ゴトン

「ほう・・・なるほど、これはホンモノだな」

依頼主からの依頼を俺達『バスター』に仲介人として依頼しているのはこの人だ。
皆から『マスター』と呼ばれている、本当の名前は誰も知らない。

「分かったならさっさと報酬を・・・」

俺がせかす、マスターはゼットの頭部パーツをその場に置いた。

「OK・・・ちょっと待っていろ、依頼主に連絡する」

マスターが奥の部屋に入っていった。

俺が、ゼットの頭部パーツを眺めていると、後ろで誰かが止まった。

「お前がジンか・・・」

そいつが俺に話しかけてきた。

「誰だ・・お前・・・?」

そいつは灰色のボディに砂ぼこりを付け、マントを体に巻いている。

「俺か・・?俺は一応悪魔軍でスカウトをやっている・・・まぁ今回は・
言わなくても分かるな?」

そいつは不気味な青い目を光らせ俺を見つめている。

「俺をスカウトしようとしてるのか、だが悪魔軍なんかで
戦うつもりはねぇな・・かえってくれや」

と、俺が言った瞬間そいつは銃を俺に向けてきた、見たこともない銃だ・・・

「この銃はなぁ・・・一発撃てばスロウとフリーズを同時に起こす事が
出来るんだ・・・こちらの話に応じてくれないのであれば・・・」

下手に動けば俺が撃たれる・・・ここはいったん話に乗って後で・・・

「おっと・・・今、指令が着たようだ・・・
『話に応じないのであれば拘束してでも連れて来い』だそうで・・・では」

カチッ 
そいつが引き金を引いた瞬間、銃声が響くより前に俺が先に倒れた・・・
頭の中で銃声が響く・・・



目が覚めると機械的な天井が目に入った、どうやら悪魔軍の基地のようだ。

幸い腕にはめられた器具は自力ではずせそうだ。

器具をはずしてから俺は専属メカニックの『ショウ』に通信を送った。

『ザザ・・しもし・・もしもし ザザ ジンか?」

少しノイズが入っているが繋がった、俺はすぐに報酬の事を聞いた
もし報酬がナシにされたら最悪だ。

『報酬はマスターからこっちに送られてきたよ、今どこにいr ブツンッ』

よし報酬がもらえたなら後はどうでも良いさっさとここから出るか・・・

ブーーン ブーーン

『被検体が脱出した!防衛部隊は研究施設に急行せよ!くりかえす・・・』

基地中にサイレンがなりひびく、そして扉から武装した悪魔軍兵士が流れ込んできた。

「面倒なことになった・・・」

つづく
最終更新:2010年08月18日 18:31