部品構造
- 大部品: 探求学習 RD:6 評価値:4
- 部品: 探求学習とは
- 部品: KWLチャート
- 大部品: 問いづくり RD:4 評価値:3
- 部品: 問いづくりとは
- 部品: ロール・プレイング・ゲーム法
- 部品: ビリヤード法
- 部品: QFT
部品定義
部品: 探求学習とは
探求学習とは、児童・学生・生徒が教材にとらわれることなく、自分自身の興味・関心にもとづいて課題・主題・本題を設定、情報を収集・整理・分析し、なんらかの形で表す学習活動のことである。
探求学習では、教科書の内容を絶対視せず、わかったことと同時に、なにがまだわからないかも明らかに認識することが大切である。
探求学習において、教職員は教える者としてではなく、進行役としての役割が求められる。
部品: KWLチャート
KWLチャートとは、疑問や知識・情報を「知っていること」(know)・「知りたいこと」(want to know)・「知ったこと」(learned)のみっつに分ける教育手法のひとつである。
紙や黒板・ホワイトボード・壁などをK・W・Lのみっつの領域に分け、疑問や知識・情報を直接書いたり、あるいは付箋に書いて貼り付けたりする方法である。
KWLチャートは、KWL表(KWL table)とも呼ばれ、探求学習で使われている。
部品: 問いづくりとは
問いづくりとは、小中高校の探求教育に取り入れられている教育技法のひとつである。
問いづくりは、児童や学生が自ら問いをつくる学習法である。
児童・学生たち自身が「興味・関心を持っていること」「知りたいことはなにか」を考え、その内容を疑問の形で表現し、自分で調べ、まとめ、説明するところまでもっていく。
教職員から与えられた問いではなく、自分自身でつくりだした問いであるため、より主体的に学ぶ力が養われると期待される。
教職員が問いづくりの技法を学び、学生に指導することで、学生の主体性を引き出すことができる。
問いづくりは、質問づくりとも呼ばれている。
問いづくりの技法として、ロール・プレイング・ゲーム法やビリヤード法、QFTなどがある。
部品: ロール・プレイング・ゲーム法
ロール・プレイング・ゲーム法とは、仮想敵を想定し、「自分のもっている武器」「敵のもっている武器」「自分の武器を使うことの副作用」を確認する方法である。
ロール・プレイング・ゲーム法において、武器とは、根拠・証拠・論拠のことである。
つまりロール・プレイング・ゲーム法とは、反対論者を想定することで、論拠を確認する方法である。
ロール・プレイング・ゲーム法は、ある範囲に限られた問いが与えられ、その問いの答えがほぼ決まっているときに使われる。
部品: ビリヤード法
ビリヤード法とは、論文に適切な規模の問いを見つける方法のひとつである。
話題のみが与えられ、まだ問いが設定できなかったり、設定できても答えがわからないときに使われる手法である。
まず話題に問いをぶつけ、その問いに仮の答えや案を書き込む。
その答えや案に対し、さらに問いをぶつけ、新しい問いをつくる。
このように答えに問いをぶつけ続けることで、問いを細分化・詳細化していく技法である。
たとえば歴史上の事件に対し、「その事件を起こしたのは誰か」「なぜその事件を起こしたのか」「どのようにしてその事件を起こしたのか」「事件を防ぐにはどうすべきだったのか」などの問いをぶつけることで、論文の主題を見つけることができる。
部品: QFT
QFTとは、Question Formulation Techniqueの略で、「問いづくりの技法」・「質問づくりの手法」などと訳されている。
QTFは七つの段階から構成される。
/*/
まず教職員が「問いの焦点」を示す。
問いの焦点は、授業の目標を達成するために教職員が示すものである。
児童や生徒が自分自身でよい問いをつくる契機となる「問いの焦点」を考えなければならない。
児童や生徒が多くの問いを思いつけるものなら、問いの焦点は、主題となる単語だけでなく、まとまった文章や絵・図表・写真・動画でもよい。
ただし、教職員の偏見や好みが入らないよう注意しなければならない。
「問いの焦点」は「質問の焦点」とも呼ばれる。
/*/
次に教職員は問いづくりの規則を説明する。
規則は「なるべく多くの問いをつくる」「問いについて話し合ったり、評価したり、答えたりしない」「問いは発言通りに書き出す」「意見や主張は疑問文に直す」の四つである。
はじめてQFTをおこなう場合、なぜこの四つの規則が必要か、どの規則を守るのが難しそうか、生徒同士で数分間話し合う。
話し合いで期待される内容は「なるべく多くの問いをつくるためには、流れを止めないために問いについて話し合わない。とくに評価しないことで、どのような問いを出しても大丈夫という安心感を得る」「発言通りに書き出すことで、出された問いを尊重する」「疑問文に直すことで問いをつくること自体が目的であることを再確認する」などが考えられる。
問いづくりの主体が児童や生徒にあることを明確にするため、規則についての話し合いが期待通りにいかなくても、教職員は規則について解説せず、紹介するのみとする。
/*/
三つ目の段階として、規則にしたがって児童や生徒が問いをつくる。
生徒たちは3名から5名の班に分かれ、そのうちの一名が書記となる。
班員は「問いの焦点」から思いついた問いを次々と言い、初期は番号を付けながら発言通りに書く。
書記も思いついたら声に出して言ってから書く。
声に出すことで、ある生徒の問いが、別の生徒の思考を刺激し、新たな問いを促すためである。
問いをつくる時間は最低でも5分間は必要である。
5分経ったら中断し、各班にいくつの問いができたか確認し、さらに問いを作る時間を設ける。
他の班の問いの数を知ることで刺激を受け、また休憩をはさむことで別の角度から新しい問いを思いつきやすくなる。
/*/
四つ目の段階として、問いを書き換える。
ここでいう問いの書き換えとは、「閉じた問い」を「開いた問い」に、「開いた問い」を「閉じた問い」に書き換えることである。
教職員は児童や生徒に対し、「閉じた問い」と「開いた問い」について説明する。
閉じた問いとは、「はい」「いいえ」やひとつの単語で答えられる問いのことである。
また開いたと問いとは、答えが複数あるため、答えるために説明を必要とする問いのことである。
児童や生徒には、書いた問いがそれぞれ「閉じた問い」か「開いた問い」かに分類してもらう。
そのうえで「閉じた問い」と「開いた問い」の長所と短所について話し合ってもらう。
その後、「閉じた問い」と「開いた問い」をそれぞれ最低ひとつずつ選び、問いを書き換える。
問いを書き換えることで、児童や生徒が問いの表現と問いから得られる答えについて学ぶことが期待される。
/*/
五つ目の段階では、書き出した問いに対し、基準に合うものを児童や学生に三つまで優先順位をつけて選んでもらう。
問いづくり後の学習計画にもとづき、教職員が決めた基準を発表する。
たとえば「内容理解に役立つ問い」「実験をするうえで重要な問い」などの基準である。
どの問いが、基準にもっとも適しているか児童や学生に考えてもらう。
このとき、教職員は選んだ問いを褒めてはいけない。
なぜなら問いを教職員が評価すると、児童や学生が教職員の意見に合わせようとするからである。
児童や学生が例を示すように言ったり、どの問いを選べばよいか問われても、答えてはいけない。
班の中で意見が分かれ、三つに収まらない場合は、各自にひとつずつ選ぶところから始めるよう提案する。
児童や学生がどの問いが基準に合うのか、その理由について話し合う中で、問いについて分析する。
/*/
六つ目の段階として、問いを使ってなにをするか考える。
すべての班から優先順位の高い問いが出そろったところで、児童や生徒に次にどうするか考えてもらう。
問いの中からひとつ選んで探求学習をしたり、あるいは問いの答えを出してそれを新たな「問いの焦点」にすることができる。
この段階を通じて、児童や生徒は次に進む行動を考えるため、案や情報を分析・統合することを学ぶ。
/*/
最後の段階として、児童や生徒に問いづくりの過程を振り返ってもらう。
新しく知ったことや感じたこと、できるようになったことなどを具体例や根拠もつけながら児童や生徒に説明してもらう。
この振り返りによって、問いづくりで学んだことを分析・統合し、異なる状況でも使えるようになる。
提出書式
大部品: 探求学習 RD:6 評価値:4
-部品: 探求学習とは
-部品: KWLチャート
-大部品: 問いづくり RD:4 評価値:3
--部品: 問いづくりとは
--部品: ロール・プレイング・ゲーム法
--部品: ビリヤード法
--部品: QFT
部品: 探求学習とは
探求学習とは、児童・学生・生徒が教材にとらわれることなく、自分自身の興味・関心にもとづいて課題・主題・本題を設定、情報を収集・整理・分析し、なんらかの形で表す学習活動のことである。
探求学習では、教科書の内容を絶対視せず、わかったことと同時に、なにがまだわからないかも明らかに認識することが大切である。
探求学習において、教職員は教える者としてではなく、進行役としての役割が求められる。
部品: KWLチャート
KWLチャートとは、疑問や知識・情報を「知っていること」(know)・「知りたいこと」(want to know)・「知ったこと」(learned)のみっつに分ける教育手法のひとつである。
紙や黒板・ホワイトボード・壁などをK・W・Lのみっつの領域に分け、疑問や知識・情報を直接書いたり、あるいは付箋に書いて貼り付けたりする方法である。
KWLチャートは、KWL表(KWL table)とも呼ばれ、探求学習で使われている。
部品: 問いづくりとは
問いづくりとは、小中高校の探求教育に取り入れられている教育技法のひとつである。
問いづくりは、児童や学生が自ら問いをつくる学習法である。
児童・学生たち自身が「興味・関心を持っていること」「知りたいことはなにか」を考え、その内容を疑問の形で表現し、自分で調べ、まとめ、説明するところまでもっていく。
教職員から与えられた問いではなく、自分自身でつくりだした問いであるため、より主体的に学ぶ力が養われると期待される。
教職員が問いづくりの技法を学び、学生に指導することで、学生の主体性を引き出すことができる。
問いづくりは、質問づくりとも呼ばれている。
問いづくりの技法として、ロール・プレイング・ゲーム法やビリヤード法、QFTなどがある。
部品: ロール・プレイング・ゲーム法
ロール・プレイング・ゲーム法とは、仮想敵を想定し、「自分のもっている武器」「敵のもっている武器」「自分の武器を使うことの副作用」を確認する方法である。
ロール・プレイング・ゲーム法において、武器とは、根拠・証拠・論拠のことである。
つまりロール・プレイング・ゲーム法とは、反対論者を想定することで、論拠を確認する方法である。
ロール・プレイング・ゲーム法は、ある範囲に限られた問いが与えられ、その問いの答えがほぼ決まっているときに使われる。
部品: ビリヤード法
ビリヤード法とは、論文に適切な規模の問いを見つける方法のひとつである。
話題のみが与えられ、まだ問いが設定できなかったり、設定できても答えがわからないときに使われる手法である。
まず話題に問いをぶつけ、その問いに仮の答えや案を書き込む。
その答えや案に対し、さらに問いをぶつけ、新しい問いをつくる。
このように答えに問いをぶつけ続けることで、問いを細分化・詳細化していく技法である。
たとえば歴史上の事件に対し、「その事件を起こしたのは誰か」「なぜその事件を起こしたのか」「どのようにしてその事件を起こしたのか」「事件を防ぐにはどうすべきだったのか」などの問いをぶつけることで、論文の主題を見つけることができる。
部品: QFT
QFTとは、Question Formulation Techniqueの略で、「問いづくりの技法」・「質問づくりの手法」などと訳されている。
QTFは七つの段階から構成される。
/*/
まず教職員が「問いの焦点」を示す。
問いの焦点は、授業の目標を達成するために教職員が示すものである。
児童や生徒が自分自身でよい問いをつくる契機となる「問いの焦点」を考えなければならない。
児童や生徒が多くの問いを思いつけるものなら、問いの焦点は、主題となる単語だけでなく、まとまった文章や絵・図表・写真・動画でもよい。
ただし、教職員の偏見や好みが入らないよう注意しなければならない。
「問いの焦点」は「質問の焦点」とも呼ばれる。
/*/
次に教職員は問いづくりの規則を説明する。
規則は「なるべく多くの問いをつくる」「問いについて話し合ったり、評価したり、答えたりしない」「問いは発言通りに書き出す」「意見や主張は疑問文に直す」の四つである。
はじめてQFTをおこなう場合、なぜこの四つの規則が必要か、どの規則を守るのが難しそうか、生徒同士で数分間話し合う。
話し合いで期待される内容は「なるべく多くの問いをつくるためには、流れを止めないために問いについて話し合わない。とくに評価しないことで、どのような問いを出しても大丈夫という安心感を得る」「発言通りに書き出すことで、出された問いを尊重する」「疑問文に直すことで問いをつくること自体が目的であることを再確認する」などが考えられる。
問いづくりの主体が児童や生徒にあることを明確にするため、規則についての話し合いが期待通りにいかなくても、教職員は規則について解説せず、紹介するのみとする。
/*/
三つ目の段階として、規則にしたがって児童や生徒が問いをつくる。
生徒たちは3名から5名の班に分かれ、そのうちの一名が書記となる。
班員は「問いの焦点」から思いついた問いを次々と言い、初期は番号を付けながら発言通りに書く。
書記も思いついたら声に出して言ってから書く。
声に出すことで、ある生徒の問いが、別の生徒の思考を刺激し、新たな問いを促すためである。
問いをつくる時間は最低でも5分間は必要である。
5分経ったら中断し、各班にいくつの問いができたか確認し、さらに問いを作る時間を設ける。
他の班の問いの数を知ることで刺激を受け、また休憩をはさむことで別の角度から新しい問いを思いつきやすくなる。
/*/
四つ目の段階として、問いを書き換える。
ここでいう問いの書き換えとは、「閉じた問い」を「開いた問い」に、「開いた問い」を「閉じた問い」に書き換えることである。
教職員は児童や生徒に対し、「閉じた問い」と「開いた問い」について説明する。
閉じた問いとは、「はい」「いいえ」やひとつの単語で答えられる問いのことである。
また開いたと問いとは、答えが複数あるため、答えるために説明を必要とする問いのことである。
児童や生徒には、書いた問いがそれぞれ「閉じた問い」か「開いた問い」かに分類してもらう。
そのうえで「閉じた問い」と「開いた問い」の長所と短所について話し合ってもらう。
その後、「閉じた問い」と「開いた問い」をそれぞれ最低ひとつずつ選び、問いを書き換える。
問いを書き換えることで、児童や生徒が問いの表現と問いから得られる答えについて学ぶことが期待される。
/*/
五つ目の段階では、書き出した問いに対し、基準に合うものを児童や学生に三つまで優先順位をつけて選んでもらう。
問いづくり後の学習計画にもとづき、教職員が決めた基準を発表する。
たとえば「内容理解に役立つ問い」「実験をするうえで重要な問い」などの基準である。
どの問いが、基準にもっとも適しているか児童や学生に考えてもらう。
このとき、教職員は選んだ問いを褒めてはいけない。
なぜなら問いを教職員が評価すると、児童や学生が教職員の意見に合わせようとするからである。
児童や学生が例を示すように言ったり、どの問いを選べばよいか問われても、答えてはいけない。
班の中で意見が分かれ、三つに収まらない場合は、各自にひとつずつ選ぶところから始めるよう提案する。
児童や学生がどの問いが基準に合うのか、その理由について話し合う中で、問いについて分析する。
/*/
六つ目の段階として、問いを使ってなにをするか考える。
すべての班から優先順位の高い問いが出そろったところで、児童や生徒に次にどうするか考えてもらう。
問いの中からひとつ選んで探求学習をしたり、あるいは問いの答えを出してそれを新たな「問いの焦点」にすることができる。
この段階を通じて、児童や生徒は次に進む行動を考えるため、案や情報を分析・統合することを学ぶ。
/*/
最後の段階として、児童や生徒に問いづくりの過程を振り返ってもらう。
新しく知ったことや感じたこと、できるようになったことなどを具体例や根拠もつけながら児童や生徒に説明してもらう。
この振り返りによって、問いづくりで学んだことを分析・統合し、異なる状況でも使えるようになる。
インポート用定義データ
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"title": "探求学習",
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"title": "探求学習とは",
"description": "探求学習とは、児童・学生・生徒が教材にとらわれることなく、自分自身の興味・関心にもとづいて課題・主題・本題を設定、情報を収集・整理・分析し、なんらかの形で表す学習活動のことである。\n探求学習では、教科書の内容を絶対視せず、わかったことと同時に、なにがまだわからないかも明らかに認識することが大切である。\n探求学習において、教職員は教える者としてではなく、進行役としての役割が求められる。",
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"title": "問いづくり",
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"title": "問いづくりとは",
"description": "問いづくりとは、小中高校の探求教育に取り入れられている教育技法のひとつである。\n問いづくりは、児童や学生が自ら問いをつくる学習法である。\n児童・学生たち自身が「興味・関心を持っていること」「知りたいことはなにか」を考え、その内容を疑問の形で表現し、自分で調べ、まとめ、説明するところまでもっていく。\n教職員から与えられた問いではなく、自分自身でつくりだした問いであるため、より主体的に学ぶ力が養われると期待される。\n教職員が問いづくりの技法を学び、学生に指導することで、学生の主体性を引き出すことができる。\n問いづくりは、質問づくりとも呼ばれている。\n問いづくりの技法として、ロール・プレイング・ゲーム法やビリヤード法、QFTなどがある。",
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"title": "ロール・プレイング・ゲーム法",
"description": "ロール・プレイング・ゲーム法とは、仮想敵を想定し、「自分のもっている武器」「敵のもっている武器」「自分の武器を使うことの副作用」を確認する方法である。\nロール・プレイング・ゲーム法において、武器とは、根拠・証拠・論拠のことである。\nつまりロール・プレイング・ゲーム法とは、反対論者を想定することで、論拠を確認する方法である。\nロール・プレイング・ゲーム法は、ある範囲に限られた問いが与えられ、その問いの答えがほぼ決まっているときに使われる。",
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"title": "QFT",
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最終更新:2018年11月26日 22:12