粉の恋話 - スティルネージア

粉の恋話

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ある時、爆発物同士の会話。

ニトロ「ふぅ・・・暇だな、なんか話すことある？」
ガス「・・・さぁ・・・」

ニトロ「・・・」
ガス「・・・」

ニトロ、ガス「・・・」

誰もいないかのように、２人は黙り込んでしまった。
すると、ニトロは若者によくありがちな話題を持ってくる。

ニトロ「・・・なあ」
ガス「？」

ニトロ「お前さ・・・好きなやつっていんの？」
ガス「・・・は？」

ニトロ「いやいや、別に無理やりじゃないけどさ、いるのかなー・・・と思って」
ガス「・・・な、何だよお前・・・急に」
ニトロ「！なんだ、お前隠してないか？」
ガス「か、隠してねえよ、べ、別にいねえよ？」
ニトロ「本当かぁー？なんか怪しいなー」
ガス「そ、そんなことないって・・・」

ニトロ「俺さ、こういう周りの粉の秘密とか結構知ってんだぜ」
ガス「・・・ふーん」
ニトロ「・・・」

ニトロはガスの顔を覗き込んだ。
そしてニトロは、『興味があるような顔をしている』、と判断した。

ニトロ「・・・サンダーのやつ、スパボのこと好きらしいぞ」
ガス「・・・！えっ！？」

やはり興味はあったようだ。

ちなみに『スパボ』とはスーパーボールのことである。

ガス「えっ・・・えっ！？マジで！？」
ニトロ「なぁんだよ、お前興味ありありじゃん！マジなんだよ」
ガス「マジなのか！？なあ！」
ニトロ「だからマジだって。とりあえず落ち着け」
ガス「あの、あのサンダーが！？」
ニトロ「そうだよ、俺も知ったときびっくりしたよー。まさかあんな天然でアホなやつのことが好きだなんてね～」
ガス「そ、そうだったのか・・・」

ニトロ「あとはね・・・ウォーターも、好きなやつがいるとかいないとか言ってたような」
ガス「・・・『いないとか』？」
ニトロ「なあ、お前ウォーターの好きなやつ知ってる？」
ガス「何で？知らねえよそんなの」
ニトロ「うーん・・・どうしても気になるな、あいつは・・・」
ガス「・・・」

ニトロ「他にもいろいろあるんだけどな。で、お前は好きなやついんのか？」
ガス「だから、いねえって」
ニトロ「さっきあんなに動揺してたじゃんかよー」
ガス「だからなんだよ、俺はそういう話が苦手なだけだよ」
ニトロ「えー？おかしくないかそれは？」
ガス「なんだ、何がおかしいんだ？」
ニトロ「うーん・・・お前いそうなんだよなぁ・・・」
ガス「うるせえな・・・」

ニトロ「・・・あ！じゃあ俺の好きなやつ言うからさ、お前も教えてくれよ」
ガス「・・・はぁ！？」
ニトロ「なあなあ、いいだろ？」
ガス「えっ、は・・・はぁ！！？」
ニトロ「なんだ、どうした？」
ガス「おまっ、お前もいたのかよ！？」
ニトロ「・・・そりゃ、好きなやつくらいいるだろー」
ガス「そうなのぉ？」
ニトロ「あぁ、そうだよ」
ガス「でも、この世界の中じゃ女ってスパボしかいねえだろ」
ニトロ「ちげえよ、他国の女の子だよ」
ガス「他国かい！！！」
ニトロ「そうだよ」
ガス「・・・」

ニトロ「・・・で、俺も教えるからさ、お前も教えてくれよ～。なあ、いいだろ？」
ガス「ふんっ、だって俺好きなやついねえもん」
ニトロ「嘘つけ～・・・」

ニトロ「あっ！」

するとニトロは、急に思い出した。

ニトロ「スパボがさ、お前のこと『かわいい』って言ってたぞ」
ガス「・・・！」
ニトロ「どうだよ？付き合ってみたらどうだ？」
ガス「別に、好きだとは言ってなかっただろ？それに俺があいつと付き合ったらサンダーはどうなる・・・」
ニトロ「いや、好きって言ってたぜ？」
ガス「・・・えっ？」

ニトロ「スパボさ、お前のこと『ぽっちゃりしててかわいいから好き』って、さらっと言ってたぞ」
ガス「・・・嘘つけよ」
ニトロ「なあなあ、どうだよ？お前も別にスパボのこと嫌いじゃねえだろ？付き合っちまえば？」
ガス「・・・」

ガスは返事にかなり困った。
こんなに食いつかれては・・・

ガス「・・・ま、まあ・・・場合によっては」
ニトロ「お！？おーっし！じゃ決定な！」
ガス「『場合によっては』！！」
ニトロ「とは言ってもこうしてるうちに、もう今スパボが俺らの後ろで笑って見てるぞ。ほら」
ガス「え・・・？」

ガスは後ろを向いた。

ガス「・・・」

…誰もいない。

ガス「・・・おい、驚かせんな・・・」
ニトロ「向いた？向いたね？よーし！これでガスの好きなやつも知ることができたぞー！！」
ガス「はっ？・・・お、おい・・・」

ニトロはやりたい放題やって、ガスを後にして去っていった。

ガス「・・・」

ガスは騙されてしまったのだ。

ガス「・・・あやつ・・・」

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