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迂闊だった。あのときの俺は迂闊だったんだ。
なんてことをしてしまったんだ。もっと考えて行動しろ。
ここでは慎重さが求められていたんだ。
もっと慎重に動いていればこんなことにはならなかったんだ。


もしも、天使軍がヘヴンズゲートで悪魔軍を倒せなかったら?
もしも、悪魔軍が支配する"コズミック・ルネッサンス"があったら?
もしも、そんな中でも反乱を続ける"レジスタンス"があったら?

――――ここは、世界線変動率5%台・・・ζ世界線のコズミックルネッサンス。

コーン、コーン、コーン…鉄を打つ音が聞こえる。
ここは、名目上は「武器精錬所」。
悪魔軍によって瓦解した旧天使軍が働く、小さな工場。
常に悪魔軍に監視されていて、争いなんか起こらない・・・はずだった。
しかしここは、そんな悪魔軍に対抗する"レジスタンス"『コキュートス』の本部だった。

悪魔軍も知らない場所。ガレージの一室。
作業を終えた兵士たちが、ぞろぞろと狭いこの部屋に駆け込んだため、中はぎゅうぎゅう詰めだ。
しかし、「狭い」「痛い」等の声は一切上がらず、時折上がる声といえば一体のロボの潜めた小声のみ。
シエロ「いよいよ作戦を実行に移す。隊長はこの俺、シエロだ」
俺はこの工場に一番長く居るいわばベテランだ。
今回の作戦は、俺のちょっとした一言から生まれた。

――――武器を作るための鉄をちょっとお借りして、強化パーツを作るんだ。交代でな

幸い、コキュートスのメンバーにはジャンクメタルの処理係がいた。
屑鉄処理班と呼ばれるこの班は、必要なくなった鉄を焼却している。
これを利用して、ちょっとづつ鉄を集める。
ここで作られている武器を見れば、"上手くいけば"タイムマシンができるかも。
理論だけで、そう考えてた。


迂闊だった。
こんなこと、考えなければ良かったんだ。


そう、理論だけなら作るのは容易い物で、上手くいけばこの未来を変えられる。


俺の勝手な都合で未来を変えるなんて、しなければ良かったのに。


そうだ。俺たちはコキュートス。不可能なことなんてないさ。


誰にでも、不可能はあるのに。


これで、俺たちも。
救世主に。
なれるんだ。

きっと。


<未来幻滅のドレッドノート Fin.>
最終更新:2011年07月15日 19:05