「…い…。……おい!!相棒!!どうしたんだよ!?」
肩をつかまれたアタシは、ちょっとよろめきながらも、今回パートナーとなった新人アークス、アフィンに顔を向けた。
「ご…ごめん。ちょっとぼーっとしてたみたい…」
「大丈夫か?今回の試験はあんまり辛くないみたいだし、さっさとやって帰ろうぜ?」
「うん…そうだね……」
べつに体調が悪いわけではない。むしろ体はすこぶる元気がいいくらいだ。
今日だって、朝食に大好きなから揚げ食べてきたし、足取りも軽い。これならいざ戦闘というときもある程度余裕がもてる。そんな気分だ。
だけど……今の《声》はいったい……
ファンタシースター・オンライン2
第一章 確立事象
「…いよぉーし!!ここらでちょっと休憩しようぜ?」
「任務中でしょうが」
「大丈夫大丈夫♪今日のノルマはあらかた終わらせたし、まだ作戦時間終了まで時間はたっぷりあるんだ。ちょっとくらいこの景色を堪能しても罰は当たらないって?」
ここ、ナベリウス森林地帯は、いたるところに草木が生えわたっていて、とてもきれいなのだ。
様々な花や植物、樹林、そしてそれらを支える大地の豊かさ。全てが心地いい環境だ。なにより空気がおいしい感じがする。
「なあ相棒?さっきのほんとに大丈夫なのか?」
「え?」
「いやさ……最近ここの調査が進むに連れて行方をくらますアークスがいるだの、変なうわさがとびかってるからさ……ちょっと心配になったんだけど」
「うん…先輩のアークスにも何人か行方知らずになった人がいるのは確かだし……ちょっと心配したほうがいいのかな……?」
アフィンの言う事は、時にすごく芯をついた発言なことがある。そのためか、間に受けてしまってちょっと心配になるのだ。
本当にさっき聞こえた声はなんなのか……
ビー!! ビー!! ビー!!
突如サイレンのような反響音が当たりにこだまする。どうやら警報のようだ。
『ナベリウス全域におけるダーカー出現の観測を確認。ポイントはエリアB6周辺です!!』
「ダーカー!?おい、ナベリウスにはいないはずじゃなかったのかよ!!」
真っ先に反応したアフィンは、驚きを隠せない様子で武器を構える。
そう、エリアB6とは、アタシたちがいるここなのだ。
アタシも武器を構えなきゃ≪ズザァザザザザ≫!!?
突如頭に中に入り込んでくるような感覚がアタシの脳内を襲った。一瞬で足に力が入らなくなる。
「お、おい!!相棒、大丈夫かよ!?相棒!!」
アフィンの声は、アタシの耳には入ってこなかった。変わりにさっきの《声》と似た何かがアタシの頭の中に流れてきた。
ノイズのようなそれは、アタシになにか伝えたいようだ。それだけはわかるのだが、内容がうまく聞き取れない。
………す…て………
……た………………
…………すけて……
………たすけて!!
その必死な声がはっきりと耳に入った瞬間、アタシの意識は飛んでしまった。
つづく
最終更新:2012年12月20日 00:30