看護理論

部品構造


  • 大部品: 看護理論 RD:2 評価値:2
    • 部品: セルフケア
    • 部品: 援助への要求



部品定義


部品: セルフケア

ケア(care)とは、世話すること、介護すること、看護することである。
セルフケア(self-care)とは、自分で自分の健康を管理すること、自分自身の面倒を見ることである。
基本的に健康な知類は、自分のことを自分でケアして生きている。
しかし、健康上の問題があると、セルフケアが不足する。
そのセルフケアが不足している部分を手伝うことが、看護師や支援者の役割である。
看護師や支援者が患者のなにをどう手伝えばよいか分からない場合、まず患者がなにができてなにができないかを観察する。
その後、観察によって得られた情報を呼吸・飲食・排泄・衛生・休息・孤独などの項目に分類し、整理する。
そして、「どうしてできなくなったのか」「もともとどれくらいできていたのか」「どのくらいできるようになればよいのか」を考える。
患者がひとりでできることは、看護師・支援者が手伝う必要はない。
患者がまったくできないことは、看護師や支援者の介助が必要である。
患者が部分的にできることは、その必要性に応じて、看護師・支援者が部分的に介助したり、支持や教育をしたりする。
たとえば、歩行に支障がないにもかかわらず毎日ほとんどベットで過ごしている患者は、休息が長すぎるため、買い物や散歩に誘うなどして活動を促したほうがよいと考えられる。

部品: 援助への要求

医療現場で実際に患者と接し、看護する際において、看護の目的を達成するためには、援助への要求を明らかにする必要がある。
ここでいう看護の目的とは、ひとりの知類が援助を必要と感じている欲求を満たすことである。
/*/
患者がどのような援助を求めているかを明らかにするためには、まず相手を観察し、不整合に気づく。
不整合があるとき、違和を感じる。
たとえば、普段散らかっている患者のベッド周辺が整理整頓されていた場合や、つらい過去について語る患者が満面の笑みだった場合などである。
このような不整合は、止まって観察し傾聴すべき兆候と考える。
自殺企図や重大な自傷他害を振り返る際、普段と様子が違う、つまり不整合があったと報告されることがある。
不整合をすべて認識することで、重大な異変に必ず気づけるわけではない。
しかし、患者がどのような援助を求めているかを明らかにするための最初の段階が不整合の認識である。
そのため、患者にかかわる者は違和を感じたら、どのような小さなものでも一度止まり観察・傾聴することが必要である。
違和を感じたら、まず止まることを習慣にすることが、看護の目的を達成するため、重要である。
/*/
不整合に気づいたら、次に気になったことを表明する。
気になったことを患者に質問してもよい。
気になったことを相手に伝えたことで、相手も援助への要求を出し始める。
それによって、相手が体験している不快の原因を突き止めることができる。
そのうえで、援助が必要か見極める。
/*/
援助への要求を明確にする際、ナーシングプロセスレコードは不整合に気づくため有用な方法である。
ナーシングプロセスレコード(nursing process recording)とは、看護の臨床現場において、医療従事者と患者との経験や記憶を、文章で記録するものである。
ナーシングプロセスレコードは、単にプロセスレコード(process recording)とも呼ばれる。
ナーシングプロセスレコードは、看護師や支援者の自己評価を目的に使うこともできる。
患者とのやり取りを振り返ることで「相手の立場で考えているか」「不整合や不一致がないか」に気づくことができる。
ナーシングプロセスレコードは、「私が知覚したこと(相手の言ったこと・おこなったこと)」「私が考えたこと・感じたこと」「私が言ったこと・おこなったこと」をそれぞれ時系列に書き、場面の再構成をおこなう。
相手の内面を想像することを重視する場合、ナーシングプロセスレコードに「相手が考えたであろうこと・感じたであろうこと」の項目に加えて記録する。
この記録を読み返すことで、その場面で自分がおこなった行動や言動が適切であったか、振り返ることができる。



提出書式


 大部品: 看護理論 RD:2 評価値:2
 -部品: セルフケア
 -部品: 援助への要求
 
 
 部品: セルフケア
 ケア(care)とは、世話すること、介護すること、看護することである。
 セルフケア(self-care)とは、自分で自分の健康を管理すること、自分自身の面倒を見ることである。
 基本的に健康な知類は、自分のことを自分でケアして生きている。
 しかし、健康上の問題があると、セルフケアが不足する。
 そのセルフケアが不足している部分を手伝うことが、看護師や支援者の役割である。
 看護師や支援者が患者のなにをどう手伝えばよいか分からない場合、まず患者がなにができてなにができないかを観察する。
 その後、観察によって得られた情報を呼吸・飲食・排泄・衛生・休息・孤独などの項目に分類し、整理する。
 そして、「どうしてできなくなったのか」「もともとどれくらいできていたのか」「どのくらいできるようになればよいのか」を考える。
 患者がひとりでできることは、看護師・支援者が手伝う必要はない。
 患者がまったくできないことは、看護師や支援者の介助が必要である。
 患者が部分的にできることは、その必要性に応じて、看護師・支援者が部分的に介助したり、支持や教育をしたりする。
 たとえば、歩行に支障がないにもかかわらず毎日ほとんどベットで過ごしている患者は、休息が長すぎるため、買い物や散歩に誘うなどして活動を促したほうがよいと考えられる。
 
 部品: 援助への要求
 医療現場で実際に患者と接し、看護する際において、看護の目的を達成するためには、援助への要求を明らかにする必要がある。
 ここでいう看護の目的とは、ひとりの知類が援助を必要と感じている欲求を満たすことである。
 /*/
 患者がどのような援助を求めているかを明らかにするためには、まず相手を観察し、不整合に気づく。
 不整合があるとき、違和を感じる。
 たとえば、普段散らかっている患者のベッド周辺が整理整頓されていた場合や、つらい過去について語る患者が満面の笑みだった場合などである。
 このような不整合は、止まって観察し傾聴すべき兆候と考える。
 自殺企図や重大な自傷他害を振り返る際、普段と様子が違う、つまり不整合があったと報告されることがある。
 不整合をすべて認識することで、重大な異変に必ず気づけるわけではない。
 しかし、患者がどのような援助を求めているかを明らかにするための最初の段階が不整合の認識である。
 そのため、患者にかかわる者は違和を感じたら、どのような小さなものでも一度止まり観察・傾聴することが必要である。
 違和を感じたら、まず止まることを習慣にすることが、看護の目的を達成するため、重要である。
 /*/
 不整合に気づいたら、次に気になったことを表明する。
 気になったことを患者に質問してもよい。
 気になったことを相手に伝えたことで、相手も援助への要求を出し始める。
 それによって、相手が体験している不快の原因を突き止めることができる。
 そのうえで、援助が必要か見極める。
 /*/
 援助への要求を明確にする際、ナーシングプロセスレコードは不整合に気づくため有用な方法である。
 ナーシングプロセスレコード(nursing process recording)とは、看護の臨床現場において、医療従事者と患者との経験や記憶を、文章で記録するものである。
 ナーシングプロセスレコードは、単にプロセスレコード(process recording)とも呼ばれる。
 ナーシングプロセスレコードは、看護師や支援者の自己評価を目的に使うこともできる。
 患者とのやり取りを振り返ることで「相手の立場で考えているか」「不整合や不一致がないか」に気づくことができる。
 ナーシングプロセスレコードは、「私が知覚したこと(相手の言ったこと・おこなったこと)」「私が考えたこと・感じたこと」「私が言ったこと・おこなったこと」をそれぞれ時系列に書き、場面の再構成をおこなう。
 相手の内面を想像することを重視する場合、ナーシングプロセスレコードに「相手が考えたであろうこと・感じたであろうこと」の項目に加えて記録する。
 この記録を読み返すことで、その場面で自分がおこなった行動や言動が適切であったか、振り返ることができる。
 
 


インポート用定義データ


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最終更新:2020年06月08日 20:32