自分も暑い




僕の名はファイア。
自分自身が、そのまま燃えている。

もちろん、他の仲間を燃やすこともできるけど、
気分によっては近づいてその仲間を暖めてあげるだけっていう場合もある。

そんなある日のこと。

ストーン「今日も寒いっすねー・・・」
パウダー「そうですね・・・雪や雨が降らなくても充分寒いですよね」
ストーン「ええ。降ったらまたどんだけ冷えることか・・・」

ファイア(あ、あんなところでストーンさんとパウダーさんが話をしてる)

ファイア「こんにちは。そろそろ火が暮れるんでさらに冷え込みますよ」
ストーン「あ、ファイアさん、丁度よかった」
ファイア「・・・?」
パウダー「寒いんで、あたっていいですか?」
ファイア(・・・なんか嫌な予感・・・)

ファイア「ま、まあ・・・いいですけど」
ストーン「あざーっす。パウダーさん、近づきすぎると燃えちゃいますよ」
パウダー「分かってますって。ファイアさん、たまには優しいとこあるんですね」
ファイア「あなたらがあたりたいって言ったからですよ・・・」

暖かみのあるファイアに手を出して、ゆっくりと暖まるストーンとパウダーの2人。

それを遠くで見ていたのか、他の仲間も火にあたろうと近づいてきた。

スーパーボール「こんにちはー!何やってるんですかー?私もあたらせてください!」
ファイア(あたるつもりなのに『何やってるんですか』はおかしいだろ・・・)
メタル「俺もあたりてえな。いいか?」
ファイア「・・・分かりました、じゃどうぞ」
スーパーボール「あざっす!」
ファイア「・・・」

仲間たちはファイアの周りを半分囲むような配置に並んで、火にあたった。

ストーン「なあファイア、急に敬語になっちまってどうした?」
ファイア「そっちは急にタメ口になってますね」
パウダー「そういえばファイアさんっていつもはのん気で敬語じゃないよね」
ファイア「ほっといて・・・だって、囲まれてるんだから大勢いるし、なんか勝手に敬語になるっていうか」
メタル「へぇ。変わってんな」
スーパーボール「ファイアさんって結構、不思議ちゃんなんだね」
ファイア(う、うるさい・・・)

パウダー「はぁ、いつまであたろうかなぁ・・・」

そんな話をしていると、次々に他の仲間が近づいてくる。

ウォーター「あ、あんなところでファイアさんたちがたむろってる」
ファイア(不良じゃねーよ)
サンダー「俺もあたってみるか」
ファイア「はいはい。じゃ勝手にどうぞ」

サンダー「・・・あちっ!手近づけすぎたら熱かった・・・」
ファイア「いや、そりゃそうでしょ・・・」
ウォーター「ふー、あったかい・・・沸騰しそうだ」
ファイア「僕だって、ウォーターさんとは正反対の物質ですから、あまり近づき過ぎると消えちゃいますよ」
ウォーター「そうだね」

ファイア「・・・なんか、暑くないすか?」
スーパーボール「そうだね・・・ファイアのせいだよ」
ファイア「いや、あたりに来たのあんたたちでしょ」
ストーン「というより、ファイアさんの周りにこんなに集まってるからじゃない?」

そういえば、もうファイアを完全に囲んでいる。

ファイア「暑い・・・自分なのに暑い・・・」
メタル「そうだよ、高密度だからだろ」
ファイア「ちょ、もうちょっと離れられませんか?」
パウダー「それは無理だな~。もっと暖まりたいもん」
ファイア「ぼ、僕が暑いですし、離れても充分暖まれますよ」
サンダー「そんなこと言わずに暖まらせてくれよ」
ファイア「・・・」

しばらく暖まってると、この状況にとってとんでもない2人が現れた。

トーチ「お!ファイアに皆暖まってるじゃないか」
クローン「ほぉ、僕もあたたまりますか」

トーチとクローンだ。

ウォーター「えええっ!トーチさんが来たらもっと暑くなっちゃうよ!」
パウダー「そうだよ!ファイア、何とかして!」
ファイア「何で僕がっ・・・じゃあ、僕とトーチさんと2人に分けて暖まれば」
メタル「やだ!お前のほうが暖かい!」
ファイア「はぁ・・・?」

トーチ「よぉ!ファイア、俺もあたらせてくれよ」
ファイア「自分の体にあてりゃいいじゃないすか、って暑っっい!!」
サンダー「あちちち、おい、トーチお前来るんじゃねえよ!」
トーチ「なんだよ、冷たいなお前ら」
スーパーボール「冷たくないよ、暑いよ!!」
パウダー「い、意味が違う・・・」

ファイア「あ、あれってまさか・・・クローンさん!?」
クローン「よぉー諸君、僕も仲間に・・・」
ストーン「やめろぉぉ!燃え移るぞ!!」
クローン「なんだよ、別にいいじゃん」
ファイア「クローンさん、それはよくないです!クローンさんの隣の人が火傷しちゃいますよ!」
クローン「いいじゃん別にー」
メタル「よくねーし!」

そしてとうとうクローンもあたり、やはり引火してしまった・・・

パウダー「あちちちちち!火ついた!火ついたよちょっともう!!」
ファイア「だから言ったのに・・・」
クローン「だって、僕だってあたりたかったんですもん!」
ファイア「その気持ちはなんとなく分かりますが・・・暑い!暑いってば!」
サンダー「ファイアだけで充分だよ、お前ら来んなよー!」
トーチ「なんだとぉ!?貴様燃やされたいのか!?」
サンダー「ぁんだあ?お前は俺を燃やすことできんのか?あん?」
トーチ「だいたい俺はあたりたかったからここに来ただけだろう!」
サンダー「知らねえよ、暑いから邪魔なんだよ!!」

ファイア(この状況で喧嘩かよ、もう最悪だ・・・)




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最終更新:2011年01月29日 18:22