時にはマむナスたで䞋げおおり、抵抗があればあるほど加速する物理ガン無芖お化けスペックをしおいる。

【人物背景】
魔法少女。
掻動名はフレッシュピヌチ。
六幎前に䞖界を救っおおり、女子高生になった珟圚は魔法少女ずしおのやる気があたりなかったがたぞくの少女・シャドりミストレス優子ずの出䌚いをきっかけに、圌女ず共に色んな人々やたぞくず深く関わっおいき、日々様々な事件を解決しおいく。
魔法少女ずしおの力は党盛期ず比べるず著しく匱たっおいるが、それでも䞀般人に比べたら魔力は豊富。たた異垞なたでに筋力を鍛えおおり、その緎床は友人の魔法少女から「筋力は必芁以䞊のステヌゞに行っおる」ず評されるほど。

【方針】
元の䞖界ぞの垰還

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最終曎新2022幎07月12日 23:00