部品構造
- 大部品: 顧客開発 RD:14 評価値:6
- 部品: 顧客開発とは
- 部品: 想定の明確化
- 部品: 仮説作成
- 部品: 顧客像の検討
- 部品: 顧客の探索
- 部品: 対話方法
- 部品: 日程調整
- 部品: 質問内容
- 部品: 模擬練習
- 部品: 記録
- 部品: ペア・インタビュー
- 部品: 態度
- 部品: 検証
- 部品: 試作
部品定義
部品: 顧客開発とは
顧客開発とは、製品開発に対応する概念である。
製品開発が「製品やサービスはいつ買えるようになるか」「何を買えるようになるのか」という問いに答えるものに対し、顧客開発は「そもそも顧客は買うのか」という問いに答えるものである。
顧客開発をおこなう目的は、顧客に本当に買ってもらえる製品やサービスの開発に注力するため、「顧客は何が欲しいか」についての誤った思い込みをできるだけ早く見つけることである。
市場調査と比較した場合、顧客開発は少数の顧客にインタビューするため、大規模な集団の統計から情報を得る市場調査と比べ、個々の顧客の振る舞いや購入に至る行動についての情報を得られるという利点がある。
顧客開発によって得られた情報は、製品やサービスの開発に決定権を持つ者が「どのように課題を解決するか」「どの機能やサービスを優先して開発するか」について判断するために利用される。
部品: 想定の明確化
顧客開発においては、想定を明確にする必要がある。
想定とは、たとえば「顧客が抱えている課題とはどのようなものか」「顧客はその課題を解決するために、どのようなリソースをどれくらい投資できるのか」「その課題を解決する製品・サービスの購入・使用に関わる利害関係者や開発・流通に関与する協力者はそれぞれ誰か」「この製品やサービスを購入・利用しない顧客は、代わりにどのような製品・サービスを購入・利用するか」「顧客はどのような役職で、どのような社会的立場の者か」「この製品やサービスを開発するためには、時間・人材・資源など何がどれくらい必要か」などである。
複数名で想定を洗い出しする場合は、いったんそれぞれ個別に想定を書き出したうえで、お互いに書き出した想定を見比べ、想定のずれを認識しておくとよい。
部品: 仮説作成
想定の書き出しが終わったら、書き出した想定をもとにして検証する仮説を作る。
たとえば「誰が何をするときどのような課題がある」「誰がどのような制約・制限によってどのような課題を感じている」といった形式である。
仮説は明確なほうがよい。
たとえば「患者は長生きしたいか」という問いよりも「再生医療やサイボーグ化を望まない老齢の末期がん患者は長生きしたいか」という問いのほうが、焦点が絞られている分、仮説を検証しやすい。
「なぜ」「いつ」「誰が」「何を」「どれくらい」の観点で仮説を検討すると、より具体的になる。
部品: 顧客像の検討
仮説の作成が終わったら、この製品・サービスを買いたいと思うのはどのような顧客か考える。
顧客がどのような特性を有しているか考える際は、二つの対立する特性を基準に考えるとよい。
二つの対立する特性とは、たとえば「金銭を節約したいか、時間を節約したいか」「意思決定したいか、指示に従いたいか」「変化を好むか、現状維持を望むか」「すぐに使える出来合いがよいか、自分用に誂えたほうがよいか」などである。
顧客が課題を解決するうえで、これらの対立する特性が関連するかを考える。
もし、その特性が関連するなら、二つの特性を両端にした直線にしたとき、顧客は直線状のどのあたりに位置しそうか考える。
こうした対立する特性のものさしで測ることで「対象となる顧客がどういう性格か」という想定を明確にできる。
こうして考えた顧客の想定は、インタビューの後、想定が正しかったか否かを判断する基準になる。
部品: 顧客の探索
顧客像の検討が終わったら、実際にインタビューする顧客を探す。
インタビューする対象は、切実な課題に直面し、課題解決を試みている者が望ましい。
そういった顧客は課題の解決に熱心であり、課題についての実体験や知識も豊富なため、敬意を払って接すれば、必要な情報を提供してくれるからである。
インタビュー対象として、最初に検討するべき相手は、知人・友人・同僚やその知り合いである。
知人・友人・同僚に「そういった者がいたら紹介してほしい」とお願いするのである。
「インタビューで何を知りたいか」「インタビューにかかる時間」「プライバシーの保証」などを手紙や電子メールに明記するとよい。
また、見込み顧客がいそうな場所に行ってみるのもよい。
たとえば、長距離走に関する情報を得たいなら、マラソン大会のゴール地点にいけば多くのランナーに会うことができる。
既存の製品・サービスの改善なら、カスタマーサポートを通じて情報を集めることもできる。
ナショナルネットのフォーラムやコミュニティで協力を呼びかけるのもよい。
インタビューの急なキャンセルや無断欠席に備え、インタビューする顧客の数は多めにしておいたほうがよい。
部品: 対話方法
インタビューの方法は、インタビューする相手の都合に合わせたものを選ぶ。
既存の製品が実際に使われている場面を見たい場合は、顧客の自宅や職場など現場に直接出向く現状視察が適している。
ただし現状視察はプライバシーや機密保持の点で敬遠される場合がある。
家族や同僚がいると気が散る場合は、喫茶店や居酒屋など公共の場でインタビューをおこなうという方法もある。
相手が多忙であったり、遠方にいる場合は、電話やビデオチャットを通じてのインタビューが適している。
テキストベースのチャットやインスタントメッセージは、相手の表情や声の抑揚などがわからないため、相手の感情や発言の意図を把握しにくい。
そのため、テキストベースのチャットやインスタントメッセージは、他に妥当な方法がない場合のみ使用するようにしたほうがよい。
部品: 日程調整
インタビューする相手と方法が決まったら、その日程について決める。
いくつかインタビュー日時の候補を挙げて選んでもらうとよい。
公共の場で対面する場合は併せて場所の候補も挙げておく。
インタビューには準備の時間が必要である。
また遅刻した場合やインタビュー時間を延長したい場合も考慮したほうがよい。
インタビュー後に重要な点を書きまとめ、休憩する時間も必要である。
インタビューから数日以上経過すると、まとめを書くのが億劫になるからである。
そのため、同日に複数名のインタビューをおこなう場合はインタビューの前後に充分な時間を空けておくとよい。
部品: 質問内容
インタビューで確認すべきことはいくつかある。
まずひとつは「顧客は現在、どのように課題に対処しているか」である。
普段対処している方法は慣れ親しんだものであり、ある程度効果があるため、これから作る製品やサービスと競合する。
また、その対処方法によって、顧客が物事をどのように解釈しているか知ることができる。
「はい」「いいえ」で答えられる質問は、誘導尋問になっている恐れがあり、回答が参考にならないため、避けるべきである。
また、誘導尋問になっていない場合でも「はい」「いいえ」で答えられる質問は回答が表面的になってしまうため、「いつ誰とその行動を行っているか」「なぜその方法でおこなっているか」を具体的に説明してもらうことが重要である。
行動は将来におこなう予定ではなく、現在について確認するべきである。
なぜ現在について確認するかというと、いつかする予定はただの願望でしかないが、すでにおこなっている行動は今すぐ解決したい切実な課題に由来すると考えられるからである。
質問の例としては、たとえば「一番最近その問題を対処したときについて教えてください」「先月何回対処しましたか」などである。
現在利用している製品やサービスを擬人化し、「あなたはどのような仕事をしてもらうために彼(または彼女)を雇いましたか」とインタビューの相手に問うのも有効である。
製品やサービスの購入者と利用者が同じとは限らない。
たとえば、玩具を買うのは親だが使うのは子供だったり、患者に対し医薬品や医療機器を使うがどの医薬・医療機器を使うか選ぶのは医師や薬剤師などの医療従事者で支払いは医療保険だったりする。
そのため、購入や利用に関係する利害関係者についても質問したほうがよい。
インタビュー相手の回答内容を正しく理解しているか確かめるために、要約を述べて誤りがないか確認するのも重要である。
部品: 模擬練習
実際にインタビューする前に、インタビューの手順を確認するため、模擬練習をおこなったほうがよい。
インタビューの模擬練習の相手は普段接点のない知り合いが望ましい。
たとえば同じ会社の新入社員や、別の部署の社員である。
親しい家族や親友が練習相手だと、インタビュー中にまじめな態度を保つことが難しいため、避けたほうがよい。
模擬練習が終わったら、インタビューの方法に問題がなかったか、どのような点を改善したらよいか、意見を求めるとよい。
部品: 記録
録音する場合は、許可なく録音すると法的に訴えられる恐れがあるため、必ず相手の許可を得ること。
録音するとインタビューが堅苦しくなったり、相手が慎重になったりするため、録音するか否かは、どちらのほうがより効果的にインタビューできるかで判断するとよい。
ビデオによる撮影は、インタビューの相手が自身の身なりを気にして、よい意見が得られなくなる恐れがあるため、避けたほうがよい。
メモに相手の発言を書き留める場合は、インタビューが終わるまで何が重要か分からないため、相手の発言を要約せずありのままに書くようにする。
意外な内容やインタビュー相手の強い感情がともなった発言は、重要と思われるため、下線を引いたり、丸をつけるなどして、後でわかるようしておいたほうがよい。
部品: ペア・インタビュー
相手から目を離さず質問し、インタビューに専念するため、専任の書記役とペアを組んで記録をお願いしてもよい。
このようにインタビューを行う者が二名一組となってインタビューする方法をペア・インタビューと呼ぶ。
ペア・インタビューは開発者や開発の関係者に顧客との接点を持たせるという意義もある。
目の前で顧客から仮説を否定されても、否定を受け入れ、開発を軌道修正することは容易ではない。
そのため、ペア・インタビューを通じて、開発に従事するなるべく多くの者へ、新たな情報を繰り返し提示し続け、顧客開発で得た情報を有効活用できるように努めたほうがよい。
部品: 態度
インタビュー中は気兼ねなく親しみやすい雰囲気を作り出すようにするほうが望ましい。
インタビュー相手を「お客様」や「顧客」と呼ぶと交渉の雰囲気となるため、望ましくない。
なるべくインタビュー相手に気持ちよく話し続けてもらうようにすることが重要である。
質問に対してインタビュー相手が沈黙したときは、黙って耳を傾けることも有効である。
ただし、長時間の沈黙を何度も繰り返すと印象が悪くなるため、一度長時間(60秒程度)沈黙した後は、相手の話を遮らないよう、数秒程度、間を置くに留めたほうがよい。
インタビューの最後に「貴重な時間を費やしてくれたこと」「役に立つ情報をもらったこと」に感謝を伝え、今後も連絡してよいか確認する。
形だけの感謝は逆効果であるため、本心から感謝を述べたほうがよい。
部品: 検証
五回インタビューを終えれば、心から興奮して語ってくれる相手に出会えるか、もしくはそのような者が紹介されるはずである。
もし五名にインタビューしてもそういったことがなかった場合、インタビューする相手が不適切か、課題と仮定しているものが実際には課題ではないと考えれれる。
理由がどちらにせよ、仮説を棄却する判断材料となる。
十回もインタビューすれば、そのうちの二~三名が似たような不満や願望を口にするパターンが現れる。
そこでそのパターンが存在するか確認するため、以後のインタビューでは「他の人たち」はパターンと反対の行動をしていると伝え、相手の反応を見るとよい。
たとえばパターンが「ナショナルネットで車を調べてから店頭に行く」なら、「他の人たちは、店頭で車を試乗してからナショナルネットで車の情報を調べると言っていますが、あなたが車を買うときはどのようにしていますか」と確認してみる。
そうすることでインタビューの相手は「他の人たち」とどこが似ていて、どこが異なっているか、詳細に回答してくれるようになる。
もし、十名にインタビューしてもパターンが見えてこない場合、インタビューの対象範囲が広すぎたと考えられる。
そのため、業界・職種・生活習慣などの分類をひとつに絞り込むことで、すばやく仮説を検証できるようになる。
充分な数のインタビューをおこなったと判断する目安は、相手の話に驚きを感じなくなってきたころである。
部品: 試作
充分な数のインタビューをおこなったら、インタビュー結果に基づいて製品やサービスを用意する。
リスクや投資を最小限に抑えるため、この製品・サービスは仮説の検証のみを目的としている。
この製品・サービスは、仮説の証明・棄却に充分な情報を得られる程度に実用的である必要がある。
必ずしも仮説検証のための新たな製品を試作する必要はなく、クラウドファンディングで金銭を支払う意思を確認したり、プログラムがあるように見せかけて実際は裏で知類が手動で操作していたり、既存の他社製品・サービスを使ったりすることでも、仮説を検証できる。
まだ存在しない製品に多数の顧客が金銭を支払うようなら、強い需要があると検証できたことになる。
逆に金銭が集まらなかったら、課題解決に充分ではないと考えられる。
提出書式
大部品: 顧客開発 RD:14 評価値:6
-部品: 顧客開発とは
-部品: 想定の明確化
-部品: 仮説作成
-部品: 顧客像の検討
-部品: 顧客の探索
-部品: 対話方法
-部品: 日程調整
-部品: 質問内容
-部品: 模擬練習
-部品: 記録
-部品: ペア・インタビュー
-部品: 態度
-部品: 検証
-部品: 試作
部品: 顧客開発とは
顧客開発とは、製品開発に対応する概念である。
製品開発が「製品やサービスはいつ買えるようになるか」「何を買えるようになるのか」という問いに答えるものに対し、顧客開発は「そもそも顧客は買うのか」という問いに答えるものである。
顧客開発をおこなう目的は、顧客に本当に買ってもらえる製品やサービスの開発に注力するため、「顧客は何が欲しいか」についての誤った思い込みをできるだけ早く見つけることである。
市場調査と比較した場合、顧客開発は少数の顧客にインタビューするため、大規模な集団の統計から情報を得る市場調査と比べ、個々の顧客の振る舞いや購入に至る行動についての情報を得られるという利点がある。
顧客開発によって得られた情報は、製品やサービスの開発に決定権を持つ者が「どのように課題を解決するか」「どの機能やサービスを優先して開発するか」について判断するために利用される。
部品: 想定の明確化
顧客開発においては、想定を明確にする必要がある。
想定とは、たとえば「顧客が抱えている課題とはどのようなものか」「顧客はその課題を解決するために、どのようなリソースをどれくらい投資できるのか」「その課題を解決する製品・サービスの購入・使用に関わる利害関係者や開発・流通に関与する協力者はそれぞれ誰か」「この製品やサービスを購入・利用しない顧客は、代わりにどのような製品・サービスを購入・利用するか」「顧客はどのような役職で、どのような社会的立場の者か」「この製品やサービスを開発するためには、時間・人材・資源など何がどれくらい必要か」などである。
複数名で想定を洗い出しする場合は、いったんそれぞれ個別に想定を書き出したうえで、お互いに書き出した想定を見比べ、想定のずれを認識しておくとよい。
部品: 仮説作成
想定の書き出しが終わったら、書き出した想定をもとにして検証する仮説を作る。
たとえば「誰が何をするときどのような課題がある」「誰がどのような制約・制限によってどのような課題を感じている」といった形式である。
仮説は明確なほうがよい。
たとえば「患者は長生きしたいか」という問いよりも「再生医療やサイボーグ化を望まない老齢の末期がん患者は長生きしたいか」という問いのほうが、焦点が絞られている分、仮説を検証しやすい。
「なぜ」「いつ」「誰が」「何を」「どれくらい」の観点で仮説を検討すると、より具体的になる。
部品: 顧客像の検討
仮説の作成が終わったら、この製品・サービスを買いたいと思うのはどのような顧客か考える。
顧客がどのような特性を有しているか考える際は、二つの対立する特性を基準に考えるとよい。
二つの対立する特性とは、たとえば「金銭を節約したいか、時間を節約したいか」「意思決定したいか、指示に従いたいか」「変化を好むか、現状維持を望むか」「すぐに使える出来合いがよいか、自分用に誂えたほうがよいか」などである。
顧客が課題を解決するうえで、これらの対立する特性が関連するかを考える。
もし、その特性が関連するなら、二つの特性を両端にした直線にしたとき、顧客は直線状のどのあたりに位置しそうか考える。
こうした対立する特性のものさしで測ることで「対象となる顧客がどういう性格か」という想定を明確にできる。
こうして考えた顧客の想定は、インタビューの後、想定が正しかったか否かを判断する基準になる。
部品: 顧客の探索
顧客像の検討が終わったら、実際にインタビューする顧客を探す。
インタビューする対象は、切実な課題に直面し、課題解決を試みている者が望ましい。
そういった顧客は課題の解決に熱心であり、課題についての実体験や知識も豊富なため、敬意を払って接すれば、必要な情報を提供してくれるからである。
インタビュー対象として、最初に検討するべき相手は、知人・友人・同僚やその知り合いである。
知人・友人・同僚に「そういった者がいたら紹介してほしい」とお願いするのである。
「インタビューで何を知りたいか」「インタビューにかかる時間」「プライバシーの保証」などを手紙や電子メールに明記するとよい。
また、見込み顧客がいそうな場所に行ってみるのもよい。
たとえば、長距離走に関する情報を得たいなら、マラソン大会のゴール地点にいけば多くのランナーに会うことができる。
既存の製品・サービスの改善なら、カスタマーサポートを通じて情報を集めることもできる。
ナショナルネットのフォーラムやコミュニティで協力を呼びかけるのもよい。
インタビューの急なキャンセルや無断欠席に備え、インタビューする顧客の数は多めにしておいたほうがよい。
部品: 対話方法
インタビューの方法は、インタビューする相手の都合に合わせたものを選ぶ。
既存の製品が実際に使われている場面を見たい場合は、顧客の自宅や職場など現場に直接出向く現状視察が適している。
ただし現状視察はプライバシーや機密保持の点で敬遠される場合がある。
家族や同僚がいると気が散る場合は、喫茶店や居酒屋など公共の場でインタビューをおこなうという方法もある。
相手が多忙であったり、遠方にいる場合は、電話やビデオチャットを通じてのインタビューが適している。
テキストベースのチャットやインスタントメッセージは、相手の表情や声の抑揚などがわからないため、相手の感情や発言の意図を把握しにくい。
そのため、テキストベースのチャットやインスタントメッセージは、他に妥当な方法がない場合のみ使用するようにしたほうがよい。
部品: 日程調整
インタビューする相手と方法が決まったら、その日程について決める。
いくつかインタビュー日時の候補を挙げて選んでもらうとよい。
公共の場で対面する場合は併せて場所の候補も挙げておく。
インタビューには準備の時間が必要である。
また遅刻した場合やインタビュー時間を延長したい場合も考慮したほうがよい。
インタビュー後に重要な点を書きまとめ、休憩する時間も必要である。
インタビューから数日以上経過すると、まとめを書くのが億劫になるからである。
そのため、同日に複数名のインタビューをおこなう場合はインタビューの前後に充分な時間を空けておくとよい。
部品: 質問内容
インタビューで確認すべきことはいくつかある。
まずひとつは「顧客は現在、どのように課題に対処しているか」である。
普段対処している方法は慣れ親しんだものであり、ある程度効果があるため、これから作る製品やサービスと競合する。
また、その対処方法によって、顧客が物事をどのように解釈しているか知ることができる。
「はい」「いいえ」で答えられる質問は、誘導尋問になっている恐れがあり、回答が参考にならないため、避けるべきである。
また、誘導尋問になっていない場合でも「はい」「いいえ」で答えられる質問は回答が表面的になってしまうため、「いつ誰とその行動を行っているか」「なぜその方法でおこなっているか」を具体的に説明してもらうことが重要である。
行動は将来におこなう予定ではなく、現在について確認するべきである。
なぜ現在について確認するかというと、いつかする予定はただの願望でしかないが、すでにおこなっている行動は今すぐ解決したい切実な課題に由来すると考えられるからである。
質問の例としては、たとえば「一番最近その問題を対処したときについて教えてください」「先月何回対処しましたか」などである。
現在利用している製品やサービスを擬人化し、「あなたはどのような仕事をしてもらうために彼(または彼女)を雇いましたか」とインタビューの相手に問うのも有効である。
製品やサービスの購入者と利用者が同じとは限らない。
たとえば、玩具を買うのは親だが使うのは子供だったり、患者に対し医薬品や医療機器を使うがどの医薬・医療機器を使うか選ぶのは医師や薬剤師などの医療従事者で支払いは医療保険だったりする。
そのため、購入や利用に関係する利害関係者についても質問したほうがよい。
インタビュー相手の回答内容を正しく理解しているか確かめるために、要約を述べて誤りがないか確認するのも重要である。
部品: 模擬練習
実際にインタビューする前に、インタビューの手順を確認するため、模擬練習をおこなったほうがよい。
インタビューの模擬練習の相手は普段接点のない知り合いが望ましい。
たとえば同じ会社の新入社員や、別の部署の社員である。
親しい家族や親友が練習相手だと、インタビュー中にまじめな態度を保つことが難しいため、避けたほうがよい。
模擬練習が終わったら、インタビューの方法に問題がなかったか、どのような点を改善したらよいか、意見を求めるとよい。
部品: 記録
録音する場合は、許可なく録音すると法的に訴えられる恐れがあるため、必ず相手の許可を得ること。
録音するとインタビューが堅苦しくなったり、相手が慎重になったりするため、録音するか否かは、どちらのほうがより効果的にインタビューできるかで判断するとよい。
ビデオによる撮影は、インタビューの相手が自身の身なりを気にして、よい意見が得られなくなる恐れがあるため、避けたほうがよい。
メモに相手の発言を書き留める場合は、インタビューが終わるまで何が重要か分からないため、相手の発言を要約せずありのままに書くようにする。
意外な内容やインタビュー相手の強い感情がともなった発言は、重要と思われるため、下線を引いたり、丸をつけるなどして、後でわかるようしておいたほうがよい。
部品: ペア・インタビュー
相手から目を離さず質問し、インタビューに専念するため、専任の書記役とペアを組んで記録をお願いしてもよい。
このようにインタビューを行う者が二名一組となってインタビューする方法をペア・インタビューと呼ぶ。
ペア・インタビューは開発者や開発の関係者に顧客との接点を持たせるという意義もある。
目の前で顧客から仮説を否定されても、否定を受け入れ、開発を軌道修正することは容易ではない。
そのため、ペア・インタビューを通じて、開発に従事するなるべく多くの者へ、新たな情報を繰り返し提示し続け、顧客開発で得た情報を有効活用できるように努めたほうがよい。
部品: 態度
インタビュー中は気兼ねなく親しみやすい雰囲気を作り出すようにするほうが望ましい。
インタビュー相手を「お客様」や「顧客」と呼ぶと交渉の雰囲気となるため、望ましくない。
なるべくインタビュー相手に気持ちよく話し続けてもらうようにすることが重要である。
質問に対してインタビュー相手が沈黙したときは、黙って耳を傾けることも有効である。
ただし、長時間の沈黙を何度も繰り返すと印象が悪くなるため、一度長時間(60秒程度)沈黙した後は、相手の話を遮らないよう、数秒程度、間を置くに留めたほうがよい。
インタビューの最後に「貴重な時間を費やしてくれたこと」「役に立つ情報をもらったこと」に感謝を伝え、今後も連絡してよいか確認する。
形だけの感謝は逆効果であるため、本心から感謝を述べたほうがよい。
部品: 検証
五回インタビューを終えれば、心から興奮して語ってくれる相手に出会えるか、もしくはそのような者が紹介されるはずである。
もし五名にインタビューしてもそういったことがなかった場合、インタビューする相手が不適切か、課題と仮定しているものが実際には課題ではないと考えれれる。
理由がどちらにせよ、仮説を棄却する判断材料となる。
十回もインタビューすれば、そのうちの二~三名が似たような不満や願望を口にするパターンが現れる。
そこでそのパターンが存在するか確認するため、以後のインタビューでは「他の人たち」はパターンと反対の行動をしていると伝え、相手の反応を見るとよい。
たとえばパターンが「ナショナルネットで車を調べてから店頭に行く」なら、「他の人たちは、店頭で車を試乗してからナショナルネットで車の情報を調べると言っていますが、あなたが車を買うときはどのようにしていますか」と確認してみる。
そうすることでインタビューの相手は「他の人たち」とどこが似ていて、どこが異なっているか、詳細に回答してくれるようになる。
もし、十名にインタビューしてもパターンが見えてこない場合、インタビューの対象範囲が広すぎたと考えられる。
そのため、業界・職種・生活習慣などの分類をひとつに絞り込むことで、すばやく仮説を検証できるようになる。
充分な数のインタビューをおこなったと判断する目安は、相手の話に驚きを感じなくなってきたころである。
部品: 試作
充分な数のインタビューをおこなったら、インタビュー結果に基づいて製品やサービスを用意する。
リスクや投資を最小限に抑えるため、この製品・サービスは仮説の検証のみを目的としている。
この製品・サービスは、仮説の証明・棄却に充分な情報を得られる程度に実用的である必要がある。
必ずしも仮説検証のための新たな製品を試作する必要はなく、クラウドファンディングで金銭を支払う意思を確認したり、プログラムがあるように見せかけて実際は裏で知類が手動で操作していたり、既存の他社製品・サービスを使ったりすることでも、仮説を検証できる。
まだ存在しない製品に多数の顧客が金銭を支払うようなら、強い需要があると検証できたことになる。
逆に金銭が集まらなかったら、課題解決に充分ではないと考えられる。
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"title": "質問内容",
"description": "インタビューで確認すべきことはいくつかある。\nまずひとつは「顧客は現在、どのように課題に対処しているか」である。\n普段対処している方法は慣れ親しんだものであり、ある程度効果があるため、これから作る製品やサービスと競合する。\nまた、その対処方法によって、顧客が物事をどのように解釈しているか知ることができる。\n「はい」「いいえ」で答えられる質問は、誘導尋問になっている恐れがあり、回答が参考にならないため、避けるべきである。\nまた、誘導尋問になっていない場合でも「はい」「いいえ」で答えられる質問は回答が表面的になってしまうため、「いつ誰とその行動を行っているか」「なぜその方法でおこなっているか」を具体的に説明してもらうことが重要である。\n行動は将来におこなう予定ではなく、現在について確認するべきである。\nなぜ現在について確認するかというと、いつかする予定はただの願望でしかないが、すでにおこなっている行動は今すぐ解決したい切実な課題に由来すると考えられるからである。\n質問の例としては、たとえば「一番最近その問題を対処したときについて教えてください」「先月何回対処しましたか」などである。\n現在利用している製品やサービスを擬人化し、「あなたはどのような仕事をしてもらうために彼(または彼女)を雇いましたか」とインタビューの相手に問うのも有効である。\n製品やサービスの購入者と利用者が同じとは限らない。\nたとえば、玩具を買うのは親だが使うのは子供だったり、患者に対し医薬品や医療機器を使うがどの医薬・医療機器を使うか選ぶのは医師や薬剤師などの医療従事者で支払いは医療保険だったりする。\nそのため、購入や利用に関係する利害関係者についても質問したほうがよい。\nインタビュー相手の回答内容を正しく理解しているか確かめるために、要約を述べて誤りがないか確認するのも重要である。",
"part_type": "part",
"localID": 8
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"title": "模擬練習",
"description": "実際にインタビューする前に、インタビューの手順を確認するため、模擬練習をおこなったほうがよい。\nインタビューの模擬練習の相手は普段接点のない知り合いが望ましい。\nたとえば同じ会社の新入社員や、別の部署の社員である。\n親しい家族や親友が練習相手だと、インタビュー中にまじめな態度を保つことが難しいため、避けたほうがよい。\n模擬練習が終わったら、インタビューの方法に問題がなかったか、どのような点を改善したらよいか、意見を求めるとよい。",
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"localID": 9
},
{
"title": "記録",
"description": "録音する場合は、許可なく録音すると法的に訴えられる恐れがあるため、必ず相手の許可を得ること。\n録音するとインタビューが堅苦しくなったり、相手が慎重になったりするため、録音するか否かは、どちらのほうがより効果的にインタビューできるかで判断するとよい。\nビデオによる撮影は、インタビューの相手が自身の身なりを気にして、よい意見が得られなくなる恐れがあるため、避けたほうがよい。\nメモに相手の発言を書き留める場合は、インタビューが終わるまで何が重要か分からないため、相手の発言を要約せずありのままに書くようにする。\n意外な内容やインタビュー相手の強い感情がともなった発言は、重要と思われるため、下線を引いたり、丸をつけるなどして、後でわかるようしておいたほうがよい。",
"part_type": "part",
"localID": 10
},
{
"title": "ペア・インタビュー",
"description": "相手から目を離さず質問し、インタビューに専念するため、専任の書記役とペアを組んで記録をお願いしてもよい。\nこのようにインタビューを行う者が二名一組となってインタビューする方法をペア・インタビューと呼ぶ。\nペア・インタビューは開発者や開発の関係者に顧客との接点を持たせるという意義もある。\n目の前で顧客から仮説を否定されても、否定を受け入れ、開発を軌道修正することは容易ではない。\nそのため、ペア・インタビューを通じて、開発に従事するなるべく多くの者へ、新たな情報を繰り返し提示し続け、顧客開発で得た情報を有効活用できるように努めたほうがよい。",
"part_type": "part",
"localID": 11
},
{
"title": "態度",
"description": "インタビュー中は気兼ねなく親しみやすい雰囲気を作り出すようにするほうが望ましい。\nインタビュー相手を「お客様」や「顧客」と呼ぶと交渉の雰囲気となるため、望ましくない。\nなるべくインタビュー相手に気持ちよく話し続けてもらうようにすることが重要である。\n質問に対してインタビュー相手が沈黙したときは、黙って耳を傾けることも有効である。\nただし、長時間の沈黙を何度も繰り返すと印象が悪くなるため、一度長時間(60秒程度)沈黙した後は、相手の話を遮らないよう、数秒程度、間を置くに留めたほうがよい。\nインタビューの最後に「貴重な時間を費やしてくれたこと」「役に立つ情報をもらったこと」に感謝を伝え、今後も連絡してよいか確認する。\n形だけの感謝は逆効果であるため、本心から感謝を述べたほうがよい。",
"part_type": "part",
"localID": 12
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{
"title": "検証",
"description": "五回インタビューを終えれば、心から興奮して語ってくれる相手に出会えるか、もしくはそのような者が紹介されるはずである。\nもし五名にインタビューしてもそういったことがなかった場合、インタビューする相手が不適切か、課題と仮定しているものが実際には課題ではないと考えれれる。\n理由がどちらにせよ、仮説を棄却する判断材料となる。\n十回もインタビューすれば、そのうちの二~三名が似たような不満や願望を口にするパターンが現れる。\nそこでそのパターンが存在するか確認するため、以後のインタビューでは「他の人たち」はパターンと反対の行動をしていると伝え、相手の反応を見るとよい。\nたとえばパターンが「ナショナルネットで車を調べてから店頭に行く」なら、「他の人たちは、店頭で車を試乗してからナショナルネットで車の情報を調べると言っていますが、あなたが車を買うときはどのようにしていますか」と確認してみる。\nそうすることでインタビューの相手は「他の人たち」とどこが似ていて、どこが異なっているか、詳細に回答してくれるようになる。\nもし、十名にインタビューしてもパターンが見えてこない場合、インタビューの対象範囲が広すぎたと考えられる。\nそのため、業界・職種・生活習慣などの分類をひとつに絞り込むことで、すばやく仮説を検証できるようになる。\n充分な数のインタビューをおこなったと判断する目安は、相手の話に驚きを感じなくなってきたころである。",
"part_type": "part",
"localID": 13
},
{
"title": "試作",
"description": "充分な数のインタビューをおこなったら、インタビュー結果に基づいて製品やサービスを用意する。\nリスクや投資を最小限に抑えるため、この製品・サービスは仮説の検証のみを目的としている。\nこの製品・サービスは、仮説の証明・棄却に充分な情報を得られる程度に実用的である必要がある。\n必ずしも仮説検証のための新たな製品を試作する必要はなく、クラウドファンディングで金銭を支払う意思を確認したり、プログラムがあるように見せかけて実際は裏で知類が手動で操作していたり、既存の他社製品・サービスを使ったりすることでも、仮説を検証できる。\nまだ存在しない製品に多数の顧客が金銭を支払うようなら、強い需要があると検証できたことになる。\n逆に金銭が集まらなかったら、課題解決に充分ではないと考えられる。",
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"localID": 14
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"expanded": true,
"localID": 0,
"description": "流用可能"
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最終更新:2018年11月28日 21:56