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―――・・・銀河系において知的生命体の存在が予測されていた第15惑星の調査が、昨日15時より正式に決定されました。
これに伴い、惑星の名をアムドゥスキアと定め、総勢640名の先発調査隊が第14番ベースシップ『・・・・』に乗艦し、本日9時に―――


ニュースキャスターの男性が黙々とその日のめぼしい話題を読み上げている。
近所の奥様連中や会社の上司に振る世間話には、この朝のニュースというのはなかなか有用な情報源となりうるのだが、そんなことは私の知る由ではないし、
テーブルを挟んで向かいにぼけっと座る彼女にも、心底どうでもいいことだろう。

「グロリア、手が止まってるよ」

私が声をかけると、グロリアは「んぁ・・」などと間の抜けた声を上げて、既にチョコの染み出したコーンフレークのミルクを掻き回した。
自分の目の前にあるのが何物なのか認識するように、彼女は今にも閉じてしまいそうな目でそれをじっと見つめ、結局理解できないまま口に運んだ。

「・・・・ん、うま」

眠そうにしながら、もそもそと朝食を咀嚼する姿は昔と変わらない。
言ってしまえば、子どもっぽくて仕方がない。
これでも今年で齢23になるいっぱしの探究者だと言って、だれが信じるのだろうか。
彼女が幼い頃からずっと面倒を見ている私自身、彼女が引く手数多の一流アークス(未開惑星の探究を生業とする、所謂冒険者のこと)と言われていることを半ば信じきれないでいる。

―――今年の宇宙マグロの漁獲量は昨年の同じ時期に比べ30%増加しており、漁業関係者からは市場価格の急激な下落を懸念する声も上がっており―――


そんな私とグロリアの間を、BGMのようなニュースが流れていく。

―――次のニュースです。シィラ銀河系第6惑星で依然として繰り広げられている自動機械群との戦闘による死傷者数が30人に上り、アークス報道部は隊員の追加派遣を昨日正式に
決定したと発表しました。本惑星の異常D因子数値の観測については、観測から半年がたった今でも、研究者の間では賛否が―――

「・・・・・あ」

ふと、グロリアの瞳が大きく開かれた。

「どうしたの?」

「この星だよ、私が次に行くの」

「・・・は?」

あっけらかんと告げられた。

「三日後に出発するから、今日、仕事終わったら支度を手伝ってくれないかな」

―――なお、現地の記者からは、明らかにダーカーの浸食を受けた機械兵器による襲撃が増加しているとの報告も寄せられており―――

「たぶん、一月くらいで帰るよ。心配しないで、シルビア」




序文・了


惑星シィラ6へと到着したグロリア。
惑星地表に設営されたアークスの駐屯地周辺は磁気嵐に見舞われているらしく、通信もテレパイプで転移することもできない状況になっていた。
嵐が去るのは2時間後。グロリアは安全に転移できる一番近いポイントに降下し、徒歩で駐屯地へ向かうことにした。


道中、惑星シィラ6の遺跡から無作為に転移してくるという機械兵に襲われる。
ワイヤードランスを駆使して全滅させるが、少なからぬダメージを負うグロリア。
直後、新たな機械兵が転移してきた。
3mを越える大型の機械兵相手に苦戦するが、遠方からの援護射撃により、何とか倒すことができた。

援護をしてくれたアークス、女性キャストのイクスと出会う。
パーツ構成はデルタシリーズと呼ばれるもので、後のイオニアシリーズの原形となる。
狙撃用に自身の体をカスタムしている彼女の右目は、銃の照準と連動させるスコープアイになっていた。
イクスはここで見張りの役をしているらしい。
どこにでも転移する機械兵なら、見張りの意味がないのではないかと聞くと、駐屯地には空間転移を阻害する装置がとりつけられており、
自身のいる周囲ものその圏内なのだという。
本来はもう見張りの交代時間なのだが、交代要員が現れず、駐屯地との連絡もつかない状態だった。
グロリアはイクスのホバーバイクに相乗りし、二人は一路、駐屯地へと向かう。

道中、イクスとPTを組んだグロリアは、この星のこれまでの調査結果について話を聞いていた。
中でも興味を惹かれたのは、大気中にろくに活動していないナノマシンが無数に散っているという話だ。
この星で時折発生する磁気嵐は、そのナノマシンが寝相を打つような無造作加減で活動し、発生するものだという。


やがて、駐屯地が目視できる距離になると、その異常が見て取れた。
時折赤く放電する黒い霧のようなものが駐屯地を包み、その中で頻繁にフォトンの発光が見て取れる。
そして、この大気の震えはホバーバイクによるものではない。

「あのフォトンの光り方・・・・駐屯地内で戦闘?」

二人の通信機に、駐屯地内の混乱した会話が混じり始めた

『4番・・い装置が・・・』『3ば・・・人手が・・りない・・!』

「どういう状況?」

「よくはわからないですけど、件の阻害装置の一つが襲われているみたいですね」

言うやいなや、イクスはバイクが地面と垂直になる程の制動をかけ、90度のカーブを描いてまた加速した。

「3番装置を守る人手が足りないみたいですし、そちらへ向かいますよ」

グロリアは思いがけない重力の変化に辟易としながら、イクスに一層強くしがみついた。

「お手柔らかにぇっ――――」

軽口をたたこうとしたグロリアの口は、殺人的な加速と急制動の連続で塞がれてしまった。



バチバチと放電するナノマシンの霧の中、アークスの少年は一人、緊張で固くなった体にフォトンを集め、
いつくるかも知れない敵の攻撃に備えていた。
・視界不良
・足下に機械兵の残骸
両手で構えた身の丈ほどもあるソードは上下に大きく揺れており、少年の息の荒さが視覚的にも判別できた。
敵を追いかけているうちに味方と離れてしまった今、自分を守り、助けてくれるのは自分の肉体しかない。
幸い、このナノマシンの放つ磁気は敵の光熱線平気に干渉するらしく、敵も肉弾戦しか仕掛けてこない。

・不意に芋虫のような自動機械が突撃してくる。
・少年の体を両断しようとするハサミをジャンプで避け、上段からソードを振り下ろす。
・倒すにはいたらず、芋虫は横転しながらも少年へ振り向き、残った部位から機銃を露出させる。
・乱れたフォトンでなんとかソードにシールドを展開させるが、構築の弱い所を射貫かれ、左足大腿部に銃弾を受ける。
・芋虫が撃ちきったところをすかさずソニックアロウを放ち、敵を沈黙させるが、地震もその場に崩れ落ちてしまう。
・フォトンで傷口を塞ぎ応急処置を施そうとするが、敵の新手(巨人型)が現れ、痛烈な一撃を受ける。
・思うように動かない体に悪態をつきながら立ち上がろうとするが、想像以上にダメージを負っているらしく、
 まともに体を動かせそうにない。
・とどめの一撃に巨人型が腕を振り上げた瞬間、ホバーバイクの走り去る音が聞こえ、機械兵の首にワイヤードランスが突き刺さる。
・鋭い叫びと共に、ワイヤーの伸縮により加速をつけた女の跳び蹴りを見舞われた。
・よろける巨人型からランスを抜くや、女は着地することもなく空中で次の動作―――巨人の体にワイヤーを巻き付ける。
・女は巨人の胸部走行を踏み台にしてその頭上に跳躍し、その巨体を引き上げ「せいっ・・!」地面へと叩き付けた。
●このあと少年(ヤング)と女(グロリア)が会話。イクスから援軍を要求する通信を受け、二人は装置へと向かう。
・装置前で戦闘。防衛側のアークスのほぼ4倍の機械兵が装置を破壊せんとして進行している。
・前面を盾で武装した機械兵が固め、その後ろから射撃武器で弾幕を張っている。
・即席のバリケードに身を隠しながらレンジャーとフォースが応戦しているが、強固なシールドを突破できず、
 負傷したHu達は応急器具で治療をしながら、悪態をつきつつ体内のフォトンを練り固め、
 決死の思いで敵が迫るのを待っている。
・敵との白兵戦距離まであと数メートル。それぞれの得物を固く握りしめ、飛びかかるタイミングを見計らう。
・イクスは小数の狙撃が得意なレンジャーを集め、後方から一斉にピアッシングシェルによる狙撃を行う。
 これでシールド持ちの機械兵が数機倒れ、その穴にすかさずランチャーによる砲撃がたたき込まれた。
 フォースが拡げられた防御の穴にフォイエをたたき込むことで機械兵に損害を与える。
 Hu達が飛び込み、片っ端から機械兵を切り刻んでいく。
・次々に数を減らす機械兵。勝利は目前に思えた。
・「クズ鉄共に俺達の力を見せてやるぞ!叫べ!踏み込め!討ち果たせ!!」勝ち鬨をあげるアークス達。
・『ヴヴヴヴウゥゥゥゥ....ンンン』その勝ち鬨を遮る、地響きのようなうなり声
 巨大な両腕をもった巨人の上体を6輪の巨大なキャタピラで支えたなんとも歪な形状の機械兵が、薄れ始めた磁気嵐に大きく影を
 映しながらそびえたっていた
・その余りの大きさに一瞬茫然となるアークス達だったが、再度その巨体がうなりをあげると、全員が弾かれるように行動を再開した。
・残存する機械兵の掃討を優先する者、巨体へと攻撃を開始する者、撤退の準備を始める者。
 てんでばらばらになってしまったアークス達は、そのどれもをまともに行えない
・すっかり晴れた磁気嵐の跡に、剣戟音と破裂音と、アークスの悲鳴だけが響き渡る
 機械兵の掃討におわれるイクスの所に、とある通信が入る。
 「あのデカ物さ。関節狙えば壊せそうじゃない?」
 イクスがデカ物を見上げる。どこからでもその姿を見て取れる巨体故、射線の確保は容易だ。
 だが、肩も肘も手首も、激しく動き回り地上のアークスをなぎ払う中で狙うのは難しい。
 しからば、狙うはただ一つ。敵対者に畏怖を与えるためか、はたまた基は大型機材の作業目的か、人体と同じ構造の上体を持つが故の
 致命的駆動部位。
 腰。
・イクスが秘蔵の弾丸を取り出す。
 ウィークバレットと呼ばれるそれは、射手側でフォトンの濃度をコントロールすることで、あらゆる物質の構成にダメージを与え、
 破壊しやすくする事ができる。
・装填、鈍重とは言えないキャタピラ走行目がけて狙いを定め、放つ
・着弾。見た目には何も変化が見えないが、特殊なフィルターをすることでフォトンが着弾部周辺の物質の結合をいためつけている
 のが赤く発光して見える
・「お膳立てしておきましたよ」「流石は私の女房役」「ふざけてる暇があったら仕事をしてください」
 「もっとゆったり構えないとシワが増えるよ?」「増えません」

・「おい、おい!まだかよ!」
 
最終更新:2013年04月02日 19:34