書名:太陽とお月様のお話
著者:天鵞絨のシャンデリア





僕は太陽。

僕の体は輝いていて、とても熱い。
だから、皆僕に近寄ろうとしないんだ。
皆、近づいたら火傷しちゃうから、だから近寄ろうとしないんだ。

なんで僕の体は皆を傷つけるんだろう。
僕はそう望んだはずじゃないのに…。



僕はお友達が欲しい。
一緒に遊ぶお友達。

でも、僕が近寄ると皆何処かに行っちゃうんだ。
僕はただ遊びたいだけなのに。



ある日、僕はお月様と出会った。
僕のいる昼とは逆の、夜にいるお月様だよ。

お月様がいるのは知っていたけど、会ったのは今日が初めて。
僕はとても緊張した。



嬉しかった。
お月様は僕の光を受けて輝いているんだ。
こんな僕でも役に立てるだなんて。

もしも僕がいなければ、お月様は世に知られることはなかった。
僕の体は無意味に輝いているんじゃなくて、ちゃんと人の為に輝いているんだ。



これからも、僕は皆の為に輝こうと思う。

2011年 2月 6日 12:59 著



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年02月06日 13:03