部品構造
- 大部品: システムの信頼性 RD:10 評価値:5
- 部品: システムの信頼性とは
- 部品: 平均故障間隔
- 部品: 平均修理時間
- 部品: 稼働率
- 大部品: フォールトトレランス RD:4 評価値:3
- 部品: フォールトトレランス・フォールトアボイダンス
- 部品: フェールセーフ
- 部品: フェールソフト
- 部品: フールプルーフ
- 部品: 故障率曲線
- 部品: バックアップ
部品定義
部品: システムの信頼性とは
たとえば、故障していないときは利用者の要望通りで満足するシステムがあったとする。
しかし、そのシステムは、頻繁に故障し、復旧に多くの時間と労力を要する。
そのようなシステムは、安心して仕事を任せることができない。
つまり、非常に優れた機能をもつシステムであっても、故障しやすく復旧に時間がかかるシステムは信頼性が低いと考えられる。
システムの信頼性などを判断する指標として、平均故障間隔・平均修理時間・稼働率などがある。
部品: 平均故障間隔
平均故障間隔(mean time between failure)とは、故障と故障の間隔を平均したものである。
故障していない期間は、問題なく稼働している時間である。
たとえば、あるシステムが故障せずに動いていた期間が50時間・100時間・150時間とする。
その場合、平均故障間隔は、合計時間から平均を計算し、100時間となる。
/*/
平均故障間隔は、「平均するとこの程度の間隔でシステムのどこかが故障する」という目安に用いられる指標である。
平均故障間隔が大きいほど、システムの信頼性が高い。
部品: 平均修理時間
平均修理時間(mean time to repair)とは、修理に要した時間を平均したものである。
つまり、一度故障すると、修理時間としてシステムが稼働できない時間を示している。
たとえば、あるシステムが修理に要した時間がそれぞれ1時間・2時間・3時間とする。
その場合、平均修理時間は、合計時間から平均を計算し、2時間となる。
/*/
平均修理時間は、「平均するとこの程度の時間が、故障時の復旧に要する」という目安に用いられる指標である。
平均修理時間が短いほど、保守性の優れたシステムである。
保守性とは、故障や障害が発生した際、問題を発見し修復する早さのことである。
/*/
平均修理時間は、平均復旧時間(mean time to recovery)や平均解決時間(mean time to resolve)とも呼ばれる。
部品: 稼働率
システムの稼働率とは、システムが導入されてからの全運転時間の中で、正常に稼働していた割合である。
稼働率は、全運転時間で稼働時間を割って計算できる。
たとえば、全運転時間が100時間で、稼働時間が95時間の場合、稼働率は95パーセントである。
稼働率は、「平均故障間隔と平均修理時間の合計」で平均故障間隔を割っても計算できる。
稼働率が100パーセントに近いほど、可用性の優れたシステムである。
可用性とは、必要な時に、いつでも利用できる状態にあることである。
部品: フォールトトレランス・フォールトアボイダンス
フォールトトレランス(fault tolerance)とは、故障・事故・障害などが起きることを前提に、システムが壊れても、その悪影響を低減するような仕組みや考え方のことである。
フォールトトレランスを実現する方法には、フェールセーフ・フェールソフト・フールプルーフなどがある。
フォールトトレランスは、フォールトトレラント(fault tolerant)とも呼ばれる。
/*/
フォールトアボイダンス(fault avoidance)とは、品質管理やテストなどを通じて、システムの構成要素の信頼性を高め、故障・事故・障害などの発生そのものを防ごうとする考え方である。
たとえば、信頼性の高い部品や材料を採用したり、試験や検証を徹底したり、作業要員や利用者に対し教育や訓練を充実させたりといった方法がある。
フォールトアボイダンスは、フォールトトレランスと対になる考え方である。
部品: フェールセーフ
フェールセーフ(fail safe)とは、故障が発生した際、安全性を確保する方向で壊れるようにしておく方法である。
たとえば、信号機が故障した場合、青信号が点灯し続けるよりも、赤信号が点灯し続けるほうが交通事故を防げる。
また、石油ストーブが点灯した場合、自動的に火が消えたほうが火災を防げる。
工作機械が停電で停止した場合、再び通電した際、作業者が再起動操作をしなければ再び動かないようにすれば、意図せず機械が動作したことによる労働災害を防げる。
このように、故障した際の安全性を優先し、障害が致命的な問題に発展することを防ぐものがフェールセーフである。
部品: フェールソフト
フェールソフト(fail soft)とは、故障が発生した際、システム全体を停止せず、一部の機能を切り離すなどして、動作の継続を試みる方法である。
たとえば、複数の推進器をもつ旅客機は、推進器がひとつ故障しても、飛び続けられる。
また、電気機械器具は、蓄電池や自家発電での運転に切り替えることで、停電時も使い続けられる。
このように、故障した際の継続性を優先し、機能が低下しても障害発生時に使い続けられるものがフェールソフトである。
部品: フールプルーフ
知類は、思い違いをしたり、判断を誤ったり、見誤りや見落としをするものである。
フールプルーフ(foolproof)とは、利用者は操作を誤るものであるという視点から、操作に不慣れな者が利用しても、誤作動しないよう安全対策を施すことである。
たとえば、ドアを閉めなければ加熱できないようにすることは、電子レンジのフールプルーフである。
また、安全装置を解除しなければ引き金を引けないようにすることは、銃のフールプルーフである。
工作機械で手が挟まれないよう、両手で同時に操作しないと機械が作動しないようにすることは、工作機械のフールプルーフである。
このように、意図しない使い方をしても、故障や事故を防ぐものがフールプルーフである。
部品: 故障率曲線
機械や装置は、いつか必ず壊れるものである。
故障率曲線とは、故障の発生頻度と時間の関係を図示したものである。
故障率曲線は、その時期によって、初期故障期・偶発故障期・摩耗故障期に分類できる。
/*/
初期故障期(early failure period)とは、機械や装置の導入初期である。
初期故障期では、製造上の欠陥によって初期故障が発生するおそれがあるが、時間の経過によって故障率が減少する。
/*/
偶発故障期(intrinsic failure period)とは、初期故障期が終わってから摩耗故障期が始まるまでの期間である。
偶発故障期では、製造上の欠陥による故障は時間の経過によって減衰しているが、軽微な欠陥は依然として残るため、操作の誤りなどによる偶発的な故障は発生する。
そのため、偶発故障期は、故障率がほぼ一定の、安定した状態である。
/*/
摩耗故障期(wear-out failure period)とは、構成要素の劣化によって、製品寿命が近づいてきた時期である。
摩耗故障期では、装置の摩耗によって故障率が時間とともに増加する。
/*/
故障率曲線は、その形が浴槽に似ているため、バスタブ曲線(bathtub curve)とも呼ばれる。
部品: バックアップ
データやプログラムは、利用者の操作誤りや悪意のある操作、システムの故障などで削除・破損・盗難されるおそれがある。
バックアップ(backup)とは、様々な危険からデータを守るため、あらかじめデータやプログラムの複製をとることである。
また、複製されたデータやプログラムもバックアップと呼ばれる。
/*/
データを複製する際、留意すべき点がいくつかある。
たとえば、複製されたデータが存在しても、それが大昔の古いデータだと、今は有用ではない場合がある。
そのため、データの重要性や更新頻度にあわせて、適切な周期で定期的に最新のデータを複製する必要がある。
また、データを複製する記録媒体が元データと同じ場所だと、その媒体が故障した際、バックアップごとデータが失われてしまう。
そのため、データを複製する記録媒体は元データと分けたほうがよい。
処理途中の不完全なデータを複製すると、データの一貫性が失われるおそれがある。
そのため、データを複製する際は、なるべく処理していない時間帯におこなったほうがよい。
/*/
バックアップには、フルバックアップ・差分バックアップ・増分バックアップに分類される。
フルバックアップとは、保存されたすべてのデータを複製するものである。
フルバックアップは、ひとつのバックアップにすべての内容が含まれているため、障害発生時には直前のバックアップだけで元の状態に戻せる。
しかし、フルバックアップは、データ量が大きくなるため、大容量の記録媒体が必要になり、データの複製に時間がかかる欠点がある。
差分バックアップとは、直近のフルバックアップ以後に、作成・変更されたデータだけを複製するものである。
差分バックアップは、障害発生時に直近のフルバックアップと組み合わせなければ、元の状態に戻せない欠点がある。
しかし、差分バックアップはフルバックアップと比べ、データ量が少なく、データ複製の処理時間も短いという利点がある。
増分バックアップとは、バックアップの種類に関係なく、前回のバックアップ以降に作成・変更されたデータを複製するものである。
増分バックアップは、差分バックアップと比べ、データ量が少なく、データ複製の処理時間も短いという利点がある。
しかし、障害発生時に、直近のフルバックアップ以降におこなわれたすべての増分バックアップが必要となる。
複数の増分バックアップから時系列準に復旧する必要があるため、復旧作業が複雑になり、時間もかかる。
提出書式
大部品: システムの信頼性 RD:10 評価値:5
-部品: システムの信頼性とは
-部品: 平均故障間隔
-部品: 平均修理時間
-部品: 稼働率
-大部品: フォールトトレランス RD:4 評価値:3
--部品: フォールトトレランス・フォールトアボイダンス
--部品: フェールセーフ
--部品: フェールソフト
--部品: フールプルーフ
-部品: 故障率曲線
-部品: バックアップ
部品: システムの信頼性とは
たとえば、故障していないときは利用者の要望通りで満足するシステムがあったとする。
しかし、そのシステムは、頻繁に故障し、復旧に多くの時間と労力を要する。
そのようなシステムは、安心して仕事を任せることができない。
つまり、非常に優れた機能をもつシステムであっても、故障しやすく復旧に時間がかかるシステムは信頼性が低いと考えられる。
システムの信頼性などを判断する指標として、平均故障間隔・平均修理時間・稼働率などがある。
部品: 平均故障間隔
平均故障間隔(mean time between failure)とは、故障と故障の間隔を平均したものである。
故障していない期間は、問題なく稼働している時間である。
たとえば、あるシステムが故障せずに動いていた期間が50時間・100時間・150時間とする。
その場合、平均故障間隔は、合計時間から平均を計算し、100時間となる。
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平均故障間隔は、「平均するとこの程度の間隔でシステムのどこかが故障する」という目安に用いられる指標である。
平均故障間隔が大きいほど、システムの信頼性が高い。
部品: 平均修理時間
平均修理時間(mean time to repair)とは、修理に要した時間を平均したものである。
つまり、一度故障すると、修理時間としてシステムが稼働できない時間を示している。
たとえば、あるシステムが修理に要した時間がそれぞれ1時間・2時間・3時間とする。
その場合、平均修理時間は、合計時間から平均を計算し、2時間となる。
/*/
平均修理時間は、「平均するとこの程度の時間が、故障時の復旧に要する」という目安に用いられる指標である。
平均修理時間が短いほど、保守性の優れたシステムである。
保守性とは、故障や障害が発生した際、問題を発見し修復する早さのことである。
/*/
平均修理時間は、平均復旧時間(mean time to recovery)や平均解決時間(mean time to resolve)とも呼ばれる。
部品: 稼働率
システムの稼働率とは、システムが導入されてからの全運転時間の中で、正常に稼働していた割合である。
稼働率は、全運転時間で稼働時間を割って計算できる。
たとえば、全運転時間が100時間で、稼働時間が95時間の場合、稼働率は95パーセントである。
稼働率は、「平均故障間隔と平均修理時間の合計」で平均故障間隔を割っても計算できる。
稼働率が100パーセントに近いほど、可用性の優れたシステムである。
可用性とは、必要な時に、いつでも利用できる状態にあることである。
部品: フォールトトレランス・フォールトアボイダンス
フォールトトレランス(fault tolerance)とは、故障・事故・障害などが起きることを前提に、システムが壊れても、その悪影響を低減するような仕組みや考え方のことである。
フォールトトレランスを実現する方法には、フェールセーフ・フェールソフト・フールプルーフなどがある。
フォールトトレランスは、フォールトトレラント(fault tolerant)とも呼ばれる。
/*/
フォールトアボイダンス(fault avoidance)とは、品質管理やテストなどを通じて、システムの構成要素の信頼性を高め、故障・事故・障害などの発生そのものを防ごうとする考え方である。
たとえば、信頼性の高い部品や材料を採用したり、試験や検証を徹底したり、作業要員や利用者に対し教育や訓練を充実させたりといった方法がある。
フォールトアボイダンスは、フォールトトレランスと対になる考え方である。
部品: フェールセーフ
フェールセーフ(fail safe)とは、故障が発生した際、安全性を確保する方向で壊れるようにしておく方法である。
たとえば、信号機が故障した場合、青信号が点灯し続けるよりも、赤信号が点灯し続けるほうが交通事故を防げる。
また、石油ストーブが点灯した場合、自動的に火が消えたほうが火災を防げる。
工作機械が停電で停止した場合、再び通電した際、作業者が再起動操作をしなければ再び動かないようにすれば、意図せず機械が動作したことによる労働災害を防げる。
このように、故障した際の安全性を優先し、障害が致命的な問題に発展することを防ぐものがフェールセーフである。
部品: フェールソフト
フェールソフト(fail soft)とは、故障が発生した際、システム全体を停止せず、一部の機能を切り離すなどして、動作の継続を試みる方法である。
たとえば、複数の推進器をもつ旅客機は、推進器がひとつ故障しても、飛び続けられる。
また、電気機械器具は、蓄電池や自家発電での運転に切り替えることで、停電時も使い続けられる。
このように、故障した際の継続性を優先し、機能が低下しても障害発生時に使い続けられるものがフェールソフトである。
部品: フールプルーフ
知類は、思い違いをしたり、判断を誤ったり、見誤りや見落としをするものである。
フールプルーフ(foolproof)とは、利用者は操作を誤るものであるという視点から、操作に不慣れな者が利用しても、誤作動しないよう安全対策を施すことである。
たとえば、ドアを閉めなければ加熱できないようにすることは、電子レンジのフールプルーフである。
また、安全装置を解除しなければ引き金を引けないようにすることは、銃のフールプルーフである。
工作機械で手が挟まれないよう、両手で同時に操作しないと機械が作動しないようにすることは、工作機械のフールプルーフである。
このように、意図しない使い方をしても、故障や事故を防ぐものがフールプルーフである。
部品: 故障率曲線
機械や装置は、いつか必ず壊れるものである。
故障率曲線とは、故障の発生頻度と時間の関係を図示したものである。
故障率曲線は、その時期によって、初期故障期・偶発故障期・摩耗故障期に分類できる。
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初期故障期(early failure period)とは、機械や装置の導入初期である。
初期故障期では、製造上の欠陥によって初期故障が発生するおそれがあるが、時間の経過によって故障率が減少する。
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偶発故障期(intrinsic failure period)とは、初期故障期が終わってから摩耗故障期が始まるまでの期間である。
偶発故障期では、製造上の欠陥による故障は時間の経過によって減衰しているが、軽微な欠陥は依然として残るため、操作の誤りなどによる偶発的な故障は発生する。
そのため、偶発故障期は、故障率がほぼ一定の、安定した状態である。
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摩耗故障期(wear-out failure period)とは、構成要素の劣化によって、製品寿命が近づいてきた時期である。
摩耗故障期では、装置の摩耗によって故障率が時間とともに増加する。
/*/
故障率曲線は、その形が浴槽に似ているため、バスタブ曲線(bathtub curve)とも呼ばれる。
部品: バックアップ
データやプログラムは、利用者の操作誤りや悪意のある操作、システムの故障などで削除・破損・盗難されるおそれがある。
バックアップ(backup)とは、様々な危険からデータを守るため、あらかじめデータやプログラムの複製をとることである。
また、複製されたデータやプログラムもバックアップと呼ばれる。
/*/
データを複製する際、留意すべき点がいくつかある。
たとえば、複製されたデータが存在しても、それが大昔の古いデータだと、今は有用ではない場合がある。
そのため、データの重要性や更新頻度にあわせて、適切な周期で定期的に最新のデータを複製する必要がある。
また、データを複製する記録媒体が元データと同じ場所だと、その媒体が故障した際、バックアップごとデータが失われてしまう。
そのため、データを複製する記録媒体は元データと分けたほうがよい。
処理途中の不完全なデータを複製すると、データの一貫性が失われるおそれがある。
そのため、データを複製する際は、なるべく処理していない時間帯におこなったほうがよい。
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バックアップには、フルバックアップ・差分バックアップ・増分バックアップに分類される。
フルバックアップとは、保存されたすべてのデータを複製するものである。
フルバックアップは、ひとつのバックアップにすべての内容が含まれているため、障害発生時には直前のバックアップだけで元の状態に戻せる。
しかし、フルバックアップは、データ量が大きくなるため、大容量の記録媒体が必要になり、データの複製に時間がかかる欠点がある。
差分バックアップとは、直近のフルバックアップ以後に、作成・変更されたデータだけを複製するものである。
差分バックアップは、障害発生時に直近のフルバックアップと組み合わせなければ、元の状態に戻せない欠点がある。
しかし、差分バックアップはフルバックアップと比べ、データ量が少なく、データ複製の処理時間も短いという利点がある。
増分バックアップとは、バックアップの種類に関係なく、前回のバックアップ以降に作成・変更されたデータを複製するものである。
増分バックアップは、差分バックアップと比べ、データ量が少なく、データ複製の処理時間も短いという利点がある。
しかし、障害発生時に、直近のフルバックアップ以降におこなわれたすべての増分バックアップが必要となる。
複数の増分バックアップから時系列準に復旧する必要があるため、復旧作業が複雑になり、時間もかかる。
インポート用定義データ
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最終更新:2021年04月04日 17:34