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舞踏会殺人事件・解決編


ステージに集まったおのおのは、静かにモニターを見つめる。
全員集まったのを確認し、コスモが口を開く。

コスモ「謎は解けましたよ。犯人はノップさん、貴方だ」
ノップ「・・・私が犯人、と?」
コスモ「ええ。貴方は直前にシローさんと仮面を交換した。シローさんもポーンジャータイプの機体だ。仮面を付けてしまえばわからないだろう」
シロー「ちょっと待った!俺はそんなことは!」
コスモ「もちろん貴方も共犯だ。ヤマダさん、あなたもね」
ノップ「私にはアリバイがある。それはこの探偵にも話しましたし、証明されているはずだ」
コスモ「ええ。アリバイは証明されていますよ。しかし、もしもイニットさんの死因が刺殺ではなく、毒殺だったとしたら?」
ノップ「・・・」
コスモ「即効性ではない、ああたとえばリミット式の毒を使って、だね。タイマーはもちろん停電時にセットした」
ノップ「・・・で、その後私がどうしたと?」
コスモ「停電時に刺し、刺殺に見せかけてステージに突き放した。そしてイニットさんはよろめき、倒れた」

自信ありげなコスモの推理に、ブレイブが一閃。
反論の一言を加えた。

ブレイブ「・・・違うなコスモ。お前は勘違いしている」
コスモ「・・・ふむ」
ブレイブ「ノップ氏やシロー氏、ヤマダ氏はこの事件に関係ない。彼らは普通にワインを飲み、停電に慌てている。この事件の本質は、そうじゃないんだ」
ブレイブ「殺害方法が毒ということと、ステージに突き放したところは合っているがな」
コスモ「しかし、彼ら以外に同じ衣装ができるのはいない筈だ」
ブレイブ「いるんだよ、それが」
コスモ「!?」
ブレイブ「そして停電のタイムスケジュールや演説のタイミングまで完璧に把握している人物もいる。それは貴方だ」

ブレイブが勢いよく指を指す。その先にはイニットの妻、カノンがいた。

カノン「・・・!?」
ブレイブ「辺りを見回してみろ。護衛のシャインバスターがいるだろう?彼らはすべて、同じ衣装を纏っているな」
ピア「・・・まさか」
ブレイブ「そう。そのまさかだ。カノンさんは離脱後一人のシャインバスターを誰にも気づかれないような、そう例えばエレベーターなんかで昏睡させただか、あるいは殺したかもしれないな。そうして警備衣装を盗んだ」
ノップ「しかしカノンさんはお酒に弱くてお手洗いに向かったはずじゃ」
ブレイブ「カノンさんはお酒に弱くなんかない。確かに弱かったが、それはとっくに克服しているはずだ。そうだろう?」
カノン「いえ・・・違うわ」
ブレイブ「だって、貴方の手にあるそのグラスに入っていたのは、お茶じゃない。ウーロンハイのようなものだ」
カノン「・・・!?」
ブレイブ「先ほど入れ替えさせて貰った。悪いね」
カノン「たしかに、少し火照るような感じがあったけど、まさかこのグラスの・・・」
コスモ「・・・カノンさん。本当に貴方が?」

少し間をおいて、カノンが一つ呼吸を置き、静かに語り始めた。
その目には涙が。そして、全てを話す決意が込められていた。

カノン「・・・ええ。私が・・・殺したわ」
ブレイブ「・・・なぜ」
カノン「探偵さんには分かってるんでしょう?意地悪な」
ブレイブ「いや、分からないね。そこまでして夫を殺したかった理由が」
カノン「・・・彼は、"英雄でなければならなかった"」
コスモ「・・・?」
カノン「彼は混沌側という疑惑をかけられても、最終決戦では人並み以上の活躍をして敢闘賞もいただいていたわ」
カノン「でもね、今回の弁解の原稿を見て、また疑惑がかけられるんじゃないか、と思った」
カノン「ならば、ならばね、敢闘賞を貰った"イニット"のまま、この世を去って、永遠に称えられてればいいのよ」
カノン「彼は英雄よ。すばらしい人物だわ。でも、混沌側なんかじゃない。その疑惑ごと、闇に葬りたかったのよ」
ピア「・・・ひどい。そんなの、貴方の勝手じゃない。イニットさんだって、本来は疑惑を晴らすためにこれを開催したはずよ」
カノン「そうね。でも私は彼を愛していたわ。それだけは本当」

ピアが目に涙を浮かべて声を荒げた。

ピア「だからって好きな人を殺すの?それって、本当に愛なの!?私にはわからない!」
カノン「・・・そうね」
ファウント「続きは本部で聞かせていただきます。こちらへ」

ファウントがカノンを司令本部へ連れて行く。その後はおそらく牢に入れられ、出れないのかもしれない。
でもそれは、ブレイブには関係のない話だ。彼はあくまでも探偵。その後のことは、わからない。

ブレイブ「事件解決、だな。また推理が外れて悔しいか」
コスモ「仕方ないさ。飲み物を摩り替える、なんて現場にいないとできない業だ」
ブレイブ「ふっ、負け惜しみか。お前らしくていいじゃないか。さ、行くぞリザルト」
リザルト「ところで今日の夕食は何なの?」
ブレイブ「お前また食うのかよ?すげーなー・・・」

ぽつぽつと歩き出す。向かう先は出口。
ブレイブは、彼は、今日も、明日も、真実を追い求め、コズミックアークを駆け巡る。

=つづく=
最終更新:2012年08月29日 23:11