なんとなく、いつもとは違うセックスしたいときがある。
いつもみたいに優しく楓を抱くのもいいが、それとは違う快感を得たいときがある。
楓が私に感じて、涙でぐしゃぐしゃになる顔を見たり、イク寸前の所で止めて不安がる声を聞いたり、楓が失神した姿を、無性に目の前で感じたいときがある。
こんなとき、隣に楓がいればいいのだろうが、あいにく楓は風邪で休みだ。
意地悪して焦らしてやるのがいい。乱暴に扱うのもいい。
そんなことばかり考えていたから、いつのまにか2時間目が終わっていた。
私は楓に会いたくなり、鞄を持ち教室を出る。
廊下で、「龍宮さん?どうしたんですか?」とネギ先生から声をかけられるが、「少し気分が悪くて」などと適当な嘘をついて、私はさっさと教室を後にした。
そのまま、まっすぐ寮に戻りシャワーを浴びる。最低限の用意を済ませ、私服に着替えると、楓が眠っている部屋へ向かった。
部屋の中に入ると楓の息ぐるしそうな声が聞こえてきた。
そっと近づき、楓を見ると顔がほんのり赤く、汗のせいで前髪が楓に張り付いていた。
視線を顔から少し下ろすと鎖骨が丸見えで私は声が出そうになるのをとめた。
鎖骨にはこの前、私が付けた痕がのこっていた。
……ごくり
今すぐ襲いたい気持ちだが、さすがに病人には辛いな。
「……キスぐらいはいいよな?楓?」
寝ている楓が返事をする訳がないのだが
「…………っ真名……」
私の夢でも見ているのだろうか?
「真名……まなぁ……」
いつもと違い、か細い声で私を呼ぶ
「私は此処だぞ楓」
そう言いながら楓の手と自分の手を重ねると楓は安心したように
静かな寝息をたてた
それにしても暇だ。こんなに風邪がひどいとは…
5分くらい楓の顔を見つめて、溜め息をついて天井を見上げる。
「人の顔を見て溜め息とは酷いでござるな」
天井から楓に視線を戻す。
「なんだ?起きてたのか」
「今、目が覚めたんでござるよ」
だるそうに身体を起こしながら楓が言う
「寝といた方がいいんじゃないか?」
「…もう平気でござるよ」
確かに顔色がよくなっている
「…化け物並みの生命力だな」
「ムッ…真名も人のこと言えないと思うでござるが?」
そっぽを向く楓が可愛くて口元が緩む
「まぁ、風邪が治ったのなら…してもいいよな?」
楓が何をかと聞く前に口をふさがれる
「んっ…まっ…ぁ」
風邪のせいか、いきなりのことで緊張しているのか、絡めた舌が戸惑っていた。
時折漏れる楓の声に、ひどく興奮覚える
「どうだ?キス……アイツよりいいだろう?」
口づけの合間にそう尋ねてみる。
「―――…うっん?……アイツとは?……」
聞き返してくる楓の唇を舐めながら、私は続けた。
「アルビレオ・イマだったか?最近アイツと仲いいらしいな?」
思い出すとムカツク…楓は自分のものなのに…
「アル?……あぁ、あはは、真名ヤキモチでござるか?」
笑いながら言う楓にムッとする
「アイツ、お前のこと気に入ってると言ってた。」
「考えすぎじゃないでござるか?」
ニコニコしながら言う…
「おい、風邪が治るの早くないか?」
「ん?あぁ、今日の朝アルに薬をもら……真名?」
「ほぉ~……アイツにか」
自分でもビックリするほどの低い声
楓は冷や汗をかいている
「お、落ち着くでござるよ真名」
楓を押さえつけながら、私は楓の耳を舌で塞いだ。
「っっ~~~………!!!!」
楓の身体が強く反応する
「あぁ、楓は耳が弱いんだったな?」
「くっ…んぁ……真名?…なっ!」
楓の腕がいつのまにか縄で縛られていた
「たっぷり今日の朝、思ってたことをしてやるからな?」
「ま、真名?やっやめっ!!んやぁっ!!!」
楓は次の日も学校を休んだ。
END
最終更新:2007年11月27日 15:38