英国…そこは時間のとまった場所。曇った空、くすんだ町並み。田舎へ行けば草原、田園、昔とさして変わらぬ農家の並び。そんな、未だに妖精たちが隠れ住んでいそうな田舎町の一つが舞台だ。
その町には他とは違う特色が一つある。古くから続く立派な修道院があるのだ。今はそんな権力もないただの修道院だが、昔は巡礼の宿となったり、聖職者の会議の場に選ばれた由緒ある修道院だ。付近の川から流れを引いてきて堀を作っており、橋を上げ、大きな樫の木の重い扉を閉めてしまえば、そこそこの要塞ともなる。
町の人々と修道院は密接なつながりを持っており、男子禁制とは言うものの、専属の庭師に修道院の植物の世話をしてもらっていた。小さいながらも薬草園があり、離れの礼拝堂と本館の間には見事な薔薇園や、二世代前の庭師が植えたオリーブの木がそよいでいる。
そんな平和な、悪く言えば退屈な日常に異分子が入り込んできた。遠くの修道院から修道女が一人ここへ入ってくるらしい。
最終更新:2009年09月22日 15:27