P-16「スカモ」とは、ネアロコルサディア共和国が開発、運用していたスターファイターで、航宙可能継続距離の短さから局地戦闘機に分類されていた。
その為、主に艦隊や船団の直衛、宇宙基地や惑星の防衛や哨戒の任に就いている。
設計は新共和国の中小企業であるポルカフ・ネビュラ・エンジニアリング(P.N.E.)社が担当した。
円筒形の機体の左右に、前に向かって伸ばされたナイフのように鋭いメインエーテルウィングが装着されたような外観を持つ。
面白い事にコクピットは機体後部に設けられており、機関部は機体前部に搭載されていた。そしてこの戦闘機の主兵装として機首の上下に装備されている2門のタキオンニードル機関砲と機関部は直結しているのである。また、主翼端に1門ずつタキオンニードル機関銃も搭載されており、これで立体的な弾幕を敵機に浴びせる事が可能となった。
後部にコクピットが設けられているのは、この宇宙戦闘機が最高速度においてアミティル連邦の宇宙戦闘機に劣っており、その為追随は不可能になるので、機首と機首を突き合わせて対峙するヘッドオン戦に対応させた結果である。つまり敵機の攻撃からパイロットを守る意味合いが強かったのだ。
この機体は最高速度こそ劣るが機動力はその軽量故に非常に高く、それを活かした戦法が主流となっていた。後部のコクピット故に弱点は当然この後部となるが、驚異的な機動力を使った回避運動によって被弾のリスクを減らす事ができていたのである。光線は一度捕捉されれば絶対に回避できない死の兵器である為、防御用の空間シールドと同様に機動力による事前回避が宇宙戦闘機の生存率を左右していたからだ。
ただしP-16はシールドに関しても他国の戦闘機と比べれば心許無かった事で知られる為、必然的にパイロットの技量がこの戦闘機の運命を決定づけていたらしい。
しかし小柄な機体が高機動と共にこの欠点を補っており、敵機の命中率を下げていた他、集団戦法による連携で連邦軍の航空機に対抗していた。
操縦が容易かつ軽量小柄で構造が単純だった為、生産性や即戦力性が非常に高く、初期の新共和国軍の戦力を支えた他、ライディエル騎士との相性ともよかったようで、近代化改修された何機かが、パイロット属性を持つライディエル騎士によって乗り回されていたとされている。
しかし所詮は軽戦闘機だった為、この後誕生してくるより優れた宇宙戦闘機に第一線の座を譲り渡す事になるが、後方では訓練機としてパイロット育成に大活躍した他、小柄故に小型宇宙船にも搭載可能だったので、船団護衛や辺境地における用心棒として後方を支えた。
また、民間企業においても中古で払い下げられたこの戦闘機を傭兵と共に数機積みこんで宙賊等に備えていたとされる。
<報告>
元ネタは旧ソ連軍の軽戦闘機「I-16モスカ」。複葉機が主流の時代に誕生した単葉機として名声を得ました。これにSWEP3等に登場したイータ2・アクティス級ライト・インターセプターのイメージを組み合わせ、ライディエル騎士との縁も作ってみました。