シエロ「・・・何をやっても」
シエロ「だめなんだ・・・」
延々と2000年をループし続け、たくさんの方法を試した。
失敗したらタイムリープで"なかったこと"になる。
時間はタイムマシンで"無き物"にできる。
神に等しい能力を手に入れた俺でも、
運命を捻じ曲げるなんてことはできなかった。
最初は、戦争の行く末を見届けることから始めた。
戦争はあっけなく終わった。
多大な被害は出たものの、化学兵器を利用して、発展派が勝利した。
発展派は2年でこれを作り上げたのだというから、素晴らしい物だ。
次に、『悪魔軍が支配するため』のトリガーを見つけた。
俺が観測していない事象を捻じ曲げられるのかは分からなかったが、
この時代では「ヘヴンズゲート」を用いて「ドレッドノート」を止めたのだという。
では、ヘヴンズゲートを破壊してみてはどうだろうか。
破壊は不可能だった。封印術式により、あらゆる武器の効果は受け付けない。
俺は封印術式については6%でかじった程度で当然解術もできず、逮捕寸前まで行ってしまった。
解術されている戦争中に破壊してみたが、圧倒的な科学力で勝利してしまった。
当然術式によって修復される。
術式関係を100年単位で学び、解術しようとしたが、どうしても無理だった。
精神が折れ果てそうになったが、所詮ロボにとっての100年はありきたりだし、
何より「勉強以外の時間」は連続トラベルでなかったことにできるから、どうでもよかった。
ならば、ドレッドノートを解放させればいいのではないか、と考えた。
シャーオックが見つかった年を詳しく調べて、その時代に跳んだ。
シャトルでバルチャーに向かい、途中で無理やり降りてシャーオックを発見させ、そこからドレッドノートへ移動。
セキュリティは勿論甘かった。まあこんなもんかと思いつつドレッドノートに入り、スピードを上昇させてコズミックルネッサンスに向わせる。
そうして時代的に迎撃できなくすればよかった。
しかし、無理だった。
数百年後には悪魔軍は絶滅、シャーオックとドレッドノートの存在も消滅させていた。
この程度の変動では世界線は揺らがない。
ならば、どうすればいいのだろう・・・
考え抜いた結果、『この世界線におけるマハラ』に会うことにした。
マハラとは簡単に会うことができた。驚くほど簡単に。
彼は研究者としてタイムトラベル理論を大成させており、実現に至らないまでも、その理論はいろいろなところで使われた。
彼の研究所のメンバーに入り、彼に近い関係となり、マハラが死んだ年に跳んだ。
しかし、やはりマハラは死んだ。当然のことだ。原因はわからなかった。
気が付いたら、仰向けに倒れていて、全ての機能が停止していた。
頼れるものが何もなくなった。
そんなところで、無線に通信が届いた。
???「・・・困っているようだな。この無線は届いているか?」
聞き覚えのある声だ。
これは、どこかで・・?
ふと、思い出す。
以前の世界線での記憶を。
世界線漂流のあの記憶を。
頼っていた"手紙"のことを。
俺と同じ、あの"機体"のことを―――
???「すまないが、この無線は一方通行だ。俺にお前の声は届かない」
???「だがな、よく聞いてほしい。これは最重要事項だ。」
???「下手すれば、"未来"すらも、"歪曲"できる。」
は?
何を馬鹿なことを言っているんだ?
よく聞け?一方通行?
未来を歪曲させる?
神に等しい力を入手した俺でさえも、
世界線の変動を見極めた俺でさえも、
ダイバージェンスメーターを入手した俺でさえも、
無理だったことが、
お前にできるだと?
ふざけるのもいい加減にしろ。
なんで俺の苦労を知っている。
俺は誰にもこのことを話していない。
あからさまにお前は俺のことを知っているじゃないか。
いったい何を言っている?
まさか、
お前は、
もしかして―――
???「そろそろ、気付いた頃か?」
???「よく聞け。改めて言うが、これは最重要事項だ。」
???「俺は――――」
<確定事項のネクローシス fin.>
最終更新:2011年07月26日 00:04