退院支援マップ

部品構造


  • 大部品: 退院支援マップ RD:4 評価値:3
    • 部品: 退院支援マップとは
    • 部品: 入院したきっかけ・症状
    • 部品: モニタリングシート
    • 部品: お守りプラン



部品定義


部品: 退院支援マップとは

退院支援マップとは、入院直後から患者が自分の症状や状況を客観的に理解し、対処法の知識を得て、実践するまでを一連の手順にしたものである。
退院支援マップは、回転ドア現象を防ぐ目的で、医療従事者が協同で作り上げた。
精神科急性期医療において回転ドア現象とは、患者の精神症状が改善し、退院しても、しばらくすると通院・服薬を中断して症状が再燃し再入院することである。
回転ドア現象は、精神科急性期医療の課題である。
精神疾患を持つ患者は、自分自身の体調や症状、不調になりやすい原因などについて、適切に理解することが難しい状態になっている。
そのため、患者や家族に対し、症状の再発を予防する目的で教育しても、患者自身は「自分には関係ないことだ」と思い、疾患や治療への理解を得られないことが多い。
退院支援マップは、患者が自分の行動や状況などを意識的に把握できるようにするため、毎日定期的に自分の状況について意識する機会を作るものである。
また、退院支援マップを用いることで、医療従事者の間でも、患者の病状や治療過程、目標などを共有できるようになる。

部品: 入院したきっかけ・症状

退院支援マップには、入院したきっかけや症状を列挙したシートがある。
たとえば、入院したきっかけには「環境の変化」「金銭問題」「人間関係の問題」などが、症状には不眠・不安・食欲減退・幻聴・希死念慮などが、それぞれ平易な表現でシートに列挙されている。
患者に退院支援マップを使用する際は、まず退院支援マップを患者に紹介し、その目的や目標を説明する。
そして、入院したきっかけを医療従事者とともに振り返る。
項目が明示されているため、医療従事者は入院する前の状況について患者に質問しやすく、患者も何について質問されているかが理解しやすい。
次に症状の列挙を確認しながら、現在、患者が主観的に感じている症状と、医療従事者から見た客観的な症状であてはまるものを話し合い、共有する。
患者が感じる症状のつらさは、このとき初めて医療従事者が理解できることもある。
ここまでの過程で、患者は症状への関心と自覚を持ちはじめているため、その課題を改善するために作業療法や認知行動療法を受けるよううながすと、多くの患者は参加に意欲を示すようになる。

部品: モニタリングシート

退院支援マップには、自分の体調・気分を自覚することに取り組むためのモニタリングシートがある。
モニタリングシートには、日付・体温・脈拍・血圧・睡眠の満足度・気持ち・予定などを記入する欄がある。
患者は医療従事者と対話しながら、モニタリングシートの各項目を毎日記載する。
記入された内容を確認することで、どのような時に気分が不安定になりやすいか、いらだちやすいか、予定や体調との関連などが可視化できる。
この可視化によって、患者は自分の状態を客観的に理解しやすくなる。
さらに退院支援マップには、対処法の評価を記入するシートがある。
このシートは、調子が悪くなった際、改善するためになにをして、その結果がどう変わったかを評価して記入する。
記入した対処法とその評価を振り返ることで、患者は自分に効果のある対処法がわかるようになる。

部品: お守りプラン

モニタリングシートや対処法の評価から、患者は自分の調子が悪くなる兆候を認識できるようになる。
そこで、悪化の兆候に気づいた際、対処するためのお守りプランを作る。
お守りプランには、「調子が悪くなる兆候」「自分ですること」「誰かにしてもらいたいこと」「してもらいたくないこと」を記入する。
これらを記入する際は、調子が悪くてもできるくらい単純な内容にする。
たとえば、「自分ですること」なら「音楽を聴く」「散歩する」「お菓子を食べる」「頓服を飲む」など、その患者にとって適切な対処法を記入する。



提出書式


 大部品: 退院支援マップ RD:4 評価値:3
 -部品: 退院支援マップとは
 -部品: 入院したきっかけ・症状
 -部品: モニタリングシート
 -部品: お守りプラン
 
 
 部品: 退院支援マップとは
 退院支援マップとは、入院直後から患者が自分の症状や状況を客観的に理解し、対処法の知識を得て、実践するまでを一連の手順にしたものである。
 退院支援マップは、回転ドア現象を防ぐ目的で、医療従事者が協同で作り上げた。
 精神科急性期医療において回転ドア現象とは、患者の精神症状が改善し、退院しても、しばらくすると通院・服薬を中断して症状が再燃し再入院することである。
 回転ドア現象は、精神科急性期医療の課題である。
 精神疾患を持つ患者は、自分自身の体調や症状、不調になりやすい原因などについて、適切に理解することが難しい状態になっている。
 そのため、患者や家族に対し、症状の再発を予防する目的で教育しても、患者自身は「自分には関係ないことだ」と思い、疾患や治療への理解を得られないことが多い。
 退院支援マップは、患者が自分の行動や状況などを意識的に把握できるようにするため、毎日定期的に自分の状況について意識する機会を作るものである。
 また、退院支援マップを用いることで、医療従事者の間でも、患者の病状や治療過程、目標などを共有できるようになる。
 
 部品: 入院したきっかけ・症状
 退院支援マップには、入院したきっかけや症状を列挙したシートがある。
 たとえば、入院したきっかけには「環境の変化」「金銭問題」「人間関係の問題」などが、症状には不眠・不安・食欲減退・幻聴・希死念慮などが、それぞれ平易な表現でシートに列挙されている。
 患者に退院支援マップを使用する際は、まず退院支援マップを患者に紹介し、その目的や目標を説明する。
 そして、入院したきっかけを医療従事者とともに振り返る。
 項目が明示されているため、医療従事者は入院する前の状況について患者に質問しやすく、患者も何について質問されているかが理解しやすい。
 次に症状の列挙を確認しながら、現在、患者が主観的に感じている症状と、医療従事者から見た客観的な症状であてはまるものを話し合い、共有する。
 患者が感じる症状のつらさは、このとき初めて医療従事者が理解できることもある。
 ここまでの過程で、患者は症状への関心と自覚を持ちはじめているため、その課題を改善するために作業療法や認知行動療法を受けるよううながすと、多くの患者は参加に意欲を示すようになる。
 
 部品: モニタリングシート
 退院支援マップには、自分の体調・気分を自覚することに取り組むためのモニタリングシートがある。
 モニタリングシートには、日付・体温・脈拍・血圧・睡眠の満足度・気持ち・予定などを記入する欄がある。
 患者は医療従事者と対話しながら、モニタリングシートの各項目を毎日記載する。
 記入された内容を確認することで、どのような時に気分が不安定になりやすいか、いらだちやすいか、予定や体調との関連などが可視化できる。
 この可視化によって、患者は自分の状態を客観的に理解しやすくなる。
 さらに退院支援マップには、対処法の評価を記入するシートがある。
 このシートは、調子が悪くなった際、改善するためになにをして、その結果がどう変わったかを評価して記入する。
 記入した対処法とその評価を振り返ることで、患者は自分に効果のある対処法がわかるようになる。
 
 部品: お守りプラン
 モニタリングシートや対処法の評価から、患者は自分の調子が悪くなる兆候を認識できるようになる。
 そこで、悪化の兆候に気づいた際、対処するためのお守りプランを作る。
 お守りプランには、「調子が悪くなる兆候」「自分ですること」「誰かにしてもらいたいこと」「してもらいたくないこと」を記入する。
 これらを記入する際は、調子が悪くてもできるくらい単純な内容にする。
 たとえば、「自分ですること」なら「音楽を聴く」「散歩する」「お菓子を食べる」「頓服を飲む」など、その患者にとって適切な対処法を記入する。
 
 


インポート用定義データ


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最終更新:2021年11月06日 20:58