第二話「不可解な殺害」03
その後すぐに地下室へと向かった。
ウィンとともに燃え上がった部屋の壁紙は剥がれ落ちており、最初に入ったときにはなかった扉が見えていた。
ブレイブ「やっぱり隠し扉か」
コスモ「先に行こう。真実が待ってる」
扉を開けると、ひどく長い廊下があった。
すこし歩くと床がきしむ。木製のようで、どうやら家が増築される前にあったようだ。
キィっと嫌な音がしたが、静かに進む。
突き当たりには、木製のドアがあった。
ブレイブ「またドアか・・・」
コスモ「それほど知られたくない秘密なんだよ。なんせ、軍から弾圧を受けたRAIに関することだ」
ブレイブ「・・・入るぞ」
ドアを開けると、暗かった廊下とは打って変わってとても明るい部屋だった。
壁は鉄でできている。少し寒い。
見回すとそこには、殺されたはずのティアセリオ姉妹と、ウィンとべク、そしてアルフがいた。
ウィン「よく分かりましたね・・・と言っても、地下室に二度来ればわかることか」
コスモ「明日にはここを出る予定だっただろう?」
ウィン「はい、まあ。なので謎が解けないと私たちに逃げられるということです。お見事だった」
コスモ「なぜこんな真似を」
ウィン「それは」
ウィンが口を開こうとするところに、ブレイブが割って入る。
ブレイブ「君は軍に規制される直前にRAIを買い占めた。そしてこの部屋に入れた・・・違うか」
ブレイブ「最初に死んだ二人も、べクも、そこで燃えた君も、みんなRAIでできたレプリカだったんじゃないか?アヤカに作らせた」
ウィン「・・・」
ブレイブ「君はアヤカに執着を持っていた。昔から愛用していたRAIだったんだろう?使用人を雇う前から使っていたんじゃないか、使用人として」
仕方ない、と言った顔で重そうな口を開く。
しかし目は落ち着いている様子だった。
ウィン「そうですね。そしてRAIが規制され始めてから、ほかの使用人を買って住まわせた」
コスモ「犯罪を隠そうとしたのか」
ウィン「違います。確かに使用人を雇ったのはRAIを使っていることを知られないため、RAIを買い占めたのは市場で規制されるRAIを少なくし、軍にすべてを規制させたように錯覚させるためです」
ブレイブ「君は犯罪を隠そうとしたことに間違いはない。しかし犯罪であり罪である以上に、君はアヤカを好いていた。違うか」
ウィン「・・・その通りです、探偵さん」
ウィンはそれきり静かになった。ブレイブは周りを見渡し、入ってきたドアと逆方向に、もうひとつドアがあることに気づいた。
ブレイブ「・・・なあ、あのドアはなんだ」
ウィン「・・・」
静かだったウィンは、少し考えて、決意したふうでようやく顔を上げる。
事件の謎は明かされたと思っていた二人は、決意に満ちたその顔を見て驚いた。
まだこの家に纏わる話には、続きがある。
どうやら、RAIを使った殺人事件(ごっこ)は前座だったようだ。
ウィン「私と一緒に、来てくださいませんか。探偵さんをお呼びしたのは、あのドアの奥にあるものの真実を解き明かしていただくためです」
ブレイブ「・・・つまり一連の殺人事件ごっこはテストだった、ということか」
ウィン「そうなりますね。騙して申し訳ありません。コスモ氏も、なんならこの事件のあと私を牢に入れても結構です。そのくらい重大な秘密が、この奥・・・書庫にあります」
コスモ「話は聞こう。君を牢に入れるのは謎が解けてからだ」
ウィン「ありがとうございます」
ウィンはじっと話を聞いていたほかの人たちを家に戻し、広い書庫へとブレイブ達を案内した。
ウィン「一家ぐるみで探偵さんたちをテストしたのは、この広い書庫の、数冊の本に関わる謎を解いていただきたいからです」
(第三話「暗号」につづく
最終更新:2012年10月03日 23:53