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???「俺は―――」
???「未来の、お前だ。」

未来から無線が・・・
いや、タイムマシンの技術を転用すればできないわけじゃない。
ならば、タイムパラドックスはどうなる?
俺はすでに「未来の俺」と出会っている。
しかし何も変化はない。

世界は、俺同士の衝突を、"認証"している・・・?

未来シエロ「なぜパラドックスが起きなかったのか」
未来シエロ「なぜ世界線がことごとく変わったのか」
未来シエロ「なぜお前はなにもできなかったのか」
未来シエロ「それは、未来のお前・・・つまり、俺が、200年の時をかけて、全てを理解している」

未来シエロ「なぜ話さないか―――そう疑問に思うことだろう。しかしこれは、"話せない"のだ。」
未来シエロ「話すことによって、重要なパラドックスが起きるかもしれないから」

未来シエロ「―――お前は今、絶望の淵に立たされている。それは分かる。お前は俺だ。」
未来シエロ「だがな、そんな腐りきった"世界"を、歪曲させる方法ってもんがあるんだよ」
未来シエロ「嘘みたいな、本当の話だ」

未来シエロ「マハラを、救え」

マハラの死は誰も観測していない。
仮に殺害だったとすれば、殺害者以外は観測していない。
だったら、その"観測していない結果"を捻じ曲げることは簡単だ、と言うのだ。
そんな馬鹿げた話があるか―――でも、このまま絶望の淵から落とされるよりは―――

シエロ「・・・乗ってやるよ」


ありったけ、必要そうな道具を持った。
未来の俺によると、無線を持っていくことは不可能、ということだ。
移動先は、「マハラが死んだ」あの日。

シエロ「跳んでやるよ・・・!」
シエロ「マハラを、救ってやるよ・・・!」

モニターに数字を入力する。
ぐらりと意識が傾いて、
それはすぐに、眠気に変わる。

ZX10/10/5⇒WZ18/10/5

過去に跳んだ。
もともとが同じ時間軸にいた"俺"であるため、過去の俺と接触してはいけないらしい。
"俺自身"の主観がここにある限り、"最初の俺"に接触することはできないのだそうだ。

まずは、過去の俺の行動パターンを思い出す。
たしかあの日は、研究を終えて、マハラの元へ行くために、エレベーターを使って書斎に行きたかったんだよな。
で、B通路でマハラが倒れていた・・・
と、言うことは、階段を使ってB通路まで行かないといけないのか・・・

室内だからブーストも吹かせられない。そんな俺に、4階から8階まで、しかも時間制限付きで階段を上るなんて、ほぼ不可能だった。
B通路に到達した時にはすでにENカツカツ、息を整えている状態だった。

向こうから、マハラが歩いてくる。
もちろん、今まで一緒にコキュートスをやってきたマハラとは別の機体。
だがしかし、マハラはそこにいた。

B通路の一角で、マハラが誰かと話している。
小柄なロボ。俺ではなかった。
会話を聞こうとしても、うまく聞き取れない。

物陰から眺めていると、急に小さなロボが、ナイフを取り出した。
マハラがたじろいでいる。過去の俺が到達するにはまだ30分ほど時間があった。
所持していたスタンガンを取り出し、マハラの前までダッシュする。

???「誰だお前は!」
マハラ「シエロ!?どうしてここに!?」
シエロ「いいから早く逃げて!」
マハラ「逃げる!?どういうことだ!?」
???「貴様、そのスタンガン・・・!」

ヤツがナイフを切りつけようとする。
俺がヒラリと軽くかわした。
その隙にヤツはマハラの前にナイフを差し出し、

???「手を出したら、こいつがどうなっても知らないぞ」
シエロ「・・・ッ」

こいつめ、小癪な・・・!

やむを得ず、俺はスタンガンを取り出す。
ヤツはナイフで応戦する・・・

その、素振りを見せた・・・

"見せた"、だけだった。

バチバチっと、火花の散るような音。
すでにヤツはいなかった。

ヤツは俺のスタンガンをかわし、かわしきれなかったマハラが、俺のスタンガンを直撃して、機能を停止させた。

シエロ「まさか・・・俺が・・・俺が・・・」

マハラを殺したのは、俺だった。
―――鬱になっている時間はない・・・冷静に考えるんだ。
あと数分で過去の俺が到着してしまう。
急いでタイムマシンに戻り、起動させる。

絶望の色で、現代に戻る―――

WZ18/10/5⇒ZX10/10/5


<時代錯誤のリブート fin.>
最終更新:2011年07月27日 23:26