「ついてない・・・」
彼女──龍宮真名は漆黒の闇に包まれた森に嘆いた。
彼女は、任務中。と言っても、麻帆良学園に侵入してくる族の始末だ。
「よりによって、こんなときに刹那が休むとは・・・。そして、私らしくないな・・・利き腕の肩をやられるとは・・・」
彼女はふと刹那が休んだわけを思い出す。
「確か、お嬢様の付き人をすることになったと言ってたな。刹那らしいな。にしても今、敵に襲われたら反撃の仕様がない・・・・ん???」
彼女は何かの「気」を感じる。前の草むらからだ。
「そこにいるのは誰だ。今なら私にとどめをさせるぞ???」
「いやぁ~。そんな物騒なことはしないでござるよ~。しかし、流石真名でござるな。結構がんばったがばれてしまうとは・・・拙者も修行が足りないでござるな。ニンニン♪」
そう。隠れていたのは楓だった。
(ここは素直に喜ぶべきところか?それとも冷静を保つか・・・)
龍宮は考えた。挙句の果てに冷静を保つことにした。
「なんだ、楓か・・・何のようだ???まさか、私の負け面を見に来たのか。」
「なんのようだとは失礼でごさるな。真名の負け面を見に来たでござるよ♪」
「何!?きさまっ───」
「真名は冗談が通じないでござるな。助けに来たのでござるよ。」
「・・・そうか」

龍&楓「!!!!!!!」
「むっ・・・こんなときに侵入者でござるか・・・その様子じゃ真名も気づいたでござるな」
「確かに。何人くらいだ。」
「約・・・10人くらいでござろう。」
「そうか、よし。行くぞ楓!!!!」
「あいあい」
右手を地面につけ立ち上がろうとしたとき龍宮の右肩に激痛が走った。
「痛っ・・・!!!!」
(忘れてた。右肩に銃撃を食らったんだ・・・)
「大丈夫でござるか???」
龍宮を心配そうに見つめる楓。とっさに龍宮は言った。
「だっ大丈夫だ」
「そうでござるか?かなり無理をしているように見えるでござる」
楓の言葉は図星だった。だが龍宮は大丈夫だと言わんばかり敵に向かっていった。
「左手さえあれば大丈夫」
龍宮は走りながら言った
「そぅでござるか?」
「そうだ!!!!」
そして、楓と龍宮は敵数10名と戦闘開始。敵はかなりの強者みたいだ。
「くっ・・・!!!真名殿。かなりの強者でござるよ!!!本当に大丈夫でござるか」
「大丈夫だ。それより、自分の心配したらどうだ?」
漆黒の森に響く銃声。そして金属音。
数時間後・・・敵の数は5人まで減らした。しかし、肩の痛みもあるせいか、龍宮は限界にまで達してた。
「ハァ、ハァハァハァ、・・ッハァ・・・」
「そろそろ、真名殿は退却したほうがいいでござる。息が荒れてるし、肩も負傷しているでござるから・・・」
「うるさい!!!!私はまだまだッ!!!・・・・てアレ?」
龍宮はドサッ・・・とその場に倒れた。
「真名殿!?」
楓がさけんだ。

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最終更新:2007年06月29日 22:59