未来の粉遊び
この世界が生まれて、もう3年以上。
この長い時間の中、仲間はここまで増えた。
仲間と遊び、楽しみ合い、傷つけ合い・・・
この世界はここまで成長してきた。
考えれば、悲惨なこともある。
仲間が燃やされ・・・
爆弾で削られ・・・
爆風で吹っ飛び、場外に出て体がバラバラになる。
溶岩や酸で体が溶かされ、もがき苦しむ。
でも、そういった組み合わせや変化を『人』は楽しみ、遊びとしている。
楽しんでくれるだけでこの世界の住民は幸せ。
自分たちは、所詮人のための道具のようなもの。
『使われる』、『操られる』もの。
そんなでも、自分たちは『生きる』幸せを持っている。
これからこの世界も、ずっとずっと、成長していくと思う。
もっともっと、仲間が増えると思う。
そしていつか・・・
自分で自分を動かせるような、そんな世界になって、
お互い励まし合い、仲良くし合って、
違った生き方をしてみたいな・・・。
数十年後。
シード「あ、今から準備できる?」
ウォーター「あ、いいよ。できるよ」
シード「ありがと。じゃ小さいボックスとか、いろんな部品運んどいて」
ウォーター「オッケー」
ストーン「お、早速やってるか」
シード「当たり前だよ。もう皆取り掛かってるでしょ」
ストーン「まあな」
今日は4月7日。
粉遊びの誕生日。
それを祝って、仲間たちでパーティーを開こうとしていた。
今はその準備をしているところ。
ファイア「ふう。あ、また重いの運ぶのか?」
ニトロ「ああ。大丈夫だ、力ならまだたんまり残ってる」
ファイア「そうか。いつもの馬鹿力が出ればいいんだな」
ニトロ「そうだなー」
仲間たちは今日も笑っている。
ガンパウダー「よし、これらをまとめて・・・」
トーチ「おい、そんなに一気に持てるのかよ?」
ガンパウダー「なぁに、大丈夫だ。皆軽いもんばっかだし」
トーチ「ははは。運ぶもんどんどん減っていくな、あと少しだな」
ガンパウダー「ああ」
プラスチック「あ、ガンパウダーさん、運ぶの手伝いましょうか?」
ガンパウダー「いや、結構だ。それよりお前は門の掃除終わったのか?」
プラスチック「はい、終わりました」
ガンパウダー「そっか、じゃあ誰か重いもの運んでる人の手伝いとかでもしとけば?」
プラスチック「言い方冷たいっすねぇ。分かりました」
今ではガンパウダーはいじめられることなく、仲間と仲良く暮らしていた。
スーパーボール「グラスさーーーん!」
クローン「・・・」
スーパーボール「グラスさーーーん!!どこですかーー!!?」
クローン「全く見つからないね・・・」
スーパーボール「ええ・・・」
「あ、すまないねえ。遅れてしまって」
スーパーボール「・・・?」
クローン「ん?」
「あ、俺だよ、グラスだよ。ここ、ここ」
スーパーボール「え、グラスさん?どこですか?」
「ここだっちゅうねん、後ろを見ろ」
クローン「・・・」
スーパーボール「・・・いないですけど」
(・・・透明って不便だな・・・)
ピーーッ、ピーーッ
スーパーボール「あ、光った!グラスさん」
グラス「おうおう」
グラスは透明なので、電気を通して蛍光灯に化けないと見えない。
スーパーボール「人集めはしたんですか?というより、仕事してますかあなた?」
グラス「・・・あ、ああ・・・」
スーパーボール「・・・サボってましたよね?」
グラス「・・・はいっ・・・」
クローン「もう。他国からのお客さんも来るんだから、早く人集めしなよ」
グラス「すまねえすまねえ。じゃ今から行ってくっから」
スーパーボール「はい」
リーフ「ふぅ、ふぅ・・・大変っすね、この作業」
メタル「ああ。だがもう少しだから、頑張ろうぜ」
リーフ「はい・・・」
アイス「はいはい、早く走って走って」
ゴム「ったく、何でいちいち歩いて運ばなきゃいけないんだよ・・・」
アイス「しょうがないじゃん。よく分からない決まりだから」
ゴム「ほんとによく分かんねえよ・・・バネさえ使えばこんくらいの量なんか・・・」
アイス「愚痴ってないで、早くしよう」
ゴム「・・・」
皆忙しそうだった。
そして、準備が整った翌日。
パーティーが開かれた。
プレ「えー、今、この我が粉遊び界の誕生の日を迎えまして、仲間の皆と、そして他国のお客様の皆様と共に!
誕生日会を開き、お祝いをしたいと思います!乾杯!!」
全員「乾杯!!」
パウダー「はぁ・・・幸せだなあ」
今、この世界は幸せ。
皆、自分の意志を持ってる。
夢を実現している。
人のための道具でも・・・
自分たちは今、幸せに生きている。
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- 本当にそうなって欲しい -- 要塞やろう (2012-05-05 17:22:08)
最終更新:2012年05月05日 17:22