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タナトスの指チームルーム
 

そこで男・・・タナトスの指マスターでもある幽は一人目の前に出したパネルを見つめる


 

そこには小さき日の自分と幽の両親が映っていた


 

「もうすぐだ・・・もうすぐ詰めるはずなんだ・・・すぐにあの男をそっちに送ってあげるからね・・・父さん・・母さん・・」


 

その言葉には強い意志が宿っているように感じる


 

「まあ一人で勝手な決意してるとこ悪いけど・・・頼まれてたもののデータ、本部のサーバーから取ってきたよ?」


 

その言葉を聞いて男はソファから体を起こす


 

「ありがとう、いつもすまないな・・ミケ」


 

ミケと呼ばれたその女性は深紅のような真っ赤な髪を持つ女性だ


 

耳が大きく先端がとがっていることからニューマンといわれる種族だとわかる


 

「これくらい朝飯前さ、正直なんで今度来る新人のデータなんて欲しがるんだい?僕には理解不能だよ・・・・と依頼を受けた時は思ったけどね」


 

「ほう?なら成果はあったわけだ」


 

幽は楽しそうに笑う


 

「ああ!詳しいことは後で君に直接送るとして・・・これを見てごらんよ。」


 

そして1つのパネルを幽に見えるようにスライドさせる


 

「見てくれれば分かると思うけど、実は、この子も10年前から君と同じで両親がいない」


 

幽はそれを聞いても動じた様子を見せずゆっくりと問う


 

「ふむ・・・まさか俺と同じであの船の事件か?」


 

そう問う幽は一見、興味無さそうにしているが目が少し楽しそうに見える


 

「そうだ・・・君と同じだシップ・アルカディア・・・・この子も、あの事件の数少ない生き残りさ、しかも君と同じで復讐のためにアークスになったときている・・つまり・・・だ」


 

「あの日の真実を・・・この子に教えれば」


 

「ああ!君の数少ない理解者となってくれるはずだ・・・それに戦力にもね?」


 

それを聞いた幽はパネル操作を始めて・・・急かすように言い放つ


 

「・・・早くその子のデータを送ってくれ!」


 

「はいはい・・・もう、女性をあまり急かすんじゃないよ・・・まったく」


 

送られてきたメールボックスからタブを開き目を通す


 

一番上に書かれたその子の名は・・・・貂火


 

そのプロフィール表や現在の使用武器、経歴など細かなデータの一つ一つをしっかりと頭に入れながら窓際まで歩く


 

「・・・・明日が楽しみだな・・・・」


 

その言葉は静かに静かに・・・美しい宇宙空間に溶けて行った




 

8章    タナトスの指(~新しい居場所~)



 

私がキラさんに連れられやってきたこの場所


 

チームタナトス専用チームルームには


 

結構人がいるように感じる


 

「オッス!みんな!新人連れてきたぞ~」


 

キラさんは楽しそうに手を振ると


 

その言葉を聞いた人たちが座っていた椅子や水やりをしていた手を止める


 

「お~それが噂の新人さんか・・・ふーん結構かわいいな・・・どうだい?この後で飯でも・・・」


 

初対面の相手に気安く話しかけてくる帽子をかぶった髪の長い男性、髪は少し黄色がかっていて耳はニューマン特有のとがりがあった


 

「おい!金ぴか!いきなりそれは失礼だろ?まずはあいさつからだ!」


 

全身が緑で統一されたキャストの方がすかさず注意する


 

「なんだよ~ミドリン!少しはいいじゃねーか!」


 

「まあまあ・・・天さん落ち付いて・・・」


 

キラさんは苦笑を浮かべながら男性をなだめる


 

「女の子はまず口説く!それが俺のモットーなんだ!」


 

力強く叫ぶ目の前の変態(仮)名前は天というらしい


 

「俺はミドリムシっていうんだ。よろしくな!新人さん?」


 

普通な感じであいさつをしてくるミドリムシさん


 

「おいミケー!おまえも来いよー」


 

キラさんがブンブン手を振る


 

「なんだ?キラ・・僕は忙し・・・ん?」


 

ミケと呼ばれた女性は5つものパネルを操作していた手を止め、声を上げる


 

「ほう・・・君か・・・君のことはいろいろ知っているよ・・・・よろしく、貂火ちゃん」


 

あいさつされた私も挨拶を返そうとして1つ疑問に思ったことを述べる


 

「あの・・・なんで私の名前を?・・・・それにいろいろ知ってるって?」


 

そう問う私の言葉を聞いたミケさんは・・・


 

「もちろん!ハッキングだが?」


 

当然といった感じでこう言った


 

「・・・・・・・」


 

黙ってしまう私の耳元に口を寄せたミケさんはさらにこう呟く


 

「ほかにもいろいろ知っているよ・・・君の過去とか・・・両親のこととか・・・・目的とか・・・・ね?」


 

そしてすぐさま顔を離すと歩き去ってしまった


 

ミケさん・・・不思議で・・・危ない女性かもしれない・・・・気をつけよう


 

そんな話をしているとソファから1人の男が体を起こすのが見えた


 

「なんだ・・・騒々しいな・・人がせっかく気持ちよく寝てんのによ・・・」


 

そう言った男性も私を見た瞬間目を見開いたのが見えた・・・そしてすぐに戻す


 

「少し早いがみんないるな・・・ちょっとこのあと用事あっから早めに会議を始めよう。いないのは大佐だけか、おい!クリス!メールしておいてくれ」


 

「もう・・・めんどくさいのはいつも私ですねえ・・・・まあいいですけど・・・」


 

クリスと呼ばれた小さなキャストの女の子はパネルを少し操作した後・・・


 

「送りましたよ?返信も来ました!さすが早いですねえ・・・もうすぐほかの新人3名を連れてくるそうです」


 

そういうクリスさんの言葉を聞いた男性は自己紹介を始める


 

「ほかの奴らは新しい仲間である貂火に挨拶は済ませたな?まあどうせ後でみんな自己紹介させるが・・・俺は幽!ここのマスターだ、よろしくな」


 

そう言って差し出された手を私も握り返す


 

「よろしくお願いします!幽さん」


 

あいさつを返し顔をあげた後も幽さんはまだ手を握って私を見つめている


 

「・・・・?あの・・・まだなにか?」


 

「ああ!すまない・・・少し考え事をしていてね、気にしなくていい」


 

そう言って幽さんはみんなのほうを向いた


 

「さあ!定期会議を始めよう!!!」


 

そして私の記念すべき第一回目の会議が始まり・・・チームタナトスの指での新しい日常が始まる




 

                                                       続く
最終更新:2012年11月20日 05:36