ヤツらは、どこまでも追いかけてくる。
それこそ、このポイーンを埋め尽くすほど走り、駆けずり回った。
でも、ヤツらは追いかけてくる。
俺達は悪魔軍じゃないってのに。
マハラは、付いてきてくれている。今まであったことも、全て話してある。
――――突然マハラが口を開いた。
マハラ「空間を移動するからだめなんじゃないですか?」
シエロ「・・というと?」
マハラ「だってシエロさんは未来から来たんですよね?ってことは、まだタイムマシンは放置してあるんでしょ?」
シエロ「ああ、噴水広場の奥、手入れされてないあそこにおいてある」
マハラ「空間じゃなくて、時間を移動すればいい」
シエロ「それは危険だ。何を引き起こすのかわからない」
マハラ「でももう逃げ場はない」
シエロ「・・・そうだな。仕方ないかもな」
マハラ「じゃあ決定ですね」
逃亡劇から3日が経った。日記や食糧、ブラックホール製造器はアイテムストックに持ち込んである。
マハラの予想外の言葉で、俺達はタイムマシンに乗り込んだ。
時間は適当に入力した。どこに飛んだかはわからない。
とにかく、未来に逃げた。
未来に逃げても、『指名手配』が解除されていなければ意味がない。しかし、未来が変動したのかは確かめる必要がある。
ふっと記憶が傾いた。タイムトラベルが始まったときの現象だ。
それはすぐに、眠気へと変わる―――
XX10/10/5 ⇒ YX10/10/5
―――どうやら、あの時代からさらに1000年が経ったらしい。元俺がいた時間軸から見ると1000年前で、マハラから見ると1000年後。
XX10年10月5日から、YX10年10月5日へのタイムトラベルを果たした。
日記は、マハラと俺で交互につける事が決定した。
そして、この時代に来て一週間が経過したある日のことだ。
???「・・・シエロ君、かな?」
見知らぬ機体に出会った。搭乗機は俺と同じ。少し俺より老けているようだった。
???「君を―――」
シエロ「逮捕しに来たか?」
???「違う。君を探していた。これを渡すためにな」
7桁の数字。一桁目の後には小数点があった。表示されている数字は、5.024682。
???「これは、世界線変動率・・・ダイバージェンスメーターだ。ここに表示されている数値は、ある一定の箇所を基準として、そこからどのくらい変動しているか。それを示している」
シエロ「もしかして未来から来たのか?」
???「さあどうだろうね。君と同じ観測者、とだけ言っておこう」
???「これを持っていてくれ。いずれ必要になる時が来る」
そう告げると、俺と同じ機体はブーストを吹かして去っていった。
いったい誰だったんだ・・・このメーターは、どうすれば・・・
マハラ「彼も言っていたことですし、暫く持っておきましょう」
シエロ「まあ、持っていて困るようなことでもなかろう」
マハラ「何かの役に立つかもしれませんし」
シエロ「このことは日記に書きとめておくべきかもな」
いずれ必要になるのだ。持っていてもいいだろう。
このメーターが、
世界の重要な分岐点だと、
考える余裕は、
なかったのかもしれない。
<疑心暗鬼のダイバージェンス Fin.>
最終更新:2011年07月04日 19:56