カドル・メルアーとは、コルサディル・アリエル危機を生きたブレイトン女性で、ブレイトス王立防衛宇宙軍の諜報機関に属していた諜報部員である。
彼女は第244情報収集小隊の小隊長を務めており、優秀な諜報小隊として高い評価を受けていた事で知られる。
妥協無しの正確な情報収集と分析を進め、緻密かつ柔軟な思考に基づく報告は、上官は元より上層部からも厚い信頼を集めていたのである。
「情報は足で稼ぐ」というアナログな信念を持ち、部下のみならず彼女自身も現場に出向いて実際にその目で確かめるという(ドローンやサイバーテクニック等は駆使するが)情報収集を頻繁に行う為、いつの間にか「出張屋」というニックネームがこの情報小隊に付けられた程である。
先見性も高く、アムーグア帝国の残党ないしそれを継承する勢力の襲来を早い段階で警告しており、ブレイトス王立防衛宇宙軍も、表向きは伏せておきながらも密かに銀河外の監視と情報収集命令を彼女らに与え、他の任務を遂行しながらも来るべき脅威に備えていた。
そしてカドル・メルアーの予測は見事的中し、アムーグア帝国の継承者と主張するアリエル帝国が襲来するのである。
ここで彼女達のアナログチックな情報収集戦術が功を奏す。任務の一環で偶々裏社会に潜入していた部下が、アリエル帝国の機密情報の持ち出しに成功したコルサディロイドの存在を突き止めたのである。
こうして表社会の中では一足早く重要な情報を入手したメルアーは、即座に上官へこのコルサディロイド、ティグールの確保を進言、とんとん拍子でこの話は採用され、予算や部下を増強された第244情報収集小隊は、ティグール確保ならびに逃走の支援を展開する事となった。
このティグールを使用していたマフィアも突き止め、手を組むと共に傭兵も雇い、結果的にハルメル・シールドとの逃走を選んだティグールを追跡、時には確保の為の襲撃、時には逃走支援をする事でアリエル帝国によるティグール奪還を幾度となく妨害した。
また同時にアリエル帝国の情報収集も進め、コルサディル銀河系に逐一有益な情報をもたらした。時には間接的な破壊工作も実施した模様。
しかし危険な程にアプローチも何度か繰り返した為、アリエル帝国に目を付けられて命を狙われる羽目となり、図らずもハルメル・シールドと手を組むという妙な展開を辿る。
最終的にティグール達を逃がす為、自ら囮となり、作戦は成功するものの待ち伏せに遭って致命傷を負ってしまう。その後、漂流の末に部下達に発見され、何とか一命を取り留める。
完璧主義な性格だが決して他人を見下さず、かと言って妥協する事なく部下を厳しく鍛えるものの、部下の面倒見は良く、自ら先頭に立って情報収集に赴く等、部下や上官からの信頼を集めている。
また、あらゆる情報収集手段を持ち合わせており、正に「空母」のような展開能力を持っており、第244情報収集小隊は「出張屋」の他に「空母」とも呼ばれていた。
独自に編み出した情報収集手段もあり、これらは積極的に軍内でも取り入れられ、一種の「雛型部隊」ともなった。
納得するまでは探求を止めない為、時には首を突っ込みすぎがちになり、最終的にそれによって文字通り生死の境を彷徨う事となるが、本人もそれを自覚しており、注意しているのである。
<報告>
元ネタは実は英空母「HMSアークロイヤル(初代)」。どこにそんな要素があるんだと言われたら「んー」ってなっちゃうけども、単純に史実を辿るだけじゃつまんないでしょと開き直ってみる(おい)。
ただ数々の哨戒活動や通商破壊に従事した経歴、幅広い活動範囲、待ち伏せによって命を落としかける等、本艦の史実の要素は入れてみたつもりであるw
史実では2隻のUボートの攻撃で大破、曳航中に沈没して本国への帰投は適わなかったけど、私は「沈めたくない」。
因みに第244情報収集小隊の「244」は、HMSアークロイヤルの全長である243.84mを四捨五入したもの。